まとめ記事(コンテンツ)

2007/06/08

崩壊 売れない国産車の末路は・・・・


1989年・・・ダイハツは「MS-X90」なるコンセプトカーをジュネーブショウに出品した。それが、名車「アプローズ」であった。

それまで親会社トヨタとの棲み分けの為に、独自の小型車の製造が出来なかったのだが、バブルの勢いも加勢し、小型車の市場が一気に拡大したこともあり、ダイハツ独自の自社開発小型車の販売がトヨタより許されたのであった。

外観は一見するとオーソドックスな3BOXスタイルであるが、それだけでは売れない・・という事はダイハツも重々承知であって、アプローズは、実はリヤには巨大なハッチを備える「5ドアハッチ」として売り出された。

「新しい時代のセダン」、「ポストセダン」として「喝采(アプローズ)」の名前で、ダイハツグループの期待を一身に受けてリリースされたのだった。



外観は至って平凡だったが、その頃の国産車に多く見られた、見せ掛け上の高級感を演出するための「メッキモール」がほとんど見られず、まさに面と線とで存在感を演出した嫌味の無い、ある意味では質実剛健的欧州風なエクステリアであった。
それは室内も同様に演出され、機能別に操作系は分けられ、初代シヴィック以来跡絶えていたトレイのあるインパネ・・と、まるで真面目を画に描いた様なクルマでもあった。



実際にもリヤのユティリティは優れたものがあり、通常のハッチボディとは異なり、ハッキリとしたリヤセクションがあるおかげで、広大なスペースが生み出され、少々の荷物ではリヤのシートバックを倒す事無く積み込める・・という優れたものであった。



ところがである・・・人の上げ足しか取れない某全国紙で、フェールタンクの息抜きの不備で、給油中にガソリンが吹き返し、それによって火災が起きた・・という事例を大々的に書きたてられてしまい、以来「火を吹く欠陥クルマ」のレッテルを貼られ販売台数が激減してしまった。

空虚な事に「火を吹くクルマ」、「燃えるクルマ」という言葉が先行して、あたかも何もしなくとも燃えてしまうクルマという短絡的なイメージで記事を書いた、その全国紙の陳腐な思想も嘆かわしいが、その記事を鵜呑みにした多くの人が居た事が、結局はバブルに踊り、クルマの本質を知らない、日本人のモータリゼーションの底の浅さを露呈したトピックであったかもしれない。。。

それからは売れない「国産車の悲しい法則」に従い、マイナーチェンジを繰り返し、名前まで変えて応戦一方に終始してしまい。。。さらになぜか「クルマが売れなくなると、高級感を演出したがる・・」という妙な鉄則にも則り最終型は、見るも無残な姿形になってしまった。。。



少し前に話題にした、ヘッドライトの上向き下向きの件といい、

上下 ヘッドライトはどう使うか知ってますか!????
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/5063813/

まったく上辺だけの記事を書いて、本質を伝えない現在の新聞のクルマに対する認識の無さも困ったモノだが、そこから本質を見抜けない多くのドライヴァーが居る事も残念で仕方ない。。。

また、せっかく高尚な思想を持って造られたクルマも、結局は売れないと、見せ掛けの豪華さとか小手先のモデルチェンジを繰り返し、衰退の道を歩むという歴史の繰り返しもいい加減気付いて欲しいと思うのだが、どうも一向に改善の様子が見えないのも悲しいモノだ。

そういった意味で、本来「アプローズ(喝采)」を持って受け入れられるだろう筈だったクルマの一生を見るに付け、単純にヒトツのレア車として捕らえるのではなく、そこからクルマに対する認識を新たにする指針として捉えるべき良い例だろうと僕は思うのだが、皆さんは如何感じただろうか?


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Posted at 2007/06/10 14:47:39

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