前回のブログ(
No.254)の続きです。十数年前に米国に2年ほど暮らしていました。その期間は中古車に乗っていたのですが、彼の国では中古車に関する考え方が日本とは少し異なっているなと感じ、興味深く思ったことが今でも記憶に残っています。
その時感じた違和感は何かというと、米国では新車で買おうと、中古車で買おうと、その際のクルマの機能的な価値に応じた価格が付けられているということです。前回同様にピザの売買を例にとって説明すると、1000円でピザを買ったAさんが、15切れのうち5切れ食べて残りを売れば、Bさんに660円で売れる、さらにBさんが5切れ食べてCさんに売れば、残りには330円の値が付くということです(勿論、正確ではない部分があるかもしれませんが、日米の差異を簡潔に表現すれば、こうなるということです)。
米国流の考え方がより合理的といえるかもしれませんが、あるいは米国ではクルマを純粋に道具とみなす傾向が強い(歴史が長い)ことがその背景にあるのかもしれません。丁度、ピザの切り売りのように個々人の事情によって適宜中古車を利用するといった趣です。一方、日本では、クルマに道具以外のものを重ねて見ているのかもしれません。ステイタスとか資産としての価値などです。
なので、米国では新車と中古車の間の差が、感覚的にも費用的にも小さいと言えます。そして中古車市場はクルマの道具としての価値を基準に成立しているので、ある意味健全であるとも言えます。一方、日本の中古車市場は新車と中古車の差が、考え方の面でも費用の面でも大きく、このことは上手く利用すれば前回のブログに書いたように、お得に中古車を利用できることに繋がるのですが、見方を変えると、寄って立つ価値観が明瞭ではないことから、中古車ビジネス自体の健全さに若干の懸念を感じざるを得ません。
今回は日米の中古車ビジネスの違いに焦点を当ててブログを書きましたが、欧州などの中古車事情についても興味が湧いてきます。ご存じの方がいらっしゃたら是非ご教授いただきればと思います。
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Posted at
2012/06/17 18:29:18