
自身のブログを読み返してみても、「メルセデス」あるいは「ベンツ」という文言は殆どでてきません。では、ベンツが嫌いですか?と人から尋ねられたら、おそらく、「いいえ、そんなことはありません」と答えるでしょう。
最も旧い自動車メーカーとして、また「最善か無か」をポリシーとして、独善を恐れず妥協のない最高のクルマ作りを目指していた過去に比べて、最近は普通のクルマメーカーと同じようにコストパフォーマンスを重視するようになったと、ものの本には書かれていますが、それでも、他社に比べると頭一つ高い最適化レベル(諸要素の妥協点ともいえますが)を達成してくるクルマ作りは確かに尊敬に値すると思います。過去の(黄金)伝説の具体例を挙げると、
・溶接点過多ともいえる極めて頑丈なボディ構造
・広い拭き取り面積を誇る一本ワイパー
・雨滴をルーフ部で上手く逃がしてリアガラスに残さない(ワイパー不要の)設計
・機械的精度の高いトランスミッション
・考え抜かれた室内設計と計器や機器の配置
・材料を奢った贅沢かつ作りのよいシートなどなど
また、海外出張でドイツ国内で大量に走っているEクラスのタクシーに乗ると「なるほど、なかなか良いなあ」とも思います。またデザインも悪くない、Eクラスのワゴン(写真)なんか、なかなかのものです。なので自動車雑誌や評論家の先生方がいつもメルセデスを絶賛されるのを読んでも、「あぁ、ごもっとも、確かにベンツは良いクルマですね」と思います。ですが、何故か自家用車として欲しいなとは(今のところ)思えないのです。理由は自分でも良く分からないのですが、
・新車価格が高すぎて分不相応に感じる(これは全く事実ではありますが、中古車という選択肢もありますからね)
・街に走りすぎている
・日本におけるベンツという記号性
・上にも書きましたがある意味独善的な姿勢に反発を覚える
・理詰めで妥協を許さないモノ作りの姿勢に息苦しさと、ある種の頭の悪さを感じる(この点フランス車とは対照的か)
このような考えや気持ちが混じり合っていまのメルセデスベンツに対する自分のスタンスが形作られているように思っています。そして、微妙にニュアンスは異なるところはあるのですが、類似の感覚をBMWについても持ってしまうのです。いや実に不思議な感じですが、世の中、必ずしもクルマ好き、輸入車好きの方々が、ドイツ車万歳ではないでしょうから、分かってもらえるヒトもいるのではないかな、と期待しています。
Posted at 2011/05/28 14:39:20 | |
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