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・某動画サイトで、最近やたらに〝WD-40〟系を使った劣化したライトカバーのメンテ(？)の推奨動画が出て来るので、幾つか観ました。

　第一印象…。　正気か？…(あくまで個人的な感想です)。

　この手の潤滑剤(特に第3石油類系)を、透明樹脂に塗布する事自体が私にとっては範疇外で、基本、ケミカル類の用途以外使用で〝破損〟の可能性が高い使い方は、認識してわざとやる以外はやりません。


　以前、仕事で樹脂部品(ABS)のクラック破損解析で、色々な潤滑剤を使って再現性試験をした事が有りました。
また、製造現場ではメンテにWD-40を日常的に使用もしていたので、CRCより身近でした。
CRCと比べると粘性が有り、私の潤滑剤としての基本的な認識品です(個人使用では当時手に入り難かったのでCRCがメインになってしまいましたが…)。

試験の結果、時間の問題で、応力が掛かった状態では、どの部類も破損が観られました。
逆に言うと、応力が掛かっていなければ、破損はしない…かもしれない。
ただ、潤滑剤が付いた部分は、表面から侵されて変形し易くなります(使用部位的に雨や洗車等で油分が先に流れてしまう方が早いと思いますが…)。

ポリカーボネート(一般的なライトカバー部)は、ABSよりは硬質ですが、ライトAssy時の応力がカバー全体に有るので、これらの油脂が付着浸透した場合、クラックが入り易いです。


　表面がくすんだり変色したり細かいクラックが有ったりと劣化したライトカバーに潤滑剤を塗布した場合、細かい凹凸に潤滑剤が浸みこみ、表面が滑らかになり、劣化したカバーの表面の透明度が上がるので、一時的に改善された様に観えます。
水を掛けた状態と変わらない(水より浸透性が有るので、良く観える)訳です。

内容にこだわらなければ、コストや手間も少なくて結果オーライで良いかもしれません。

でも、結果が得られるというだけで、その行為は根本的に私的にはNGです。

　
　潤滑剤(WD-40やCRC55-6)を塗布しても、良いのは塗布した後1～２日位で、雨でも降れば流れてしまうし、細かいホコリ等が付着し易いし、何よりクラック(破損)が入り易くなります。
劣化が酷いモノは、結果的に劣化を促進させてしまいます。

同じやるなら、ほぼ同じコストや手間で出来るプラスチッククリーナーやプラスチック艶出し剤の使用をお勧めします。
難点は、程度が悪いと効果が無かったりクリアー状態の耐久性が短い事位ですが、潤滑剤を塗布するよりは持ちますし、デメリットは無いです。



何でこんな方法をわざわざ動画にして無責任に推奨出来るのか、個人的に信じられません。
驚いたのは、それらの動画コメント欄で肯定的に捉えている方々が多い事。
動画の内容だけ信用(？)し、自分では何も考えず吹聴しまくるのは、SNSで炎上する理屈と同じ感じですかね。

　今時のポリカーボネートの質は上がっていて、潤滑剤程度では害が無いのかもしれません(樹脂である以上、潤滑剤との相性は良いとは思わないが…)。
また、WD-40が動物油？なので、影響が無い…等との認識も有る様ですが…。



　何れにしても自己責任の範疇ですが、例外としても使用範疇を超えた使い方と思います。
まだ植物油のサラダオイルの方が良い様にも思います。
劣化の促進や破損の可能性も含めたら、とても進められる内容とは思えませんけど…。

常識あるユーザーは、用途以外の使用はしないとは思いますが…。


※記載内容は、私個人の考えであり、誹謗中傷の意図は有りません。
ただ、実施内容に疑問点が多く、〝破損〟の可能性もある為、無責任な情報を鵜呑みにしてほしく無いと思った内容です。