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まとめ記事

マツダコネクト物語

タッチ_さん
2015/03/18
3,633

マツダコネクトを題材に2015年2月に執筆した、ボクの人生では初となる短編小説(のようなものw)。全てフィクションです。
なぜこんな品質の悪い状態で市販に踏み切ったのか?今後どうなるのか?非常に謎の多いこのシステム。裏側では何が起こっていたのか当然ながら公開はされず、故にオーナーは非常にヤキモキさせられたワケですが、ボクは関係者から一切何も話を聞かずw、云わば創作でマツダコネクトの1年をでっちあげた上で、以後の未来予想をもって締めくくりました。どうやらその予想通りの未来が来そうです(^^;
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明日から、今まで書いた事の無い全く新しいジャンルのブログを少し書こうと思ってます。 カテゴリの通りで、まぁ短編小説のようなモノですが、そうは云っても10本前後にはなりそうです(笑)。 カテゴリを「フィクション」とした通りで、内容は100%ボクの創作であり、まぁ言ってみれば空想の話です。そうは言っても、ボクのブログを覗きに来てくれる人たちの興味をそそる(であろう)内容ですけど。 ただし、フィクションです。現実の話ではありません。 ※フィクション:フィクション(英語: fiction)とは、作り事、虚構のこと。あるいは、作り話。創作。(wikiより) なんでこんな事を事前に書くかというとですねぇ。。。(^_^;) 本当にこれから書く物語はボクの創作(つ ...出典:タッチ_さん
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第一章:発売前夜 2013年11月某日、とある居酒屋の個室で二人の技術者が上司を待っていた。主任の田中(仮名)のスッキリと晴れやかな表情とは対照的に、技術者の小峰(仮名)の表情は硬くぶっちょう面と言ってよい。宴席の開始時間となったが課長の松本(仮名)はまだ来ない。田中は店員に後5分したら飲み物を持ってくるように頼んだ。前菜は既にテーブルに配膳済みである。 3分ほど経ったところで「いやーゴメンゴメン。お待たせ」という声と共に松本が到着した。「お疲れ様です。飲み物は頼んでおきました。」と田中が伝える。松本がコートを脱いでハンガーに掛け、座椅子に腰かけようとしたところで店員がビールを運んできた。「流石は田中君。相変わらず見事な手際だなぁ。」腰かけた松本に瓶ビールを注ごうとする田中に応じてグラスを差し出しながら、松木はにこやかに云った。田中はぶっちょう面の小峰にもビールを注ぎ、小峰からビールを注いでもらうと松本が話し始めた。 松本:いよいよ来週には我々のマツダコネクトを初搭載した新型 ...出典:タッチ_さん
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第二章:開発経緯 2013年12月某日。小峰は新幹線の車中にあった。11月のあの日以来、課長、主任と三人で密かに事を進め、慌ただしい日々を過ごしていた。新幹線の車中で時間があったことからふと、これまでの開発の経緯に思いが至った。 後にマツダコネクトと命名される新世代商品向けのインフォテインメントシステムの概要がまとまりつつあったとき、最後の検討事項となっていたのがナビゲーションシステムだった。自動車メーカーは自らナビゲーションソフトを開発することはなく、基本的に専業のサプライヤーから提供を受ける立場である。トヨタも日産もホンダも、車種別に専用設計され標準搭載されるナビの中身はナビ専業メーカーから提供されるソレである。マツダにとっては久々の、否、初めてと言っていい自社製システムに載せるナビをどうするか、ナビ関連の数社に協力を求めて勉強会などを行ってきた。 様々な事が解った。 先ず自社ブランドでナビを市販しているナビメーカーは、例え車種別の専用設計であっても原則 ...出典:タッチ_さん
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第三章:異変 2013年11月21日に発売となった新型アクセラの販売は順調だった。発売後1ヶ月の受注台数は16,000台を超え、月間販売計画3,000台に対して5ヶ月分以上に達している。納車は11月に3,623台、12月に3,015台、そして1月には4,476台となり、発売から2ヶ月と10日で10,000台を超えるアクセラがオーナーの手に渡り、日本の道を走り始めることになる。 2014年1月某日。マツダのウェブサイトの管理部門、ユーザーズボイスの担当・石井裕子は新たなアクセラオーナーが投稿したオーナーズボイスを公開してから「う~ん」と思わず眉間にシワを寄せてPCの画面を凝視してしまった。ほどなく部門長である渡辺が背後から声を掛けた。 渡辺:石井さん、どうした?難しい顔をして。 石井:あ、渡辺さん、すみません。いえね、今アクセラのオーナーズボイスをアップロードしたんですが、、、 渡辺:お、またアクセラか。販売好調だからオーナーズボイスの投稿も流石に多い ...出典:タッチ_さん
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第四章:険しい道 2013年11月下旬から、田中をリーダーとし大島沙織をサブリーダーとするサポートチームは、いきなりアクセル全開の激務に追われることとなる。ディーラーやサポートセンターには多くの苦情が寄せられたが、その数は予想を大きく上回った。 田中は早くも二つの誤算に悩まされることになる。 ひとつは、ナビゲーションに集中すると思われたトラブルは確かにその通りとなったのだが、ナビ以外のオーディオ、ラジオ、アプリケーション、そしてシステム全体の不安定さにも多くの不具合の声が寄せられことだ。当然、対応するには要員を割かねばならず、もっとも手厚くしていたナビの対応体制はいきなり縮小を余儀なくされた。 ふたつ目は深刻であった。サブリーダーの大島がいち早くその兆候に気付き11月末には田中を呼びつけて密かに進言していた。 大島:このままじゃマズイ。このペースで行ったらみんなもたないょ。田中君 メンバーは全員、開発に携わった者で、事の経緯は全て承知していた。 ...出典:タッチ_さん
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第五章:役員会緊急議題 アクセラ発売から丁度3ヶ月になろうとする2月の下旬。定例の役員会の議題にマツダコネクトに関する最新状況を報告する場が設けられた。販売の現場に寄せられるお客様の声、コースセンターへの問い合わせ、ウェブサイトに投稿されたオーナーズボイス、その他、マツダコネクトに関わる様々な事象を各部門が報告することになる。製品の主管部局の担当責任者である松本も、製品の保守担当である田中から詳細な情報を入手して報告書をまとめることになった。 田中:・・・以上がこれまでの動きと関連する資料一式です。 1月下旬に役員会が緊急議題としてマツダコネクトを取り上げる旨、通達が出てから直ぐ田中は松本からの指示を受けて報告のネタを準備していた。 田中:いよいよですね。第一関門。 松本:想定よりひと月早い展開だな。勿論これは嬉しい誤算というヤツだが、、、 田中:頑張って下さい! 松本:あぁ、これで道筋を付けられなければ田中君の苦労が報われんし、小峰君の出 ...出典:タッチ_さん
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第六章:国産ナビに向けて 田中がサポートチームを率いて苦闘し、松本が国産ナビ開発の機関決定を得るために奔走している中、小峰も密かに国産ナビ開発の下準備に暗躍(苦笑)していた。なにしろ会社がまだ正式に認めていないマツダコネクト・ナビの国産化である。しかも自社開発ではなくサプライヤーに頼む事になる以上、社外の人間と話をせざるを得ない。松本から「危ない橋を渡っている自覚を持って」と釘を刺されるまでもなく、慎重に事を進めなければならないのは承知していた。 先ず相談の門を叩いたのは、マツダコネクト・ナビのコンペでN社に敗退したA社である。そのときに提案書を作成してくれた課長と主任技術者に協力して貰えるように松本が根回しを済ませてくれていた。 しかし実際に事を進めるのは容易ではなかった。先ず先般のコンペのときとは状況が全く異なる。既にマツダコネクトは完成し、H/W、S/Wの仕様も決まってしまった後の事。そこにA社のナビソフトを載せて欲しいという話なワケで、見積りを依頼 ...出典:タッチ_さん
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第七章:転機 マツダコネクト・ナビの日本国内向けに対する顧客評価は非常に厳しいものであったが、その不満の声の大きさに比べれば、N社の初期の対応は決して敏速とは言い難かった。一体何が起こっていたのか。 もっとも大きな課題は日本市場が彼らにとって初めての、そして非常に特異な市場であったにも拘らず、その認識に立つまでに時間が掛かり過ぎたことだろう。これについてはマツダにも責任の一端はあったかもしれないが、軽々に結論付けられる問題では無い。 彼らは自社製品のナビの市場投入に合せて、製品のサポート体制を当然のように整備していた。特に新製品についてはいつも行っている事であり、別段目新しいことではない。 彼らの会社はボワイトレーベルソフトウェアと称する通り、自社ブランドを掲げるのではなく今回のマツダのシステムのように、自動車メーカーなどにナビを提供している。したがって顧客からの問い合わせは先ず自動車メーカーに入り、そこから必要に応じてN社にエスカレーションされる。 マツダか ...出典:タッチ_さん
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第八章:決断 3月の役員会に国産ナビ開発の是非を諮るべく、小峰はA社から紹介して貰った数社と機密保持契約を締結して詳細な資料を渡し、提案書の作成を依頼した。各社からときどき入る問い合わせに対応しつつ、小峰も資料の作成に入った。 国産ナビを開発した場合のマツダコネクト事業への影響を明らかにするためだ。 自動車メーカーは新型車を開発した際は勿論だが、複数車種に搭載する共通機能などの開発に掛かった費用を、製品である自動車を売ることによって回収しなければならない。当り前の話だが、自動車メーカーに限らず製造業にとっては文字通りの生命線、多額の投資を伴う自動車メーカーにとっては非常に重要である。 マツダコネクトの場合、将来的には全車種に搭載することを目指している上、「古くならないシステム」を謳い継続的な機能強化や機能追加を行っていこうとしている。しかしマツダコネクトは単独で売る商品では無く、広くマツダの全車種に搭載していくものだ。これが一体いくらで、開発費用に今までいくら掛かり ...出典:タッチ_さん
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第九章:難題 役員A:ところで、デミオはどうしましょう? 口を開いたのは販売担当の役員である。開発担当の役員が応じる。 役員B:今日の話で国産ナビの市場投入は11月以降になる以上、6月発売を予定しているデミオには間に合わない。リコール対応※1したマツダコネクトで行かざるを得ないでしょう。 ※1:実際はリコールでは無くサービスキャンペーンとなる。 役員A:そこですよ。果たして我々として、それで良いのか?と。 CEO:先程我々は、多大なご迷惑を掛けているお客様に対して誠意ある対応を取ると決めました。ただ残念ながらここ1~2ヶ月中に実施を決めたリコール※1でも、お客様に100%ご納得頂くレベルに達するかは判りません。そうと知りながら、間もなく発売するデミオでもマツダコネクトのみというのは、お客様から見て誠意ある会社と写るのか?ということです。 役員A:アクセラのお客様からは他の選択肢が用意されない事への不満がありますし、お金なら払っても良いいう声も多い。どうでしょう ...出典:タッチ_さん
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第十章:サービスキャンペーン 2014年5月中旬。マツダコネクトのサービスキャンペーンが実施された。 リリースされたバージョンは31。新車発売時からこれまでも何回か修正版を提供してきたが、今回がもっとも大規模であった。 N社にはプログラムのバグフィックス、地図データの修正に加え、お客様から多く寄せられたユーザビリティの向上にもかなりの変更をして貰った。 マツダコネクトのナビは外国製という事もあり、アクセラ発売直後は日本人には「?」と思われる点が多く存在した。N社からすればそれは"仕様通り"であり不具合では無い。実際にそういった問い合わせ(例えば配色が悪く地図が見難い)はマツダでフィルタに掛けられ、N社には即座に伝達されてはいなかった。勿論、多くの声は顧客の要望であり、将来的には改善すべきところなのだが、当初は不具合が疑われるモノの調査と修正が優先された。マツダとしても、多くの声がある要望については早期に改善したかったのはヤマヤマだが、実際には要望が多くかつ修正が容易な ...出典:タッチ_さん
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第十壱章:開発と保守と 国産ナビの開発は始まった。結局、関西圏に本社を持つM社をパートナーとした共同開発と言う形になった。M社はスマートフォン向けの有料ナビアプリを市販している会社で、ベースとなるナビプログラムの提供と技術者の支援を受け、マツダが主体となって開発を行う。 先ずはマツダコネクトの基本的な画面デザインに準拠した形で、ナビの外部設計を急ピッチで進めた。メニュー階層、各画面のデザイン、コマンダーコントロールの操作に対する動き、戻るボタンの戻り先、etc。ナビの機能はM社のナビアプリがベースとなるが、小峰率いるマツダのエンジニアは慎重に各機能の設計を決めていった。このとき、田中が用意してくれた顧客から寄せられた要望一覧と、それを採用して改善を行ったナビの機能詳細に関する資料が大変参考になった。 N社と最初にナビを開発した際は、画面の基本デザインを仕様として渡し、全てをN社に任せていた。口の悪い言い方をすれば丸投げしていたのだ。今となっては大きな反省点だが、サプ ...出典:タッチ_さん
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第十弐章:或る日の会議で デミオの発売を控えた2014年8月中旬某日。 マツダコネクトの開発、保守サポート、他、関係者の定例会。国産ナビの開発が決まり、保守サポートもサービスキャンペーン後にはある程度の落ち着きが出て、ようやく通常の組織運営的なことが定着してきていた。 定例会は各チームのリーダー・サブリーダー等、数名が集って仕事の状況や課題など、情報交換を通じて共有を図る。 この日は各チームからの報告に大きなトピックは無く、会議の最後に少し時間が空いたため、松本がサポート担当の大島に話題を振った。 大島:インターネットでちょっと面白いブログを見つけたので紹介します。 保守・サポートチームではマツダコネクトの不具合情報等が入手できないかという観点で、定期的にインターネット上の関係すると思われる情報を収集していた。そんな中で見付かったブログ等の記事で、特に好意的な意見等は、こうして会議の時間に余裕があったときに紹介し、まぁ雑談の種にしていた。 大島がスクリーンに投 ...出典:タッチ_さん
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第十参章:国産ナビの完成 2014年9月。新型デミオが発売された。塔載されたマツダコネクトはバージョン33。5月のサービスキャンペーンで提供したものが云わば、日本市場向けに大幅に機能を見直した版だとすれば、デミオの発売に合わせたコレは動作の安定性向上に重きを置いた版と言えた。また、スマートナビと命名されたK社製の社外品ナビも用意された。マツダコネクト非塔載のグレードでしか選べないとは言え、マツダコネクトに不安のあるオーナーへの別の選択肢である。 デミオの納車は9月中から始まり10月には本格化。バージョン33に対するお客様の声も徐々に届き始め、これが日本市場にどれだけ受け入れられているかも徐々に明らかになっていく。 2014年10月。国産ナビが開発試験をほぼ完了し、市販に向けた評価試験に入った。ナビ開発の反省や発売後のお客様の声を踏まえ、徹底的に日本のユーザーの使い勝手に配慮したナビである。国内ナビメーカーのトップブランドに肩を並べる、とまでは当然いかないだろうが、現 ...出典:タッチ_さん
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第十四章:最後の難関 2014年12月某日、とある居酒屋の個室で田中、小峰の両技術者が上司の松本を待っていた。この店は今から約13ヶ月前、三人が密談したあの場所である。マツダコネクトの日本向けナビに大きな不安を密かに抱えていた彼らは、市場に出来るだけ早く日本市場に合った国産ナビを投入する事を画策し、約一年の奮闘の末、来月の正月明けに発売する大幅改良したCX-5、アテンザへの塔載に漕ぎ着けたのだった。松本はこの日もやや遅れて現れた。生ビールを頼んで、先ずは祝杯を上げる。 松本:年明けにはいよいよナビPLUSの発売だ。二人ともこの一年、本当に良く頑張ってくれた。ありがとう。まだ最後の難関が残ってはいるが、今日のところはこれまでの二人の努力を労わせてくれ。 田中:小峰君は良く頑張ったよな。 小峰:田中さんが影の功労者ですよ。ボクなんかより何倍も大変だった筈です。 三人はお互いを労い、この一年の苦労話に華が咲いた。しかし松本の言う「最後の難関」が三人に影を落としており、自 ...出典:タッチ_さん
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エピローグ 2015年秋の某日。 関西圏の某サーキットでマツダ車オーナーを中心としたファンフェスタが開催されている。 2015年2月にCX-3、6月にロードスターが発売となり、SKYACTIV技術と鼓動デザインをまとった新世代商品は既に6車種。パワートレインのみをSKYACTIVとしたプレマシー、ビアンテを加えて日本国内向けのほとんどがSKYACTIV塔載車となっている。 ファンフェスタに集ったマツダ車も、鼓動デザインの新型が多数を占めている。 小峰と田中は会場を歩きながら、とあるオーナーたちの会話が耳に入り立ち止まった。 オーナーA:もう発表を見た瞬間に一目惚れでね。週末にディーラーに行って速攻で予約したんだけどさぁ。納車されて直ぐ、ナビのバ●さ加減にビックリだったょ(-_-)凸 オーナーB:オレはディーゼル待ちだったから納車までちょっとあって、噂を聞いて覚悟はしてたんだけどねー。想像を遥かに超えたダメダメぶりでした。(T_T) オーナーC:そうですかぁ? ...出典:タッチ_さん
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読者のみなんさん、こんばんわ。筆者です(笑)。 いやーーー、疲れました(^_^;) こういった書き物をするのは実は人生で初めてだったんですが、いかがだったでしょうか? ちなみに今のところ、然るべき関係筋からクレームも無ければ、出版関係から作家のお声掛かりもありませんけどね(苦笑)。 今回、あとがきと称して、一連の物語を書いた意図なんかをつらつら書いておこうと思います。 実はこの物語は、マツダコネクトに多少なりとも不満を持っているアクセラ、デミオのオーナーさんたちに向けて書きました。あまり好意的に感じて読んでくれた該当オーナーは少なかったようで、狙い通りにはいかなかったかもしれませんが(^_^;) 因みにですが、メーカーであるところのマツダを擁護する意図は、実は全くありませんでした。 経緯はどうあれ、こんなに品質が悪くオーナーに不評を買ったシステムを市場に出してしまった責は免れようもありません。 ただ、その点については製品の購買敬遠という形で社会的な制裁を自ずとメーカーは受けるものです。ボクのようなオーナーでもない個人が、改めて批判などを展開する必要はありません。 ...出典:タッチ_さん
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