【スパイショット】次期エクストレイルが最高傑作の予感
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年9月9日)
【日産】新型エクストレイルキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
(同、2013年9月13日)
日産「新型エクストレイル」に安全性を高める世界初のシステム搭載! エンジンブレーキを自動制御
(同、2013年9月28日)
【日産】 「エクストレイル」がフルモデルチェンジ! 7人乗りも初登場!
(同、2013年10月24日)
【日産】エクストレイル新型発表!!!
(同、2013年12月12日)
【フランクフルトモーターショー2013】コンセプトカーが具現化!日産「エクストレイル」発表
(autoblog、2013年9月16日)
日産、新型「エクストレイル」を発表!
(同、2013年12月11日)
日産「デュアリス」が『終売』へ=「新型エクストレイル」に統合!ディーゼル終売に続き・・・
(Ethical & LifeHack、2013年10月28日)
日産「新型エクストレイル」発売直前:燃費【16.4km/L】価格【225万円~】!【ミニバン】みたい?
(同、2013年12月10日)
遂に三代目となった
エクストレイルが、一昨日11日に発表され、16日に発売されました。
うん、確かに、格好良いと思います。
これはこれで中々。
どことなく、親会社であるフノーの現行デザイン文法「
The Cycle of Life(ローレンス・ヴァン・デン・アッカー担当)」にも、相通ずるものがあります。
でも、エクストレイルとして見ると、正直微妙です。
モデルチェンジの御多分に漏れず、大型化・高級化・高額化…。
従来の角ばった姿を棄てて、内外装共に流線型のクロスオーバー化…。
3列シート7人乗りとなり、ミニバン化…。
これでもかと電子制御で身を固め、エンジンブレーキすら自動化…。
セレナとエンジンを共有化し(MR20DD 2.0L 直4DOHC)、力強さよりも快適性を追求…。
等々、エクストレイルとしての良さを、全て投げ出してきました。
クロスオーバーSUVとしては上々でも、エクストレイルとして見ると魅力半減です。
そこには、もっぱら、統合されたデュアリスの面影が色濃く浮かび上がっています。
そこには、“4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆”という初代から続く理念は、欠片ほども残されていません。
単なる“どこにでもある、スタイリッシュな高級ミニバン”に成り下がりました。
一応日産としては「見た目はまるきり変わっても、中身はエクストレイルらしさは失ってはいませんよ」とは、言っています。
むしろ、「日産の最先端のシャシー制御技術により、高い走破性と走行安定性を実現しました!」と自画自賛しています。
しかし実際の走行風景を見ると、「これで何が判るのさ?」という感想しか湧いてきません。
フォレスターやパジェロやハイラックス並みを目指せとは言いませんが、この程度だったら、わざわざエクストレイルを選ぶ理由がありませんよね?
それに、下り坂で自動でエンジンブレーキが作動し、車庫入れさえ自動運転。操る醍醐味だけでなく、自分で運転するからこそ生まれる安全への責任感さえ、全否定してきました。
勿論、安全装置の普及自体は望ましいのですが、三代目エクストレイルのこれらの場合は、運転手を補佐する安全装置というより、無為無策を推奨しかねない自動運転装置。
そして闇雲に安全装置や自動運転を求める層が、普段どんな運転をしているかなんて、推して知るべしです。
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日産「新型エクストレイル」に安全性を高める世界初のシステム搭載! エンジンブレーキを自動制御
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年9月28日)
例えばこれが、二代目デュアリスを名乗っていれば、まだ納得できたのです。
実際、欧州では、デュアリスの欧州名である「キャシュカイ」を名乗ることが決まっています。
名前こそエクストレイルですが、見た目も中身も事実上の二代目デュアリスであり、エクストレイルの名を名乗ってさえいなければ良い車です。
日産「新型エクストレイル&デュアリス」が【ハイブリッド&新ボディ】で【13年後半】発売!
(Ethical & LifeHack、2013年6月29日)
日産「新型エクストレイル」を【12月】発売!ただ『ハイブリッド』は来年/『ディーゼル』終売・・・
(同、2013年10月25日)
更に唖然としたのは、この三代目エクストレイル、ハイブリッドエンジン搭載モデルも準備されているとのこと。
クリーンディーゼルモデルは三代目には導入せず、ハイブリッド発売までの繋ぎとして、二代目のそれをそのまま生産継続。
即ち、マツダのようにディーゼルモデルを熟成させることは考えておらず、いずれは生産縮小、最悪このまま終了ということなのでしょう。
1月11日に二代目のハイブリッドモデルをバーゲンプライスで売り出したのは、要するに在庫整理であったと。
それだけではありません。
日産は従来「未来のエコカーはEVだ」としてトヨタ主導のハイブリッドとは一線を画してきたにも拘わらず、白旗を挙げたということをこれは意味します。
しかもその理由が、
> お客様にハイブリッドとクリーンディーゼルどちらが良いか聞いたところ、8割の方が燃費が良ければどちらでも良いと答えた。高いトルクやドライバビリティといった点で、どうしてもディーゼルでなければならないという方は少なかった。
と言うのですから…。
ディーゼルを、「EVよりも現実的な、日産を象徴するエコロジーエンジンとして普及させよう」との意思は微塵もないと白状したわけです。
いえ、メーカーは営利組織であってボランティアで車造りをしているのではないのだから、当然ではあります。
ですが、客からちょっと何か言われただけであっさりと掌を返すのは、幾ら何でも軽薄にすぎます。
まして資本力も規模も企業体力も格下であるはずのマツダに出来たことが、最大手の日産には出来ないと言うのですから。
しかも今更ハイブリッドを送り出したところで、既に市場を席巻しているトヨタグループに、どこまで太刀打ち出来るのでしょうか。というか、先立ってトヨタがハイブリッド技術を公開しましたが、そのタイミングでフノー&日産アライアンスが舵を切った。態度があからさますぎます。
そもそもデュアリスと統合した理由というのが、
> 日本以外の市場は『キャシュカイ(日本名デュアリス)』よりエクストレイルの方が販売価格が高い位置にある。日本だけがだいたい同じ価格帯でラインアップしてきた。そういった面からも、他の市場は振り分けが可能だったが、我々は国内の限られた需要の中でラインアップは効率的にやりたいということもあって、ここはひとつに絞った。
と、完全に売る側の都合。
まあ確かに、外資となって国内市場を棄てた日産のことだから、これがごく自然体な理屈なのでしょう。
今のトヨタやマツダやスバルのように、「むしろメーカーが客を育てよう、ニーズを作り出そう、ムーヴメントを興そう、文化を定着させよう」という気概など、これっぽっちもないのですね。
つくづく日産にはがっかりです。
従来の日産のSUVは、良い感じに充実してたんですよね。
高級車のムラーノ、都会派のデュアリス、タフギアのエクストレイル、ミドルサイズのジューク、軽のキックス…。
それがいつしか、スカイラインクロスオーバーに始まって、結局こうして金太郎飴状態に。
迷走というか、節操が無いというか…。時流と売れ筋にたやすく靡いて、あっちへふわふわ、こっちへふわふわ。何か一つが流行ると、余力を温存しておかず、持てる全ての力を振り絞ってそちらの方向へ全力疾走。別の何かが流行ると、いきなりUターンして、そちらの方向へ全力で逆走。ポリシーが無いんですね。
折角良い感じにキープコンセプトを貫いていたのに。
どこのメーカーも、同じメーカー内でも、SUVはどれも流行りのクロスオーバーになって没個性なのだから、一つくらいは本格クロカンを売りにする車があっても良さそうなのに。
そうすれば、個性が際立つし、ありきたりなクロスオーバーでは満足できない層への受け皿になるし、何より「うちは他社とは違う。筋を通すメーカーだ」というアピールになったでしょうに。
日本車メーカー各社が死ぬほど憧れているブランドイメージとは、そうやってこつこつ積み上げて、初めて認知されるのです。
売れ筋や流行にたやすくおもねるようでは、いつまで経っても…。
しかし今の日産にそれを求めるには、どうやら荷が重かったようです。
つくづく、
カルロス・ゴーンCEO・兼・社長は、あくまでビジネスマンであって、車屋ではないのですね。まあ、だからこそ、倒産寸前だった日産の立て直しに成功したとも言えますが。
現行
ノートが発表された際も、従来のノートやティーダのファンも、こんな風にがっかりしたんでしょうかね?
「名前こそノートだが、こんなのノートじゃない!」「ティーダの良さが何一つ受け継がれていない!」と。
それでも、良い車なのは事実だし、やっぱり売れるでしょうね。