まとめ記事(コンテンツ)

2015/01/20

シクラメンのかほり☆布施明/小椋佳

 今の職場の上司にヤギさんがいます。私と同い年なのですが、博学才穎でいろいろな事柄に薀蓄を傾けます。それはそれでためになるのですが、時折オヤジギャクが挟まります。たまに聞いていて面倒くさくなることがあります(笑)
 そんなヤギさんが先日一緒に呑んでいたら急に怒り出しました。最初はよくわからなかったのですが、小椋佳に対して怒っているらしいのです。

 「シクラメンのかほり」(作詞/作曲:小椋佳)は、1975(昭和50)年に発売された布施明のシングルです。この年のレコード大賞を初めとした音楽賞を総なめにしました。一部のフォークファンに知られていた小椋佳もこのヒットにより多くの人に知られるようになりました。

 ヤギさんの怒りは題名の「かほり」に対してでした。「香り」の歴史的仮名遣いは「かほり」ではなく「かをり」が正しいというのです。その間違いが人々に広まったのはこの曲のせいだというのです。東大を出て一流の銀行に入行した小椋佳は、そんなことも知らなかったのかと怒っているのです。周囲にいた同僚たちは困った顔をしていました。
 ヤギさんは高校時代に真面目に古文を勉強していたのでしょう。その頃の僕は、学校の勉強よりフォークソングの勉強を一生懸命していました。
 この「かおり」とは「香り」ではありません。女性の名前なのです。小椋佳の奥さんがまさしく「佳穂里」さんなのです。シクラメンのような「かほり」さんという意味なのですね。「佳穂里」さんへの愛を捧げた歌なのです。この歌がヒットしたころにはシクラメンの花に薄紫色はありませんでした。シクラメンには香りはなかったのです。この曲がヒットしたので薄紅色したシクラメンが、香り豊かなシクラメンが作られたのです。小椋佳は偉大なんです。 
 こんなオヤジたちのやりとりを聞いていた同僚の一人が言いました。「『シクラメンのかほり』ってどんな歌ですか?」二人はずっこけました。同僚たちはこの名曲を知らないというのです。布施明という歌手も…。

Posted at 2015/01/20 06:05:16

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