
最近、日本と隣国との領海についての摩擦が高まってきていますね。国をあげての感情論に走った意見や行動が目につき、懸念が高まりますが、そんな中で最近読んだ本について紹介したいと思います。
ブログタイトルにあるとおり、保坂正康氏の著作、「歴史でたどる領土問題の真実」です。保坂氏は昭和史研究では著名な方ですが、この本も氏らしく公正な視点から感情をまじえず客観的に書かれていることに好感を持ちました。
本書はまず領土、領海問題とは何かという点について、特に日本の歴史上の出来事について振り返り、例示しながら考察を加えていきます。そしてその理解を基礎において、日本の北方領土問題、竹島、尖閣諸島の諸問題について、歴史的経緯と当事者国間の主張などについて、淡々と解説されています。そこには、この本を書くにあたって公正なスタンスを維持することに、非常に留意されていることが汲み取れます。すなわちどちらかに肩入れする、あるいは主張を強硬に支持を表明するため書かれているのではない、ということです。
そして、この本では今後上記の領域問題も考えていく際に重要なポイントを指し示すことで終わっています。領域問題においては、まずは歴史的な経緯を含めて事実をしっかりと把握することが必須であること。その事実を踏まえて、粘り強く冷静に長い目で交渉を進めていくことが何より重要であるということです。
多くの日本人が、上記の問題につてどれほど客観的な事実を把握した上で発言しているのでしょうか?あまりに性急に判断をしようとしていないでしょうか?まずはそのことを振り返って見ることが、しいては日本として正しい主張を国際的にしていく早道ではないかと、本書を読んで強く感じた次第です。
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2012/09/16 11:33:29