まとめ記事

中華街弐型 開発メモランダム
2017/07/10 912PV
完全に自分のための備忘禄で読んでいただくようには書いておりませんのでスキップ願います。 予算5諭吉 実績6諭吉
  • 動機
  • 大手メーカー製HiFi中級機程度の品位を目指し、民生向量産部品を使い経済的に車載実現したい。
    2DIN HUでナビとHiFiを統合すると極端に高額になるのでオーディオを完全分離する割り切りを行う。
    メーカー製DAPは信号取出しフォーマットの自由度、電源制御など容易に解決できない問題があり意外に車載に適していないと判断し検討中止。
    全部シート下に作りWebリモコンだけ運転席に持ってくる機能配備を採用。リモコン画面は当面スマホで表示するがWebなら次期車種ではHU画面にレンダリングできる可能性が高いと予測し投機的に採用決定。
    ハイレゾは事前ダウンサプリングせず再生できれば可、自分のハイレゾ音源は録音が古く品位が低いのでフルフォーマット再生は不要。
  • 試作結果
  • ラズパイと中華モノを統合してメーカー機に比べ以下二点以外の使い勝手をほとんど損なわず、所定の性能と高いコスパを実現した。
    ①始動から演奏開始まで40秒の所要時間 →20秒に短縮
    ②電話着信やナビ発声時に音楽が絞られない
    逆にメーカー製よりよいことも
    ①スマホ利用で意匠性・操作性がメーカー製2DIN機以上。
    ②主信号が完全独立し、操作系がスタンダードWEBなので新車両への移設がとても簡単。
    ③フルデジタル構成で高効率部品採用により115D26バッテリで2時間安全に再生できる。
    ④192KHz/24bitまでの音楽ソースをそのまま再生できる(但し内部処理96KHz/24bit)。
  • 開発成功の肝
  • 出力フォーマットがドータカードで自由に選べるラズパイをHUとした。
    ACC連動リレーによるON/OFFでファイルシステムが壊れないことを長期試験で実証し、電源系を究極に単純化した。
    低価格な中華DSP nanoDIGIを選択、そこそこのスペックで音響信号処理の全項目を網羅できた。
    モバイル・コンシューマオーディオ用の統合ICを使う製品群から試聴を重ねて選択した。
    ハイエンドでなく統合ICに絞ったのは外付け部品を最小にして激安中華価格帯での当たりはずれを避けるため。
    ノイズ感受性の高い部分だけに対策費用を集中。
  • 失敗したこと
  • I2S利用で高クロック品質とインターフェース変換コスト削減を同時に狙ったがHU-DSP-DAC間のフォーマット整合できなかった。
    音響信号処理を当初ラズパイ内でやろうとした(DSPレス)。ラズパイはGPU_FFTを使えばローエンドのDSP程度の演算能力がありオフラインツールのみを組み合わせて設定出しも可能と考えていた。だが途中からクルマは聴きながらの補正が重要だとわかりOSS版オンラインツールを探したが存在していない。結局調整ツール欲しさに普通のDSPを別途購入して使うことにした。
    ラズパイMPD更新に従ってどんどん進化するという目論見は起動時間の延長を招くことがわかりあきらめざるを得なかった。→その後、起動時間を短縮する更新が行われ、それにアップグレードし、最初の目論見を果たした。
  • 関連技術調査(1) クロック
  • 安価なコンピュータのXOは精度が低いうえ、44.1KHz系のMCLKに整数分周できないので何らかのごまかしテクニックが介在する。
    ラズパイでは44.1KHzを挟んで2種類の周波数を組み合わせて帳尻を合わせており、そのまま音楽再生に使うと巨大なジッターとなる。
    音響専用XOとしてTCXOを使う話を見かけるがTCXOが防止できるのはワンダーであってジッターではない。
    音響で「ジッター除去」といわれる技術の設計目標は時間領域で正確なクロックを打つというより周波数領域で位相雑音を可聴域から追い出すことと捉えるべき。
    音響用XOはTCXOより、位相雑音の特性図があって可聴域から雑音が追い出されているMCLK整数倍のXOを選択するべき。
    SPDIF DAI ICのクロックリカバリーはXO精度に比べて2桁悪い。XO選択よりSPDIFをI2Sに置き換えることを優先すべき。
  • しかしI2Sには以下の問題点が存在する
    ①I2Sのクロックスキューを考慮するとラインの電特の制限は厳しい。自作例をみると15cmくらいしか引き回せないという報告もある。
    ②I2Sのフォーマット合わせは片端がオープンソースでないと原理的に無理だし、ソースをいじり出力波形を可視化してデバッグできる設備と能力がない場合、現実的には接続実績のある組合わせしか扱えない。
    デジタル電源はノイズばりばりで済ませたいが、音響信号を送出するクロックのジッターを招く。ソースクロックの悪さを完全にリカバリする「ジッター除去技術」は存在しないのでなるべくソースクロックをよくする努力はしないといけない。つまりHUは単なるデジタルコンピュータではなく低ノイズ電源や高精度クロックが必要なミックスドシグナルシステムとなる。コスト低減を進めるためにはできるだけデジタルコンピュータにしたいが現時点でそう割り切れない。
  • 関連技術調査(2) ジッター制御
  • SPDIF、USB Audio Class 1のように上流から片方向にデータ送信される場合、受信側でリクロックするテクニックを各社が競っているが、バッファーランアウトやオーバーフローに伴うパチパチ音を防ぐには上流クロックジッターにある程度追従することが原理的に必須。これらの技術は上流のクロックの悪さを断ち切る技術ではなく、悪いクロックの位相雑音を可聴域外に追い出すために揺らぎの周期を引き伸ばす技術とみるべき。
    ES9018で上流クロックを無視してもリクロックするモードがありぱちぱち音を我慢しながら劇的によい音質を楽しむ自作派がいるらしい。
  • ソースクロック精度を完全にキャンセルする技術としてUSBバルク転送を使い、大きな受信バッファと上流のRTS/CTS制御、下流の高精度ローカルクロックを組み合わせたリーキーバケットシステムをFPGAで実装した領布品が存在する。しかし必要となるバッファが大きすぎて操作に対して再生が数秒遅れるらしい。USBのバルクフロー制御では粒度が大きすぎるためと推定している。
    USB Audio Class 2.0は等時送信中に5%程度の送信レート変更をフィードバックする機能があり、リーキーバケットが構築可能に見える。 そうなら2.0ではソースクロックの精度の悪さは問題にならない可能性が高い。但し2.0採用システムが全てリーキーバケットとは限らない。2.0を使ったリーキバケットができて初めてHUを音響上の改善措置のない普通のデジタルコンピュータで賄えると期待できる。
  • 関連技術調査(3) アイソレーションと電源
  • アイソレーションはオーディオでは非常に効果のあるテクニックとして多用されている。トランス以外になんと集積化されたアイソレーションデバイスが存在する、初めて知った。
    データ線路のアイソレーションではデバイスの周波数特性の制約が厳しい、電源ラインのアイソレーションは伝達電力の制約が厳しい。
    USB、SPDIFなどでデータ線路はあきらめ電源線路だけアイソレーションするのが費用効果としては現実的。
    TOSLINKはアイソレーションの観点からは理想的だがクロックリカバリー性能はCOAXに比べて悪い。
  • 50mAクラスの集積化されたシリーズ電源がありDACに使われているらしい。DAC電源のノイズ対策はかなり真剣に行われているとみられる。外部から入れる電源もむやみに電力を追求せずクリーンにすることに費用を集中する必要がありそうだ。
    FETアンプ出力の振幅は電源電圧が限界。THD+Nカーブがあるところから突然立ち上がるのは振幅が電圧に近づいてクリップするから。
    本当に100Wクラスを出そうと思えば単一電源では振幅が足りない、±電源が必須。
    AWG4とかすごいケーブルを使う人がいるが、電源のどんな特性を改善するのが目的なのかよく理解できない。少なくともD級増幅で必要な平均電力が2~3Aであることを考えると極太ケーブルは電流値の問題ではない。
この記事へのコメント
コメントはありません。

イイね!0件


はてブに送る
はてブに送る

オススメ関連まとめ

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

みんカラ+新登場

リンレイ
リンレイ

カーグッズ

ニュース