日産デルタウィングプロジェクト撤退決定
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年2月10日)
世界最大の新車市場 米国でEV普及が進まないワケとは?
(clicccar、2013年2月11日)
日産、グローバルでも不調。国内は【軽自動車】のせい?【EV戦略】のミス?
(Ethical & LifeHack、2013年2月12日)
最近の日産自動車は、再び落ちぶれてきましたねえ。
鳴り物入りで発表されて、ここみんカラでもかなり話題になったデルタウィングプロジェクトから、日産製エンジンがお蔵入り。
北米富裕層に一定数売れているリーフが、その割に販売台数が伸びない。
中国に軸足を置きすぎたせいで、
チャイナリスクの洗礼を受ける。日本の製造業をないがしろにし、日本で販売するにも係わらず新興国生産へ移行し、しかしアベノミクスによって円安となり関税がのしかかる。しかも思うように売れない。
踏んだり蹴ったりです。
どんな世界的な大企業にだって、山もあれば谷もある。決して順風満帆とはいかないのは、仕方ないことです。
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でも日産の場合は、時勢の読み違えや、強い者へおもねりすぎた自業自得の面もあるような気もしてなりません。
EVは、その誕生当初から、蓄電池の容量や重量は勿論、インフラが整備されない限りどうにもならないと言われていましたね。
しかしバッテリーもインフラも、遅々として進化が進まない。だから都会の富裕層がサードカーとして買い、近所を短時間でぶらりと出歩く際のシティコミューターとしての使い道しか、今のところない。
・販売が伸び悩む電気自動車 経産省がEV普及へ大盤振る舞い ガソリン車との差額補助、最大百万円も
(ピカピカニュース2ch、2013年2月4日)
・電気自動車、車体価格が高額な上、航続可能距離が短く、充電環境に不安 週末に発生する「充電渋滞」の解消急げと評論家
(同、2013年2月6日)
原発廃止の世論も、EVにとっては逆風です。
世の中が省電力化の流れになって真っ先に切り捨てられるのは、純粋に電気だけを動力源にする機械ですから。それでIH家電も急速に廃れました。
少なくとも車に関しては、古めかしい内燃機関にこそ緊急時の信頼性があることが、東日本大震災とその後の電力調整で証明されてしまった。
ハイブリッドカーのほうがまだ現実的であり、むしろオーナーも企業も政府からの援助が凄く期待できます。
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トヨタ「ハイブリッド」の世界戦略加速!カナダ政府がHV製造工場に融資!
(Ethical & LifeHack、2013年2月6日)
しかし日産はEVに注力しすぎたせいで、ハイブリッドではトヨタ自動車に、PHVでは三菱自動車工業に、完全に出遅れてしまった。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/006/172/625/2ad857b63a.jpg)
中国市場の問題だって、世界進出をするからにはどこに行ったとしてもローカルリスクの問題はついて回りますが、その中でもチャイナリスクは中々にたちが悪い。
とにかく彼らは日本人とは根本的な部分から違う。共産主義国家であり、法治国家ではなく人治国家であり、儒教社会であり、
中華思想だから、ルールに則った話し合いが通用しない。だから対応に出た担当者によって方針が異なり、その担当者とてその場その場の気分で更に対応が二転三転する。それが当たり前の世界。
何しろ、
国連常任理事国でありながら国連憲章を守らない国なのだから。
そもそも中国は国家ではない。異なる文化を持つ複数の民族が寄り集まった、いわば合衆国。だから統一された意思など存在せず、ローカルルールの落差が激しい。
それに気付いた日本企業は次々と撤退しつつあるし、そもそも平時から複数の取引先を確保しておくのは仕事の基本です。
なのに日産だけは未だに中国一国に縋りつき、経団連と一緒になって中国に「配慮」する外交を、安倍政権に押し付ける。自らの無為無策を棚に上げて。
・中国依存の日産株が急落「尖閣問題以前から陰りみえていた」
(Business Journal、2012年9月30日)
・日産、中国トラック事業から撤退
(朝日新聞デジタル、2013年1月26日)
・【入るは易し】進出より難しい中国からの撤退、日系企業にジレンマ【出るは難し】
(ピカピカニュース2ch、2013年2月5日)
・「中国撤退条項を忘却した日本企業が悲惨極まる状況に」 中国撤退の展望を持たなかった日本企業の悲劇
(U-1速報、2013年2月7日)
・日産、中国販売減が痛手 10~12月の営業益半減
(日本経済新聞、2013年2月8日)
・TBSランク王国、信用できない国1位は「中国」で61% なお韓国は・・・
・三木谷「国は製造業の会社に金を出すのをやめろ」
(アルファルファモザイク、2013年2月10日)
・「アベノミクスを拒絶した日本企業が中国に巨額投資を実施」 中国コンサルタントの外道極まる経営プランが判明
(U-1速報、2013年2月19日)
最近では、経済成長の伸び率が以前ほど活力がなくなってきており、バブル経済の限界かと囁かれています。中国経済に貢献してくれるはずだった真の富裕層ほど、資産を海外へ移したり、更には祖国を見捨ててアメリカへ移住するから、その流れを更に加速させる。
せめてもっと中間層が買いやすい車を造れば、また違ったのかも知れませんが、あからさまに富裕層しか相手にしない車造りばかりしてきたことの弊害です。そして富裕層は、こんな中途半端な車を買うくらいなら、最初から欧州車を買うというのは、よくある話です。
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【レポート】日産のゴーン社長がインフィニティの廃止をほのめかす!?
(autoblog、2013年1月29日)
更に、その高級ブランドたるインフィニティは、失態続き。コストダウンの一環として日産のエンブレムを変えただけに留まり、欧州製高級車の後追いに終始し、レクサスやアキュラのような独自性さえないので、一体何のために存在するのか不明瞭。
これでは益々日産車は富裕層には売れません。
因みに、日産の対中政策については僕自身過去にも触れているので、そちらも参照して頂ければ。
・反日中国での日本車事情
(2012年9月18日)
・いつまで反日国家で日本車を造り続けるのか
(2012年10月19日)
・脱中論
(2013年1月6日)
世界進出する前に、まずは足元を固めて基礎体力を身に付けてから。それは世界中の企業にとってはごく当たり前の概念です。
しかし日産にはそれがありませんでした。
国内にはマーチやラティオやシルフィといった何とも中途半端な車ばかり送り込み、日本企業でありながら日本市場をあからさまに軽んじる。
・
2012年【新車販売台数ランキング】発表:トップ10を【HV】&【軽】が独占!
(Ethical & LifeHack、2013年1月13日)
国内ではハイブリッドと軽が売れているにも係わらず、中国・欧州・北米市場を見越した高級路線に一部の車を傾倒させ、底支えする普及車をないがしろにしてきた。
よってデザインは可もなく不可もなく、
後席中央ヘッドレストやサイドカーテンエアバッグといった安全装置がなく、オプションも少なく選択の余地がない。
さも高級路線であるかのように印象操作しておきながら、その実コストカットがあからさまで、閉口します。
だから軽自動車販売台数で完全に水を開けられる。スズキやダイハツ工業といった老舗だけでなく、Nシリーズでぐんぐん追い上げる本田技研工業からも。
最近、三菱との合弁会社・NMKVを立ち上げましたが、些か時期が遅かった。
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【日産✕三菱】の新型軽=13年【次期ekワゴン】→15年【次期パジェロミニ】
(Ethical & LifeHack、2013年1月16日)
日産における軽は、他社からのOEMに頼っており、露骨に「高級車を造るついで」扱い。昔の、薄利多売の代名詞だった時代の先入観が、抜け切れていないのでしょうか。
なのに「軽をおろそかにしたから業績が落ちた」とは、詭弁に感じます。
こんな状態だから、
シルビア復活には素直に喜べないし、数少ない好きな日産車である
エクストレイルの売り方にも幻滅するというものです。
’80年代末に登場した当時憧れの日産車デザインを振り返る !
(clicccar、2013年2月4日)
日産 S13系シルビア/180SXのCM集
(YouTube、2010年11月27日)
【R31】 エリーゼのために
(同、2011年2月18日)
CM NISSAN FAIRLADY Z Z32 「スポーツカーに乗ろうと思う!」
(同、2012年1月30日)
昔の日産は良かったのに、どこで道を間違えたのやら…。
ユーザーではなく自分たちだけが喜ぶ車造りをしてきた、その成れの果てのように思えます。
今の官僚主義的な企業風土は、暗黒期のトヨタを彷彿とさせます。そのトヨタは今やかつての日産みたいに元気一杯という、逆転現象。
・【訃報】小説モデルにもなった日産労組の塩路一郎氏も企業戦士のひとりだったか?
(clicccar、2013年2月8日)
・日産「新エコカー戦略」発表!なんと【ハイブリッド】を【15車種】に展開!
(Ethical & LifeHack、2012年12月20日)
今年度からはハイブリッド車種を拡大し、NMKVの動きも本格化するとのことです。日産の巻き返しはどのような結果になるのでしょう。
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Posted at
2013/02/13 13:18:08