トヨタ「レクサス次期モデルはスピンドルグリルに固執しない。自由度が狭まるし」
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年2月23日)
う、う~ん…(;- -)
現在のレクサスの共通デザインアイコンである「
スピンドルグリル」、個人的には嫌いじゃなかったんですけどね。
初期のデザインアイコンを受け継ぎつつ、格調高さと荒々しさという相反する二面性が表現されており、レクサスの本質が一目で解りやすい。
そもそも、スピンドルとは糸巻きのこと。これは即ち、
機織工場として出発したトヨタ自動車のルーツを表現してもいるのです。
勿論、フロントグリルをバンパー諸共大きく口を開けさせるのは、アウディの「
シングルフレームグリル」に端を発する流行を取り入れたのもあるでしょうけど。
国内ではプレデター顔と呼ばれて批判も多いですが、海外では砂時計グリルと呼ばれ、好意的に受け止められている模様です。
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【レクサス LS 改良新型】「これ以外にないのだ」という絶対的な説得力が迫ってこない…建築家
(Response.、2012年10月12日)
なのに、スピンドルグリルは、短命に終わりそうです。
とかく日本メーカーは、共通の意匠を持たせるのを躊躇しますねえ。
そうでなくとも、頻繁にモデルチェンジをくりかえす上に、そのサイクルがまた短いのに。
海外メーカー、特に日本人が憧れる欧州車の場合はフロントマスクを共通にしているというのに、なぜかそういうところだけは真似をしたがらないんですよねえ。
確かに、共通フロントマスクにすると、どれがどれだか判らなくなるというのはあるでしょう。現に僕も、BMWやアウディやメルツェーデス=ベンツの車種は、あまり区別が付いてませんからw
それに、内部構造や車種ごとの特性が違えば、それに相応しいデザインを与えてやるのが然るべきです。落ち着いたセダンを冷却効率の高い開口部の多いフロントマスクにしたり、積極的に冷やすべきスポーツカーを開口部が少ない上に豪奢なメッキグリルで飾っては、本末転倒ですしね。
そして何より、ユーザーを飽きさせないためには、デザインを頻繁に変える必要があるでしょう。前モデルとは確かに変わったというのが如実に解りやすいですからね。
でも、ブランドイメージというのは、中身も勿論大事ですが、まずはそういう見た目を地道に積み重ねていくことで、ようやく誰にでも覚えてもらえるのでは? 「伝統」と言っても良い。
日本が誇るGT-Rだって、「他車はあの丸型4灯テールランプを追いかけざるを得ない」というのが伝説として語り継がれる一つの要因なわけですし、だからGT-Rは伝統的に丸型4灯テールランプを採用しているのに。
ジープ、2014年型「チェロキー」の画像を公開
(デジログ!、2013年2月23日)
片や外車は、この通り。
何度モデルチェンジをしようと、基本的なデザインアイコン(このジープシリーズであれば縦7本スリット)を必ず踏襲する。
デザインのせいで内部の機構に制約が生じようとも、途中で諦めずに、一つのことを呆れるほどにずっと続ける。だからこそ、「あ、○○の車だね」と車をよく知らない人にも覚えてもらえるメリットがある。
日本車もそうあって欲しいんだけどなあ…。
日本メーカーも、ようやく共通デザインにする意味を理解してきたものの、それでも「去年はこれ、今年はこれ、来年はこれ」と、時期に応じて頻繁にフェイスリフトしすぎるのが、個人的にはちょっと納得行かないです。
トヨタの「
キーンルック&アンダープライオリティ」や、日産自動車の「
アングルドストラットグリル」、三菱自動車工業の「
ジェットファイターグリル」、スバルの「
ホークアイヘッドランプ、ヘキサゴングリル、スプレッドウィング」、マツダの「
魂動(KODO) -Soul of Motion-、シグネチャーウィング」も、いつまで続くのか。
まあ、日本メーカーの場合は、デザインよりも中身にこそブランドイメージを持たせています。
マツダであればロータリーエンジンやSKYACTIVやFR、スバルであれば水平対抗エンジンやAWD、本田技研工業であればVTECやFFといった…。
お国柄なんでしょうね。ファッションよりも技術にこそ重きを置くという。
日本車には、合理性を重んじるあまり、ファッション性が今一つだと思います。
車好きでない人にも判りやすいブランドイメージの確立が、外車に比べ一歩遅れているような気がします。
最近はそれに気が付いたのか、ようやく外車みたいな共通デザインにしてきたと思いきや、結局は内外装を頻繁に変える。ちょっと飽きっぽくないかなあと、もやもやします。
Posted at 2013/02/25 11:24:28 | |
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