
今回はトヨタ ハチロクから話をはじめることにします。本車をブログで取り上げるのは、これで3回目になるのですが、まあ話題になるだけあってヒトにいろんなことを思わせ、語らせる力があるといっても良いのかもしれません(ちなみに
1回目と
2回目)。今回は私の思い出話の狂言回しの役目をこのハチロクにはお願いしたいと思っています。
ハチロクが、1983年に登場したカローラの2ドアクーペ(になるのでしょうか?)のAE86 型のオマージュであることは、モデル名からも明らかなことではあります。これはユーザーがカスタマイズしやすく、乗って楽しい安価なクルマという、クルマの成り立ち部分での共通性というか、目指すべきコンセプトを共有するという意味での言葉であろうと思います。一方、そのエクステリアデザインには特段の共通性はないように感じてしまいます。ハチロクは現在のクルマらしく空力も考慮した流麗なデザインですが、AE86 は当時流行りのボクシーなスタイリングを特徴とします。
むしろエクステリアからでいえば、1988年に登場したこのクルマの方に何やら共通性を感じてしまうのです。そう、5代目となるS13型日産シルビアです(写真はwikipediaから引用したカブリオレになります、ホントはクーペの写真が良かったんですがね)。
これも当時流行していたホンダ・プレリュードなどを代表とする、スタイリング重視の”デートカー”と位置づけられる一台です。私はシルビア登場当時は大学生でしたが、このスタイリングにはとても感銘を受けて、「就職して社会人になったら絶対に購入してやるんだ」と心に誓ったことを懐かしく思い出します。しかし、当初のコンセプトとは別に、AE86と同じようにその当時より少数派になりつつあったFRであり、素直なメカニズムのためカスタマイズがしやすく、さらには比較的ですが安価でもありました。
写真でも分かるように斬新なボディカラーと2ドアクーペの秀逸なエクステリアデザインも相まってデートカーとしても勿論大ヒットしたのですが、それと同時に、その成り立ちから走り好きの若者の心をも捉えたクルマともなったのです。本モデル以降の、シルビアの6代目やワンエイティと呼ばれた派生モデルである180は、デートカーというより、そっち方向の路線に展開していったことは有名な話です。
現代に蘇ったハチロクが体現しているものは、旧のAE86型カローラだけでなく、このシルビアのオマージュでもあるのではないかというのが今回のブログの趣旨なのです。
* * *
余談にはなりますが、S13型シルビアのスタイリングが流麗と書きましたが、こいつには負けますね。初代シルビアです。このスタイリングは、日本車のデザインとしては歴史的な傑作の一台といってもいいのではないでしょうか? S13型シルビアでさえも、この初代のデザインの復活を意図したものであると言えます。
最後に、就職してから目論見通りシルビアを買ったかというと...
クルマに対する興味が一時的に薄れた時期でもあったために結局のところ買うまでには至りませんでした(自身はじめての愛車、フォルクスワーゲン・ジェッタを入手するのは更に8年後になるわけで)。見果てぬ夢に終わったS13 型シルビアの購入ではありますが、そのために逆に、シルビアは自分の心に深く刻まれたクルマになったのでした。
さて、冒頭にも書きましたが、トヨタハチロクにかこつけて日産シルビアに関する思い出話になってしまいました。お付き合い下さった方、お粗末さまでした。お詫びいたします(笑)。
Posted at 2012/05/20 00:54:29 | |
トラックバック(0) |
日本車 | クルマ