2011年07月23日
92:日本車らしさ
毎日通勤のために最寄の駅まで歩いてるのですが、15分位の道のりのなかで、何気に町のクルマを観察していて、日本車に見られる特徴を二つ挙げるとすると、一つ目は”ドアバイザー”、二つ目は”白レースのシートカバー”なのではないかと思い至りました。
ドアバイザーの装着率は、見るに日本車の8割、一方、輸入車では一割以下といったところかと思います。過去エアコンが普及していなかった時代に、特に梅雨時にウィンドウが曇った際には、少し窓を開けたものですが、その際に雨が吹き込まないようにできることから、必須装備に近い扱いであったと考えられます。それと、喫煙車では素早く室内換気を行いたいが故に必要とのこと。デファクトスタンダードになったのには上記のような理由があったからでしょうし、現在の目から見て不要論をまくし立てるのも滑稽でしょう(Web上では結構見かけますがww)。しかし、装着率は年々減少しているようですし、将来的には日本車の特徴とまではいえなくなってしまうのではないかと推察しています(ちなみに、私は自主的にはドアバイザーを付けた経験はありませんが)。
次に白レースのシートカバーは、特にトヨタ車のセダンでの装着率が高く、記憶では昔は殆どの車がそのようなカバーをつけていたように思うのですが、昨今は急速に減少し、これもあまり見かけなくなってしまいました。もともとは中~上流家庭の生活文化の一環として自宅に応接間を設け、レースカバーの付いたソファーなどの応接セットを置くのが流行していた時代の副産物で、日本人にとっての「もてなしのこころ」と、クルマそのものが高級品であり、クルマを大切に扱いたい思いが交じり合ったところから、オプション装備として普及したものと推察されます。しかし、うえのような生活習慣(文化)も退潮し、加えてクルマの大衆化、インテリアデザインの進歩、革シートの普及などが要因となって、いまではすっかり絶滅危惧種といったところです。
両者とも”今”の視点でみると時代遅れにも感じられる「日本車らしさ」ではありますが、いずれも過去の日本人の生活の様子が伺われて味わい深いものがあるのではと思う次第です。
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Posted at
2011/07/23 09:06:19
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