
以前に「
欧州の自動車メーカーは良いクルマ作りをしているか」と題して欧米と日本のクルマ作りを比較検討したことがありましたが、その中で国産車は費用を重視したクルマ作りに偏り過ぎているのではとの指摘をさせていただきました。
購買層のニーズを事前の市場調査等で見極めて、クルマのパッケージングや性能などの目標諸元を決定してそれをミニマムのコストで達成すべく、設計、設備、そして部品などの原価をそれこそ一円以下の単位でギリギリまで切り詰めるといったクルマづくりは、一人でも多くの人に安い値段でクルマを購入してもらうことにつながり、決して否定したり非難したりするもではありません。
しかし、これも先日の「
いいモノ感」と題したブログで触れたことですが、明示的な機能ではないものの、質感や操作感、見た目といったところで所有者の満足感を高める部分も”モノの価値”としてやはり重要ではないかと思うのです。私はどちらかというと輸入車と国産車の間に機械としての性能の違いはないとの見解に立つものですが、全てではないにしろ輸入車にあって国産車にないものは、かたちにはできない「良いモノ感」ではないかとも思うのです。
話は変わるのですが、グーグルには20%タイムルールという習慣?があり20%の自分の時間を本来の業務以外に自分の好きなこと、興味あることを追求するために当てることが奨励されているとのことです。また3Mという米国の研究開発型企業では10%の時間を自分の好きなものの研究に費やすことが認められていました。こういった活動が新たな企業価値の創造や新製品のアイディアにつながり、長い目でみれば自社の製品の価値を高めていくことになるとの考え方が背景にあるからだと思います。
さて、であるならば国産車についても、例えば従来のクルマ作りに加えてたとえ10%増のコストがかかるとしても、どこかこだわりの部分、例えばシートの品質を上げる、でも足回りの部品をもう一段上のグレードを使うでもいいので「良いモノ感」を付加することを試みてもいいのではないかと思うのです。そうすることで所有者にプラス20%の満足感を与えることができるのであればその効果があったといえるのではないでしょうか?
そんなポジティブな結果が10%の上乗せで可能になるのか、あるいは20%必要なのかは分かりませんが、私は国産車の生き残る道は、そういった品質感の向上へ進む方向にしかないと思っていますので(
過去のブログを参照)、是非考えてもらいたいなと思っているのです。時計、オーディオ、カメラなど、そういうことができている分野もあるのですから、自動車でも十分可能だと信じています。
最後にこういった動きを加速するためには購買者の意識変革も重要なように思います。日本人は明示的な機能については高い関心を払うのですが(高くなってもオプション満載をよしとするとか)、カタログには載せられないような質感、操作感といった部分にはあまり興味がない、それより一万円でも安い方が良いという傾向にあるのではないでしょうか?良いモノ、良い道具とは何か、そういった製品を認めて敬意を払うような文化がもっと前面に出てきてもいいのではないかと感じるのです。
ブログ一覧 |
クルマの話題 | クルマ
Posted at
2012/03/24 16:51:37