
今年も、
東京オートサロン2016の季節がやって来ました。
開催期間は1月15~17日、会場は幕張メッセ。
今日は最終日ということで、みんカラでもレポートブログを数多く見掛けますね。

それにしても、画像検索しても、コンパニオンの写真しか出てこない……(´ω`)
いえ、僕も男だから好きなものは好きだけど、もう少し車の写真をですね…?
昨今は景気が回復傾向にあるということで、趣味性の強いスポーツカーへの注目度が上がっているといいます。
中でも個人的には、旧車風の外装を宛がわれた最新車種が目を惹きます。
それも、旧車が現役で走り回っていた時代に青春を謳歌した世代による懐古趣味ではなく、旧車にそこまで思い入れの無いであろう若い世代が中心になっている点に、留意したいです。

今は鋭角的な楔形デザインや、大きくうねりを利かせたプレスライン、
マイルドヤンキー御用達の釣り目ライトと超大型グリルと銀メッキの組み合わせ、等々が溢れ返ります。
そんな中にあって、牧歌的な旧車ルックは、見る者を和ませてくれます。
アフターパーツメーカーによる改造は、特に珍しいことではないので、敢えて触れません。
しかし自動車メーカー自ら手掛けたところが注目です。
トヨタ、「S-FR」レーシング仕様を東京オートサロンで公開!
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年12月3日)
「ロードスター」「S-FR」…改造車ズラリ 東京オートサロン開幕!
(同、2016年1月16日)
【AUTO SALON 2016】トヨタ、TOYOTA S-FR Racingを公開
(autoblog、2016年1月15日)
【東京オートサロン 2016】「TOYOTA S-FR」のレーシングカー仕様がマッチョでかっこいい
(サイ速、2016年1月16日)
昨年末の第44回東京モーターショー2015に参考出品された、「
トヨタ自動車 S-FR」。
その競技仕様をイメージしたコンセプトカーです。
元になったS-FRは、
86(ハチロク)よりも小型で安価で軽量な、真の意味でのライトウェイトスポーツカーを目指しています。
実際、ヴィッツとほぼ同じ大きさに、フロントミドシップエンジン、大人4人乗り、6MT、FRレイアウト、そして若者にも買いやすい低価格を目指しているとのこと。
個人的には、トヨタにとって86を続けられる可能性が低くなってきたのと、依然として高価格だという声に応えようとしているのかなと思っています。
兄弟車であるBRZは、4WDやセダンが得意なスバルにすれば専用生産ラインを新設しなければならず、その分手間とコストが嵩み、専門の工員も多く揃える必要があり、その割に利益が見込めないとして今一つ乗り気ではなくなったという噂もあります。
次の一手としてBMWとタッグを組もうとしているものの、そちらは高級・高額・ハイパワー路線になるのは自明の理。
なので86の弟分を模索しているのでしょうか。
こちらは、デザインは、往年の
スポーツ800を連想させます。
…と思って写真を見比べてみたら、思ったほど似ていませんでしたw
精々、ルーフが、ソフトトップをイメージしたであろうブラックアウト処理されている程度で。
むしろ、全体のフォルムやCピラー形状は
2000GTを、フロントマスクは
パブリカ(UP10型)を、それぞれ思わせます。
始めは、愛嬌を通り越して間抜けな面構えに呆れたものでしたが、見慣れてくると味わい深いです。
これでフェンダーミラーなら尚良いd(`ω´*)

野心的だし、ライトウェイトスポーツ好きとしては歓迎したいのですが、パッケージングには色々と無理がありそうです。
ヴィッツサイズの車体にフロントミドシップにすれば、その分トランスミッションが運転席にまで押しやられる。
FRなので、プロペラシャフトを収める巨大なセンタートンネルが車体を貫き、車室内の窮屈さが想像されます。
そこへきてクーペボディにすれば、後席など乗れたものではなくなる。
僕はDC5型インテグラ、FD3S型RX-7、CR-Z、86&BRZの後席に座ったことがありますが、それら3ナンバーサイズでさえ狭苦しかったのに、コンパクトカーサイズともなれば…。
更にそこへ、スポーツカーにとって正統派ともいえる
ダブルウィッシュボーンサスペンションにしようものなら…。
個人的にはスパルタンな車は大好きですが、これだけの割り切り、果たしてどれだけの人々に受け入れられるのか。
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トヨタ S-FRへの期待と疑問
(のまのしわざ、2015年10月13日)
お金のない人は、それぞれに特化した車を複数所有するなど夢の話であり、実際には1台で全てを賄うしかない。
それを思えば或る程度の実用性が求められます。
現に僕自身、そのせいで生活には苦慮しているので、よく分かりますw
結局、5ドアハッチバックボディにFFという組み合わせが、日本人にとって一番合理的なパッケージングなのでしょうね。
原形なし、S660 が「ネオ・クラシック」に変身!
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年1月17日)
ホンダ「S660ネオクラシック」=レトロスタイルのデザイン派生モデル登場!モダンで超かっこいい!
(Ethical & LifeHack、同日)
こちらは、
本田技研工業 S660を元にしたもの。
往年のSシリーズ(S500、S600、S800)のような佇まいです。
N360リヴァイヴァルである
N-ONEのフロントガーニッシュと前後ランプを移植しているので、それだけで古典的な外観に仕上がります。
ノーズを延長しているのは、FR風のスタイリングに見せるため。
後部もなだらかなスラントテールになっているのが、3ドアハッチバッククーペのように見えます。
軽自動車でこんなスタイリングは、他社ですがフロンテクーペやセルボ(初代~二代目)のようで、懐かしいです。

…そういえば、
日産自動車 IDxは、参考出品すらされなかったようですねえ…。
今年市販化予定という話はどうなったのでしょう?(すっとぼけ)
・日産が若者のクルマ離れを食い止めるために作った車「IDx」
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年11月22日)
・日産、ハコスカをイメージしたIDxコンセプト(FR)を2016年にもリリース!
(同、2014年1月16日)
確かに、今の日産は小型軽量FRプラットフォームを持たない上、そもそもFRクーペ自体の市場が小さくなっているので、実現の可能性は限りなく低いです。
その意味では、前述のS-FRとて市販化は怪しい。
それ故日産としては、たとえ表向きでも若者の車離れを食い止めるよりは、自動運転や自動ブレーキのほうが遥かに重要なのでしょうね。
以下は、外車の話です。
ND型ロードスターのイタリアンOEMが、紆余曲折あって、「フィアット 124スパイダー」となったのは、皆さんご存知の通り。
マツダ 新型ロードスターのフィアット版「124スパイダー」を補足!
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年9月30日)
フィアット、「124スパイダー」公開!
(同、2015年11月18日)
フィアット 124 スパイダーに「アバルト」来るか!?
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年12月15日)
アバルト「124スパイダー」撮影成功=マツダ「ロードスター」にない唯一の【高性能エンジン】モデル!
(Ethical & LifeHack-、2016年1月10日)
ND型ロードスターを芯にしていながら、ここまで変わるんですねぇ…(゚∀゚*)
往年の、
フィアット 124スポルト・スパイダーや、MGBを、現代的に翻案した外観が溜まりません。
精悍で現代的なND型ロードスターに対して、こちらは丸目ライトのせいもあって、牧歌的。
目を三角にしてがんがん加速するよりは、のんびりと開放的な雰囲気が楽しめそうです。
個人的には、ピラーが艶消し銀色になっているのが、クラシックカーっぽくて大好きです(*´ω`*)
現在BMWから発売されている、三代目MINI。
こちらにも、二代目のみにあったロードスターを思わせるコンセプトカーがあります。
「
スーペルレッジェーラ」と名乗り、MINIらしからぬロングノーズになり、パワートレインは電気モーター。
市販化の予定はありませんが、MINIの意匠を尊重しつつもモダンです。