
ボルボS60の発売開始が今年3月上旬、そしてV60が5月下旬開始と、VCJ はその時期を2ヶ月半ずらしてきました。セダンとワゴンの両タイプを要する車種はDセグメントでは普通ですが、販売時期をずらすのは必ずしも一般的ではないと思います(パサートなんかは一緒に登場のケース)。
インポーターの規模等、販売側の諸事情も勿論あると思うのですが、VCJ が今回このような方法を取ったひとつの理由としては、メディア対策があったと思います。自動車雑誌を眺めていると、新車発表や発売イベントなどのタイミングで開催される説明会、試乗会、あるいは広報車の貸し出し解禁にあわせて、一斉に取材を行い、他社ライバル車との比較試乗、単独試乗インプレなどを企画して、短期間(大体月刊誌であればメイン特集を挟んで前後3巻程度)でいろいろな記事を載せて、その後は新たに登場した他社の新車紹介記事における比較相手、あるいはまれではありますが長期テスト対象車として、ポツポツと紹介される以外は基本的には誌面には登場しなくなります。
自動車雑誌は複数ありますが、だいたい同じタイミングで同様の企画を行うので結果として、登場から数ヶ月で過剰とも言える取り上げ方をされて、その後は、「ハイ、ご苦労様でした、さようなら」、的な取り扱いになります。情報の高度消費社会としては、まぁ、ありがちなことではありますが...。
ゆえにセダンとワゴンを同時に発表すると、1+α 的な取り扱いになるのに対して、3ヶ月程ずらして発表すれば、上記の新しいサイクルに載せることができるので、合計2サイクル分集中して取り上げてもらえる、すなわちメディアへの露出がぐんと増えることが期待されるのです。いわゆる一粒で二度おいしい作戦。
勿論、セダン、ワゴンともに単独である程度面白い記事(企画)が立てられないと、上記作戦は不発に終わるリスクもあるのですが、今回のS60/V60はVCJとしてもその成り立ちとクルマの出来から考えても自信があったのだと思います。そして、今のところアーモンドグリコ作戦は成功裏に終わったといってもよいのではないでしょうか。
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スウェーデン車 | 日記
Posted at
2011/06/11 20:17:13