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- ハンドルカクカク(Sticky Steering)の原因考察
まとめ記事(コンテンツ)
チェロ.さん
2023/11/20
【メモ】CX-60 ハンドルカクカク(Sticky Steering)の原因考察
カテゴリ : 内装 > ステアリング > その他
車種:マツダ CX-60
作業日:2023/11/20
目的:修理・故障・メンテナンス
作業:DIY
難易度:★
作業時間:30分以内
1
CX-60/90のEPSは,NDロードスターにも採用されたのと同じデュアルピニオンタイプです
NDロードスターには日立Astemo製が採用されており,おそらくCX-60/90も同様でしょう
FLシビックは日立Astemo製デュアルピニオンです
基本はラックアンドピニオン式で,ステアリングシャフト端のピニオン部にアシストモーターが付いているタイプではなく,その反対側にアシストモーター用のピニオンが取り付けられたタイプです
アシスト機能がステアリングシャフトと分離されているため,搭載自由度の向上と高剛性・高出力を実現したシステムです
アシストモーターはウォームギアの減速機を介してピニオンを駆動します
※構造図はJTEKT
NDロードスターには日立Astemo製が採用されており,おそらくCX-60/90も同様でしょう
FLシビックは日立Astemo製デュアルピニオンです
基本はラックアンドピニオン式で,ステアリングシャフト端のピニオン部にアシストモーターが付いているタイプではなく,その反対側にアシストモーター用のピニオンが取り付けられたタイプです
アシスト機能がステアリングシャフトと分離されているため,搭載自由度の向上と高剛性・高出力を実現したシステムです
アシストモーターはウォームギアの減速機を介してピニオンを駆動します
※構造図はJTEKT
2
CX-60/90,FLシビック,北米CR-VやHR-Vなどで突然流行り始めた,ハンドルカクカク(Sticky Steering)の原因を考察してみます
あくまでも私見なので真因は不明です
1. ラックアンドピニオン自体の問題
ステアリング機構として50年以上も使われている機構なので考えにくい
2. モータ減速機のウォームホイールやギヤの歯の形状が悪い
当初は欧州TSBにあるウォーム変形を疑いましたが,当該TSBはステアリングが重くなるというもので,カクカクとは異なっているかもしれません
ウォームホイールとギアの組み合わせは古い技術であり,先述のラックアンドピニオン同様考えにくく,変形が原因であれば,応急処置で改善することは考えにくい
3. ソフトウェアの問題
リプロのせいだとか,OBDやUSB接続機器のせいだとか騒いでるのを見かけますが,エンジンを止めてステアリングを切っても症状が現れるので,ソフトウェアの問題ではなくハードウェアの問題でしょう
4. ウォームホイール材質の問題
未確認ですが,ウォームホイールには一般的なポリアミドPA66(66ナイロン)ではなく,オランダのロイヤルDSM社が開発した植物由来70%の高性能ポリアミドPA410が使用されている可能性があります
これが正しい場合,新開発の材料であるため,評価期間が短すぎる可能性もあります
また,潤滑油との親和性などの問題があるかもしれません
5. 潤滑の問題
樹脂製ウォームホイールとスチール製ウォームの間には焼付防止と樹脂保護のため,特殊な潤滑油が使用されています
・ステアリングを高速回転させて撹拌することで改善されることから,潤滑油量の不足が考えられます
・樹脂製ウォームホイールとの相性など,潤滑油の物性が悪いことが考えられます
・気温低下に伴って発症例が増加したため,潤滑油の温度特性が悪いことが考えられます
6.ラッシュアジャスターの問題
モータ軸先端のウォームとウォームホイールとの隙間調整のため,ラッシュアジャスターが付いていると思われます
その場合,潤滑状態や当たりの強さなどによってはラッシュアジャスターの固着などが考えられます
7.サプライヤーの問題
いずれの車種も日立Astemo製EPSが採用されています ※CX-60/90は未確定
同社は品質不祥事が発覚し,今年になってその対象が大きく広がるなど問題になっていますが,40年前から不正が行われてきました
EPSも不正対象となっており,この点も見過ごせません
個人的には,5か6もしくは両方を疑っていますが,マツダ客相やディーラーに聞いても明確な回答は得られておらず,運転の安全に大きな影響を与える部品であり,迅速な恒久対策が望まれます
※図は日立Astemoの特許から
あくまでも私見なので真因は不明です
1. ラックアンドピニオン自体の問題
ステアリング機構として50年以上も使われている機構なので考えにくい
2. モータ減速機のウォームホイールやギヤの歯の形状が悪い
当初は欧州TSBにあるウォーム変形を疑いましたが,当該TSBはステアリングが重くなるというもので,カクカクとは異なっているかもしれません
ウォームホイールとギアの組み合わせは古い技術であり,先述のラックアンドピニオン同様考えにくく,変形が原因であれば,応急処置で改善することは考えにくい
3. ソフトウェアの問題
リプロのせいだとか,OBDやUSB接続機器のせいだとか騒いでるのを見かけますが,エンジンを止めてステアリングを切っても症状が現れるので,ソフトウェアの問題ではなくハードウェアの問題でしょう
4. ウォームホイール材質の問題
未確認ですが,ウォームホイールには一般的なポリアミドPA66(66ナイロン)ではなく,オランダのロイヤルDSM社が開発した植物由来70%の高性能ポリアミドPA410が使用されている可能性があります
これが正しい場合,新開発の材料であるため,評価期間が短すぎる可能性もあります
また,潤滑油との親和性などの問題があるかもしれません
5. 潤滑の問題
樹脂製ウォームホイールとスチール製ウォームの間には焼付防止と樹脂保護のため,特殊な潤滑油が使用されています
・ステアリングを高速回転させて撹拌することで改善されることから,潤滑油量の不足が考えられます
・樹脂製ウォームホイールとの相性など,潤滑油の物性が悪いことが考えられます
・気温低下に伴って発症例が増加したため,潤滑油の温度特性が悪いことが考えられます
6.ラッシュアジャスターの問題
モータ軸先端のウォームとウォームホイールとの隙間調整のため,ラッシュアジャスターが付いていると思われます
その場合,潤滑状態や当たりの強さなどによってはラッシュアジャスターの固着などが考えられます
7.サプライヤーの問題
いずれの車種も日立Astemo製EPSが採用されています ※CX-60/90は未確定
同社は品質不祥事が発覚し,今年になってその対象が大きく広がるなど問題になっていますが,40年前から不正が行われてきました
EPSも不正対象となっており,この点も見過ごせません
個人的には,5か6もしくは両方を疑っていますが,マツダ客相やディーラーに聞いても明確な回答は得られておらず,運転の安全に大きな影響を与える部品であり,迅速な恒久対策が望まれます
※図は日立Astemoの特許から
3
ウォームには特殊なグリスが使用されており,グリスアップをやめてくれと言われたのは,専用グリスでないとダメだからという理由かもしれません
構造を考えると,低速高荷重の接触面なので,その辺に転がってるグリスではダメなように思います
また,グリスアップのためにはカバーを開ける必要がありますが,開けることで防水性が失われるからとも考えられます
※グリス説明はNSK
構造を考えると,低速高荷重の接触面なので,その辺に転がってるグリスではダメなように思います
また,グリスアップのためにはカバーを開ける必要がありますが,開けることで防水性が失われるからとも考えられます
※グリス説明はNSK
4
【ホンダ関連情報】
NHTSA EA23003によると,ホンダは要因を以下の2つとしています
① ウォームホイール
製造において,ウォーム ホイールはアニーリングとコンポーネントの調整プロセスを経るが,このプロセスによってウォームホイール内に内部応力と歪みが発生する。
この歪は最初の数ヶ月の間にゆっくりと解放され,時間経過とともに解放された歪によってウォームホイールの歯が変形し,ウォームギアがウォームホイールに引っ掛かるようになる。
② グリス量
製造プロセスで適切なグリース塗布が保証されていなかったため,一部車両はグリースが少なすぎて,ステアリングを回転させる力が瞬間的に増加する原因となっていた
NHTSAはリコールしていませんが,ホンダはTSB(23-037)を発行して,販売店に対し該当車両のEPS交換を指示しています
対象はシビック(2022-23),インテグラ(2023-24),CR-V(2022-23)の30~50万台
ステアリングが引っかかって切れずに路外逸脱したもの11件,ステアリングが切れすぎて過剰修正したもの2件の事故が報告されています
※北米ではCX-60が売られていないこと,CX-90のステアリング問題の報告件数が少なく事故報告がないことから,今のところマツダ関連情報はありません
NHTSA EA23003によると,ホンダは要因を以下の2つとしています
① ウォームホイール
製造において,ウォーム ホイールはアニーリングとコンポーネントの調整プロセスを経るが,このプロセスによってウォームホイール内に内部応力と歪みが発生する。
この歪は最初の数ヶ月の間にゆっくりと解放され,時間経過とともに解放された歪によってウォームホイールの歯が変形し,ウォームギアがウォームホイールに引っ掛かるようになる。
② グリス量
製造プロセスで適切なグリース塗布が保証されていなかったため,一部車両はグリースが少なすぎて,ステアリングを回転させる力が瞬間的に増加する原因となっていた
NHTSAはリコールしていませんが,ホンダはTSB(23-037)を発行して,販売店に対し該当車両のEPS交換を指示しています
対象はシビック(2022-23),インテグラ(2023-24),CR-V(2022-23)の30~50万台
ステアリングが引っかかって切れずに路外逸脱したもの11件,ステアリングが切れすぎて過剰修正したもの2件の事故が報告されています
※北米ではCX-60が売られていないこと,CX-90のステアリング問題の報告件数が少なく事故報告がないことから,今のところマツダ関連情報はありません
5
ラッシュアジャスターがこのようなクサビ形状の機構などで,ウォームをウォームホイールに押し当てている場合,この部分に固着があると,ウォーム接触面の抵抗が大きくなるので,ウォームの動きが悪くなることが想像できます
6
この構造なら,右下のネジ緩めてスプリング交換するとかかも?
7
ラッシュアジャスターの構造が分からないのでなんとも言えませんが,ウォームホイールを線バネで調整するタイプなら,レートを落とした線バネに交換するのかもしれません
イイね!0件
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