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まとめ記事(コンテンツ)
トライズさん
2014/07/30
ブレーキ前後比
こんばんは!トライズです。
先日に引き続きブレーキの話をば。
S15シルビアってブレーキバランスが前寄りな気がしませんか?
サイドブレーキが利きにくいのはディスク式だから仕方ないとして、とゆーかサーキットタイムアタックでは、サイドはほぼ使わないので置いておくとしても。
たとえば、ヘアピンのターンインとかブレーキングドリフトをやろうとしてもなーんかどうも大人しくて物足りない気がします。
また、S15シルビアは全車ABS標準装備ですが、ABSをキャンセルすると、この無駄な安定感がより強くなります。いまいちバランスが悪い感じ、、
では、実際のところ、S15のブレーキ前後バランスはどんな感じなのでしょうか。
ざっくり試算してみます。
まず、ブレーキの前後バランスを決定する要件を列挙します。
1.ローター径
前後のローター径の比は、そのままブレーキバランスを決定する係数になります。
ただし、より正確に計算するならばローター外径ではなく、キャリパピストンの中央を通る弧の位置(有効ローター径)を用いて計算します。
2.キャリパピストン面積
これも前後比がそのまま係数になります。
パッドに当たるほうではなく、油圧がかかるほうの面積で計算します。
対向ピストンの場合はその片側の面積、複数ピストンの場合はその片側合計面積で計算します。
3.軸重
当たり前のことですが、ブレーキをどんなに大きくしてもタイヤと路面間の摩擦力を超える制動力は得られません。
タイヤ-路面間の摩擦力は、摩擦係数μ×垂直加重Wで、求められます。
タイヤの摩擦係数は加重によって一定ではありませんが、基本的に、軸重が重いほうが摩擦力も強くなります。
よって、軸重が大きければ、より大きなブレーキを付けた方が効率が良くなります。
とりあえず基本はこの3点。
静的な状態での最適なブレーキバランスとは、いかに軸重バランスに見合った大きさのブレーキを前後に組み合わせるかという点に集約されます。
では、試算です。
S15 SpecSのブレーキ。
F
キャリパピストン径(片押し)=57.2mm
断面積=25.68cm2
ローター径=280mm
R
ピストン径=38.1
断面積=11.40cm2
ローター径=258mm
有効ローター径は、キャリパピストンの外側とローターの外周がだいたい同じ位置にあるので、キャリパピストンの半径分をローター半径から引きます。
F有効ローター径(半径)
=280mm/2-57.2mm/2=111.40mm
R有効ローター径(半径)
=258/2-38.1/2=109.95mm
ブレーキ前後バランス
Fブレーキ力
=25.68*111.40=2860
Rブレーキ力
=11.40*109.95=1253
F:R=2860:1253
リアを1とすると、
ブレーキ前後比F:R=2.28:1
となります。
これを、S15の軸重比と比較すると、
F軸重=670
R軸重=540
軸重比F:R=1.24:1
軸重比とブレーキ比がどれほど寄ってるのかを比較するために、ブレーキ前後比を軸重比で割って、フロントを100%にして、リアの仕事率を計算すると、
リア仕事率=
1/(2.28/1.24)=0.54
フロントタイヤが100%の仕事をしている時に、リアは54%だけ仕事をしていると。まだ46パーセントの余裕があるということですね。あくまでも概算ですが。
この数値が100に近いほうが、4輪均等に使えているということですね。
ただし、乗用車のブレーキバランスは必ずフロントのほうが強く効くようになっているので、リア仕事率が100%になることはありません。せいぜい、60~70%でしょう。
同様に、S15ターボ用のブレーキセットを計算すると、
フロントキャリパーが4potになった分前効きになって、
リア仕事率=0.51
さらにリアが効かなくなっています。
で、結局54%やら51%は、他の車と比べてどうなのかと言うと、
前後ブレンボのR34GT-Rが、約62%
R32GT-Rが、64%
それほど参考にはなりませんが、
FF車のB15サニーは、61%くらいです。
ただ、古い車になるとより安全方向に振ってあるのか、
軸重前後比が理想的と言われるZ32が、54%
Pバルブの付いてないモデルもあるPS13シルビアで、41%
とかもあります。
FRは安全マージンが大きめに必要なのかもしれません。
リア仕事率が50%そこそこだとしてもPバルブの設定で多少は良い感じに振れそうですが、
そこはやっぱタイムアタックマシンですから、無駄な安全マージンは出来るだけ削りたいところ。
せっかく重量バランスのいいFR車ですし、車高も下げられるだけ下げたいので、静止状態のブレーキバランスは、60%から70%付近を目指したいですねー。
最後になりますが、上記の計算はPバルブが働いていない領域でのブレーキバランスです。
簡単に言えば、フルブレーキングで0.3G程度しか出ない低μ路(グラベルとか?)に限り計算に近くなるはず。
とりあえずの基本計算ってとこですな。
Pバルブ作動領域の計算はまた後の日記で!
先日に引き続きブレーキの話をば。
S15シルビアってブレーキバランスが前寄りな気がしませんか?
サイドブレーキが利きにくいのはディスク式だから仕方ないとして、とゆーかサーキットタイムアタックでは、サイドはほぼ使わないので置いておくとしても。
たとえば、ヘアピンのターンインとかブレーキングドリフトをやろうとしてもなーんかどうも大人しくて物足りない気がします。
また、S15シルビアは全車ABS標準装備ですが、ABSをキャンセルすると、この無駄な安定感がより強くなります。いまいちバランスが悪い感じ、、
では、実際のところ、S15のブレーキ前後バランスはどんな感じなのでしょうか。
ざっくり試算してみます。
まず、ブレーキの前後バランスを決定する要件を列挙します。
1.ローター径
前後のローター径の比は、そのままブレーキバランスを決定する係数になります。
ただし、より正確に計算するならばローター外径ではなく、キャリパピストンの中央を通る弧の位置(有効ローター径)を用いて計算します。
2.キャリパピストン面積
これも前後比がそのまま係数になります。
パッドに当たるほうではなく、油圧がかかるほうの面積で計算します。
対向ピストンの場合はその片側の面積、複数ピストンの場合はその片側合計面積で計算します。
3.軸重
当たり前のことですが、ブレーキをどんなに大きくしてもタイヤと路面間の摩擦力を超える制動力は得られません。
タイヤ-路面間の摩擦力は、摩擦係数μ×垂直加重Wで、求められます。
タイヤの摩擦係数は加重によって一定ではありませんが、基本的に、軸重が重いほうが摩擦力も強くなります。
よって、軸重が大きければ、より大きなブレーキを付けた方が効率が良くなります。
とりあえず基本はこの3点。
静的な状態での最適なブレーキバランスとは、いかに軸重バランスに見合った大きさのブレーキを前後に組み合わせるかという点に集約されます。
では、試算です。
S15 SpecSのブレーキ。
F
キャリパピストン径(片押し)=57.2mm
断面積=25.68cm2
ローター径=280mm
R
ピストン径=38.1
断面積=11.40cm2
ローター径=258mm
有効ローター径は、キャリパピストンの外側とローターの外周がだいたい同じ位置にあるので、キャリパピストンの半径分をローター半径から引きます。
F有効ローター径(半径)
=280mm/2-57.2mm/2=111.40mm
R有効ローター径(半径)
=258/2-38.1/2=109.95mm
ブレーキ前後バランス
Fブレーキ力
=25.68*111.40=2860
Rブレーキ力
=11.40*109.95=1253
F:R=2860:1253
リアを1とすると、
ブレーキ前後比F:R=2.28:1
となります。
これを、S15の軸重比と比較すると、
F軸重=670
R軸重=540
軸重比F:R=1.24:1
軸重比とブレーキ比がどれほど寄ってるのかを比較するために、ブレーキ前後比を軸重比で割って、フロントを100%にして、リアの仕事率を計算すると、
リア仕事率=
1/(2.28/1.24)=0.54
フロントタイヤが100%の仕事をしている時に、リアは54%だけ仕事をしていると。まだ46パーセントの余裕があるということですね。あくまでも概算ですが。
この数値が100に近いほうが、4輪均等に使えているということですね。
ただし、乗用車のブレーキバランスは必ずフロントのほうが強く効くようになっているので、リア仕事率が100%になることはありません。せいぜい、60~70%でしょう。
同様に、S15ターボ用のブレーキセットを計算すると、
フロントキャリパーが4potになった分前効きになって、
リア仕事率=0.51
さらにリアが効かなくなっています。
で、結局54%やら51%は、他の車と比べてどうなのかと言うと、
前後ブレンボのR34GT-Rが、約62%
R32GT-Rが、64%
それほど参考にはなりませんが、
FF車のB15サニーは、61%くらいです。
ただ、古い車になるとより安全方向に振ってあるのか、
軸重前後比が理想的と言われるZ32が、54%
Pバルブの付いてないモデルもあるPS13シルビアで、41%
とかもあります。
FRは安全マージンが大きめに必要なのかもしれません。
リア仕事率が50%そこそこだとしてもPバルブの設定で多少は良い感じに振れそうですが、
そこはやっぱタイムアタックマシンですから、無駄な安全マージンは出来るだけ削りたいところ。
せっかく重量バランスのいいFR車ですし、車高も下げられるだけ下げたいので、静止状態のブレーキバランスは、60%から70%付近を目指したいですねー。
最後になりますが、上記の計算はPバルブが働いていない領域でのブレーキバランスです。
簡単に言えば、フルブレーキングで0.3G程度しか出ない低μ路(グラベルとか?)に限り計算に近くなるはず。
とりあえずの基本計算ってとこですな。
Pバルブ作動領域の計算はまた後の日記で!
Posted at 2014/07/30 20:54:03
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