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- タイヤは何故飛ぶのか?(本編)
まとめ記事(コンテンツ)
2025/05/30
タイヤは何故飛ぶのか?(本編)
では、本題です。
1 ナット(ボルト)が緩んだ状態で走行した
軸力の低下によって、外力即ち走行中のタイヤ&ホイールに掛かる荷重(垂直荷重+せん断荷重等)>摩擦力となり、接合面に相対滑り(フレッティング)が生じますが、その結果、ハブボルトにも(軸力以外に)せん断荷重等が掛かるようになります。
緩みに気付かずに走行を続けると、緩みは更に進展し、摩擦力の低下→荷重の増加となり、やがて疲労破断します。
そのため1本が折れると、残りも一気に折れてタイヤが飛びます。
自分も過去に低速で波状路を通過した際、若干の違和感を感じたので、念のため点検したらナットが少し緩んでいた事がありました。
※仮に増し締めの角度を15度だったとすると、ピッチ1.5×15/360≒0.06ミリ、つまり僅かに髪の毛1本分ですが、これでもフレッティングが起こります(なお、この段階ですぐに破断する訳ではない)
一般のユーザーだと、もっと緩みが進行しないとまず気付かないと思いますが、逆に言うと少しでも異変を感じたなら、面倒くさがらずに降りて点検すべきでしょう。
2 塑性域まで伸びたボルトを更に締め付けた
ボルトの引張強度を超えると、最後は破断します。

↑画像は土木LIBRARYより
(過去に締め過ぎた事により)ボルトが伸びて永久変形が残っている場合、適正トルクで締めたつもりでも必要な軸力が出ていないため、1のナットが緩んだ状態と同じになります。
また、その際に手応えがないからと更に強く締めた場合、その時点で引張強度を超えて破断するか、(装着時に破断しなくても)早い時点で破断します。
※伸びたボルトは危険なので、必ず打ち換えるなどしてください。
3 ハブボルトがそもそも強度不足だった(品質不良など)
ネットで売られている社外ハブボルトを見ると、強度区分はまず記載されていませんが、割と有名なアフターパーツメーカーの物でも、材質がS45C(高炭素鋼)だったりします。
これに対し純正ハブボルト(強度区分10.9)は、ハイテン鋼であるSCM435(クロモリ鋼)を使用しています。
※S45Cだと、強度区分で言えばせいぜい8.8まで。

↑その某メーカー、知ってか知らずかS45Cをクロモリ鋼だと表記している
値段が安い場合は、まずS45Cで間違いないでしょう。
※上記のような怪しい商品もありますので、「日本製=安心」という幻想は捨ててください。
そもそもロングハブボルトを使うという事はスペーサーを入れるという事なので、本来そんな物を使用すべきではありませんが、どうしても使うなら高くても高精度のスペーサーと、純正品(他車種用のハブボルト)の流用に留めるべきかと。
【参考】
その社外アフターパーツ、保安基準に適合していますか?
https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/47590722/
他にも、過去にはハブフランジの強度不足(三菱の大型)のような事案もありましたが、あまり一般的ではないので省略します。
Posted at 2025/05/30 09:41:46
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