まとめ記事(コンテンツ)

2011/08/23

No.19 CT200h TNP基礎講座 「バッテリレベルとSOC」

図は、HVバッテリのレベル2~8と、HVバッテリ蓄電量SOC(%)との関係を示しています。

SOC値を知るには専用のTNPメータが必要です。

本講座では、TNP専用メータによるマニアックな数値解説をするつもりはなかったのですが、THSII の制御がSOC値をもとに行われていることから、各バッテリレベルがどのあたりのSOC値を示しているのかを知っておくことは無駄ではないだろう、ということで取り上げてみました。




初期の講座に書いたように、バッテリレベルをBLと略します。

ナビ画面をメニューボタンで「情報」→「エコ情報」→「エネルギー」に設定すると、エネルギーモニタが表示されます。バッテリ蓄電量はBL1~BL8の8段階で表示されます。

下図はBL2(2コマに色がついている状態)です。



このときのTNPメータ(プリウス30型オーナであるなおゆきさん開発の SuperMID C-1)の表示を示します。


今回、新たに登場する言葉 「SOC」 は、State of Charge の略語で、HVバッテリの蓄電量を % で示しています。

 ※SOCの表示分解能は0.4%(0.3%のときもある)です。




さて、冒頭の図に戻って説明します。


一番左の列のBL欄の数字はバッテリレベルのことです。
真ん中の列(up)と右の列(down) の数字はSOC(%)の閾値(しきいち)を示しています。

説明するのが難しいのですが、BLがアップしていくときと、BLがダウンしていくときのSOC値が違うことを示しています。

アップする場合の例
 現在BL3のとき、SOCが50.8%にアップするとBL4に変化します。
 現在BL4のとき、SOCが54.0%にアップするとBL5に変化します。

ダウンする場合の例
 現在BL4のとき、SOCが48.6%にダウンするとBL3に変化します。
 現在BL3のとき、SOCが45.0%にダウンするとBL2に変化します。

このように、BLがアップする場合とダウンする場合でSOCの値が異なります。
(ヒステリシスがあるといいます)

 BL3の範囲は
  BLアップ時は 47.0% ≦ BL3 < 50.8%
  BLダウン時は 45.0% < BL3 ≦ 48.6%

 BL4の範囲は
  BLアップ時は 50.8% ≦ BL4 < 54.0%
  BLダウン時は 48.6% < BL4 ≦ 51.6%

  ※不等号に注意

BL4の取りうる範囲はアップダウン双方向を考えると 48.6% < BL4 < 54.0% となります。



SOC(またはBL)に応じてCT200hのハイブリッドシステムがどのように制御されているか、特徴的なところのみ簡単にリストアップしてみました。


1)SOCは40%~80%の範囲を外れないように制御されている

 79.5%(?)にアップすると満充電対策として放電制御が、
 39.5%にダウンすると、強制充電制御が行われます。


2)強制充電は39.5%→50.0%まで

 強制充電(エンジン回転による充電モード)は、SOCが39.5%に
 落ちたとたんに開始され、50.0%に蓄電量が回復するまで続きます。

 一度パワーオフしてしまうと強制充電モードから抜けることができます。


3)エンジン走行時の充電電流は低BLほど大きい

 中BLでは少なく、
 高BLでは逆にモーターアシストが入りやすくなります。

 BL2では20A前後、BL3では10Aちょっとの充電電流が期待できますが、
 BL4では10A以下、BL5以上では充電電流はあまり得られません。

 (備考)
   HSI 20%のモーター等速走行ではモーター電流は10A程度の
   ことが多いです。平地走行時の充放電バランスのとり方は別途
   まとめる予定です。
     

4)中低速での低BL走行のメリット

 平地の中低速道路でエコ運転(モーター多用)に徹すると
 BL2~BL3あたりで制御されることが多いです。

 低BLで走行するとエンジン走行時の充電負荷が大きく燃費が
 悪化しますが、充電量が多いのでその分モーター走行距離を
 伸ばすことができ、結果、トータル燃費を上げやすくなります。


5)長い下り坂を走行すると満充電になる

 BL8の上の方(SOC79.5%)に達すると満充電対策として
 放電制御が行われます。回生ブレーキによる充電は行われなくなり
 モーター走行がメインになるだけでなく、バッテリでエンジンを
 回し続ける状態が続きます。


6)EVモードはSOC50%以上でオン可能、45%未満で強制解除

 車庫での車入れ替えなどのチョイ移動ではEVモードが役立ちます。
 起動直後にEVモードをオンにすることで暖機発生を抑えることが
 できるからです(暖機開始後はEVモードに入りません)。

 SOC50%がEVモードオンの境目ですが、BL3でOKなこともあるし、
 BL4でもNGのことがあります。

 (BL4の取りうる値は 48.6% < BL4 < 54.0% だから)



バックナンバーはこちら
No.18 CT200h TNP基礎講座 「燃費ランキング、悪条件のドライブは最低限に」

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Posted at 2011/08/23 12:15:31

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