iPhoneを5に代替えして半年弱なりますが、日々不満なく使っています。私のiPhone体験は、最初の3GSに続き、会社支給の4S、そして5と3台目になるのですが、iPhone5を使っているにつけても、ハードウェア、ソフトウェアともに代を重ねる毎に改善され、機能面では著しい進化を遂げていることは皆さんご承知のとおりと思いますし、実際に使っていて実感出来ます。
しかし、はじめて”そのモノ”を手にした際の体験がどれほどイノバティブであったかというと、モノ自体の絶対的な価値のみに依存している訳でなく、以前のモノとの相対的な価値の差によるところが(むしろ)大きかったりします。自分の場合は、フューチャーフォンより乗り換えた最初のiPhone3GSの時が一番インパクトが大きく、購入の後の半年位は様々なアプリを入れたり消したり、いろんな裏技や使い方にトライしたりと随分楽しませてもらいました。それに比べると、今のiPhone5は、割りとあっさりとしたもので、ひと通り触った後は、例えば液晶画面の綺麗さや広さ、処理速度の速さ等、日々その性能の恩恵は感じつつも淡々と普段使いしている状況です。
イノベーションとは創造的破壊であるとも言われますが、いくらモノが良くても、2回目からは、優秀さへの信頼感であったり、斬進的な進化への堅実な期待感であったりと、楽しみではあるものの、いわゆるイノバティブ体験とは異なるものになるように思います。もう一つ言えることは、iPhoneにしろ、他の画期的な新製品にしろ、大概は社会におけるイノベーションという文脈で語られますが、一方では物を購入して使用するという意味においてはパーソナルな体験であることも事実であり、その意味では、それぞれのモノには、個人ベースでのイノベーションが同時にあり得るのだと思います。
個人の問題としてもう少し考えを発展させると、物を購入するに当たって、必要性などの直接的な動機以外に、何を買うのかを決定づける要因の一つとなるある種の嗜好性があると思います、すなわち求める機能が得られるのかという点に関する安心感に重きをおくか、あるいはイノバティブ体験を求めるか、という違いです。これは買い物の種類によっても違いますし、その人の性格の違いにも影響を受ける事柄でもあります。新たなクルマを購入するに当たっても、おおよそ同じような考えが誰しも頭をよぎりり、その人なりのバランス感覚に基いて判断されるのではないでしょうか。安心感を求める人は、同じブランド、あるいは国産車に乗り継ぐということになるでしょうし、イノベーションを嗜好する人は、別ブランドやいろんな国の輸入車といったものが有力な選択肢に上がってくるのだと思います。
自分自身のクルマ遍歴を振り返って見るに、おおむね後者、すなわちイノバティブ体験を求めて購入に至っていることに気付きます。なので、何年後になるか分かりませんが、次期愛車については、今のボルボS60にはない、どんなイノバティブ体験をさせてくれるのか、あるいはそんなクルマが登場しないかと、今から期待しているところです。
了
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2013/02/20 08:23:57