
携帯電話の世界では、「スマートフォン」が急速に普及しつつあるようです。もともと従来型の携帯電話(今ではフューチャーフォンと称している)に対比するかたちでの、よりインテリジェント化した携帯電話として、おなじみ Apple の iPhone も含めてのスマートフォンの定義でしたが、今では iPhone はそれだけで一ジャンルを形成し (それはそれで凄いことですが)、いわゆる Android OS 搭載の携帯電話を一括して"スマートフォン"、あるいは"スマホ"とすることに、いつのまにかなっているようです(笑)。
巷では iPhone と スマホ、あるいはソフトウェアとして iOS と Android OS のどちらが良いか、あるいはどちらを購入すべきか、とのお題で、いろいろと議論されてはいますが、今回は、一人のiPhone ユーザーとして、その話題を取り上げたいと思います。といっても、いつものとおり正面からではなくわき道からのアプローチを試みたいと思いますが...、
少し前のブログで Macintosh について取り上げましたが、1980 年後半から1990 年代前半の Mac は、ライバルである IBM-PC に比較して、その洗練された(高価な)ハードウエアもさりながら、卓越したユーザーインターフェイスが特長でした、当時は万人が認識していた訳ではなかったのですが、Mac に搭載されていた Mac OS (特に OS6 ~ OS7 の時代)は、当時のその他の一般 PC 用の OS、おもに Windows 3.0 と比しても、隔絶した性能を有し、その違いこそが Mac の価値を決定的なものにしていました。
Apple は自らの製品の価値を信じて、ビジネスモデルとしては、OS の他社へのライセンスは行わず、一社独占少量生産、プレミアム価格路線を選択し、一方では、性能には劣る PC-Windows 陣営が、OS を広くライセンス供与し、かつ多数のハードウエアメーカーによる大量生産、低価格路線に進んだのに対して、真っ向勝負の道を選びます。で、その結果はどうであったか?皆さんご承知のとおり、Apple の経営戦略の揺らぎもあり、勝負は、PC-Windows 陣営の勝利に終わり、Mac は非主流の一部特別な用途のための、あるは好事家のための パソコンとして、10% 以下のシェアを占めるに過ぎない状態に至り、十数年が経ちました。
さて、上記のエピソードは、現在の iPhone vs Android Phone の対決の図式に類似していると思いませんか? 雑誌等ではなぜかはっきりとは書かれていませんが、現状では、ハードウエアとソフトウエアを統合して設計・開発できる Apple の製品が、Android に比べていまだ隔絶したアドバンテージがあることは間違いないところです。しかし、世代を重ねるごとに急速に差が詰まっているのもまた事実です。では今回も過去と同じように、"質"のApple が"量"の Android に初期には優越するものの、徐々にその差を詰められて最後には逆転を許すことになるのでしょうか?
過去の パソコン対決の時代と状況を比較すると、まず、Apple は iPod で携帯音楽プレーヤーで確固たるシェアを確保するとともに、iTune Store を中心とした強固なエコシステムを構築し、その上で iPhone を開発販売したこと、iOS は独占ではあるものの、少量生産、プレミアム価格路線を選択していないこと、携帯電話の世界においては、過去の パソコンの時代のそれ (せいぜい20% 程度でした) と比較して既に格段に大きいシェアを Apple は iPhone で確保していること、等が大きな違いとしてあげることができます。Apple 自身が過去の敗北の教訓は良く把握していると思われますので、今回はそのような失敗は犯すまいと行動してくることは間違いないところでしょう。勝負がどちらに転ぶかは、現時点では余談を許さない状況にあると思います。
最後に、個人的には今回の勝負について、どう感じているのか、あるいはどんな行く末を期待しているのか、ですが、まあ上記の文章を読んでいただけばお分かりかと思いますが、良いと知りつつ状況により乗り換えざる得なくなった、過去の経験を繰り返したくはないというのが、その答えになるといったら分かっていただけるでしょうか(笑)。
Posted at 2011/08/14 16:23:13 | |
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