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2011年12月17日 イイね!

155:坂の上の雲 (承前)

 生物の進化に関わる現象として、「前適応」というものがあります。

~ある環境に適応して器官や行動などの形質が発達するにあたり、それまで他の機能を持っていた形質が転用されたとき、この転用の過程や転用された元の機能を指す~Wikipedia より

 例えば、鳥は、祖先である恐竜が(おそらく体温調節のために利用した)羽毛を既に持っていたので、それを利用して空を飛ぶ鳥へと進化したとされ、その場合には羽毛が「前適応」と見なされるわけです。

 先日のブログでは、日露戦争とその後の戦争を比較して、その規模と複雑さが異なるとの観点より、単に結果のみでは、それらに関与した政治家や軍人の優劣は評価できないのでは、との話をしました。しかし一方では、明治期の政治家、軍人たちの質的水準は、世界的に見ても優れていたことは間違いのないところなのでしょう。

 そして、ここからが今回のテーマなのですが、しかし、彼らは明治維新前に既に成人期に達しており、後の政治家や軍人達のように、その道に必要な高度な教育や訓練を受けたり、経験を積んできたわけではなく、あくまで武士としての人格形成を主眼とした教養を身につけてきたに過ぎません。にも関わらず、傑出した人材が多く輩出されたことは、このような、哲学や文学、歴史といった教養を中心とする武士教育が、高度な専門教育を凌ぐ有用性を持ち、冒頭で紹介した「前適応」として機能したといえるのではないかと思います。

 いわゆる専門馬鹿ではなく、大きなものの見方ができる、あるいは戦略をもって物事を進めていく人材を得るには、そもそも教育の段階からの慎重な配慮と工夫が必要であると言えるのではないでしょうか?残念ながら現在の日本においては、そのような意味での真の教育が行われてきたと言えるかというと大いに疑問です(自身を振り返っても...、文学、歴史、哲学、そしてそれらの基盤となる国語力の意識的な涵養は理系であったらばなおさら重要ではないかと痛感します)。

 今年一年は日本では国の基盤を揺るがすような大きな出来事が次々と起こり、政治家は今まさに、厳しい現実に立ち向かっていくために経綸を問われています。あるいは、日本人一人一人が、より意識を高く持って選択し行動していく必要があるといえるのかもしれません。クルマ社会も環境問題や電力エネルギー不足の深刻化が進むなか、それこそ今後どのような方向に進んでいくべきなのか皆で考えて、「クルマという商品を選択する行為」を通じて、意思表示をしていく時代になっているのではないかと切に思います。

 今年の初めには自分のクルマを買い換えることは想定もしておらず、ましてや年末になってこのような感慨を持つなどとはまったく想像の外でした。そういった意味では、趣味とはいえ、クルマについての考え方も今年を境に元には戻れない変化が生じたと個人的には思います。

 将来には未だ明瞭な見通しはもてないものの、来年が日本にとって少しでも良い一年になることを願ってやみません。


Posted at 2011/12/17 17:19:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 歴史 | クルマ
2011年12月11日 イイね!

154:坂の上の雲

154:坂の上の雲 司馬遼太郎原作のNHKドラマ「坂の上の雲 第三部」がスタートしましたね。第一部から足かけ3年に渡る長期放送になりましたが毎回楽しみにして観ています。

 過去のブログで、しばしば第2次大戦期の戦車や軍用機を取り上げたことがあるのですが、自分は、もともとは歴史好きであり、同じく興味の対象であるクルマ、あるいは乗り物といったモノ(機械)と歴史との接点として、ミリタリーに関わる話題を取り上げてみたというのが正確なところです。

 文学としての「坂の上の雲」の評価やドラマの出来栄え、歴史的検証の正確性等の話題はいろいろと世間でされているので、そこは置いておいて、本作に触れてみて、感じたことをひとつだけ書いてみたいと思います。それは、坂の上の雲の時代は「クルマがない時代」であったということです。勿論、1904年ですから欧州では既にダイムラーやプジョーによる内燃機関をもつ自動車が登場し、1908年にはT型フォードが誕生して大量生産時代の幕が開くのですが、日露戦争の戦場には、あるいは日本には、今で言うところの自動車は、極少数の例外を除けばまだ存在していなかったのです。移動はもっぱら歩きか馬、鉄道しかない戦場風景は、現代の我々から見ると違和感さえ感じさせるものではないかと思います。そして自動車の発明が、この後、例えば10年後の1914年から始る第一次世界大戦における戦場風景をさまざまなレベルで、あるいは局面でがらりと変えてしまい、今も変え続けているといえるのです。

 さて、日露戦争はからくも日本の勝利という歴史的な結論で幕を閉じた訳ですが、その30年後に起こった日中戦争から太平洋戦争に続く最終的には敗北に終わった戦争と比較していろいろと語られることも多いかと思われます。一概に述べるのは難しいのですが、明治期の政治家、軍人の質は高く、優れた政治戦略を駆使して、また戦術面でも優れて敵軍を打ち破ったのに対して、後の戦争においては、政治的停滞と迷走を招き、軍事常識に外れた戦争計画にしたがって無謀な戦争に突入したそのような政治家と軍人たちは無能であるとの趣旨の評価が多いのではないかと思います。

 この点については、私のような素人からは定見を述べることはできないのですが、上記の「クルマのない時代」であったという切り口から考えると、日露戦争とその後の戦争では、後者の作戦範囲、投入リソースが桁違いであり、その複雑さは飛躍的に増加したと指摘することはできます。戦車を含む軍用輸送・戦闘車両の普及と積極的な活用、あるいは航空機の登場などで、戦場のスケールは、日露戦争の遼東半島から満州の一部地域、そして日本近海、から、太平洋戦争では中国大陸東半分から西太平洋全域へと拡大し、投下兵力も50万人程度から、太平洋戦争末期には700万人にも達した戦争において、同じ能力と常識が通用しなかったのはむべなるかな、と思います。勿論、時代の進歩に追随できず同時代の敵国の軍人あるいは軍事力との比較において勝ち味を見出しえなかった、あるいは軍事行動による解決を選択したという、結果責任を免れることはできないのですが、日露戦争時代の政治家や軍人との単純な比較で貶められることは、有る意味フェアではないなと感じる次第です。

 冒頭の「坂の上の雲」でも、これから日露戦争の場面が主となってドラマが展開し、日本陸海軍の諸将の活躍が語られるのだろうとは思いますが、常に冷静に、そして多面的な歴史判断は求められるのではないかなと思います。

*      *       *

 ということで、一応クルマには関連させて書いてはみましたが、固すぎる内容になってしまったかもしれません。その点は、ご容赦の程を。
Posted at 2011/12/11 09:45:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | | クルマ
2011年12月10日 イイね!

153:Grand Evoque 登場?

153:Grand Evoque 登場? ランドローバーのEvoqueの国内販売車種構成と価格が正式に発表になりました。5ドアバージョンの”pure”は450万円から、とありますが、これは殆ど「素」の状態で、ナビを含めて現代の標準的な装備をオプション装着すると、まあ少なくとも100万円上乗せといったところでしょうか。フリーランダー2(FL2)とディスカバリー4(LR4)の価格帯の間に入ってくることは、本車の位置づけからは仕方がないとはいえ、やっぱり少し高すぎるかなーという印象です。いや、きっぱり諦めが付いて自分的には良かったかもしれませんが(笑)。

 しかしBMW X1、Audi Q3、VW ティグアン等、強力ライバルが犇くこのセグメントで、マイナーなLRブランドがこの価格で競争力を発揮できるのかやや不安な気がします。最近のジャガー等の英国ブランドの国内での地盤沈下振りが顕著なだけに、態勢挽回の一手になればよいのですが...。

 ところで、先日、LRはEvogueの兄貴分として、BMWのX5やAudiQ5?を標的とした、Grand Evoque を開発中であるとのニュースが流れました(写真は英国AUTOCARのHPより)。Evoque が家族用途にはやや狭い(スタイリング志向過ぎる)のではないかと感じていましたが、これならば十分なユーティリティが期待できそうです。しかし、価格帯としては、LR4より上でRRスポーツより下辺りになるのでしょうか?1000万円弱ともなれば、購入対象とするのは難しくなるのですが。とにかく「期待して待て」、ですかね。
Posted at 2011/12/10 17:01:54 | コメント(2) | トラックバック(0) | 英国車 | クルマ
2011年12月10日 イイね!

152:カーシェアリング

152:カーシェアリング 大分と前になるのですが、クルマ社会の将来像を考えた場合のひとつのトレンドとして、カーシェアリングの更なる発展が挙げられるのではないか、そしてその具体的なメリットとしては、自分のニーズに合わせて、個人所有では達成できない高級車に乗れるようなサービスが実現されるかもしれない、といった内容のブログを書きました

 で、以下、Auto Blog Japanの記事より抜粋、

~『Jointli』(ジョイニット)という名の新しいサイトが米で話題になっている。高額商品の共同購入を仲介してくれるこのサイト、フェラーリやGT-Rといった高級車や、住宅、ヨットなどの商品別に共同購入希望者をサイトで募り、応募者は安い元手で商品を購入することができるという仕組みだ。このサイトを利用すれば、1日たった7400円でフェラーリ「F430」のオーナーにもなれるという。~

 さすが米国は先を行ってますね。国内でも類似のサービスが始る(成立する)のは何時になるのでしょうか。期待して待ちたいと思います。

Posted at 2011/12/10 16:22:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマの話題 | クルマ
2011年12月10日 イイね!

151:JCOTY2011-2012 その後

 以前、今年度のJCOTY10ベストカーの選考結果についてブログで話題にしましたが、先日ベストカーが発表されました。詳細な結果はここ

 そして公式の選考理由は以下のとおり(HPより)

●日本カー・オブ・ザ・イヤー
日産自動車株式会社『リーフ』
受賞理由:EVとして可能な限りの実用性を持ち、近未来的な様々なアプローチをした。そして発展性、充電設備への投資など、EV普及のための礎となる仕上がり、取り組みを評価。

●インポート・カー・オブ・ザ・イヤー
メルセデス・ベンツ日本『メルセデス・ベンツCクラスセダン/ステーションワゴン』
受賞理由:優れた安全性を始めとする基本性能の高さに加え、2,000箇所にも及ぶ改良を施した。さらにはダウンサイジングした直噴ターボエンジン+7速ATの搭載で、高い環境性能も実現した点を評価。

 いつも思うのですが、JCOTY については常々分からないことが多いです。電気自動車ということであれば、何故過去にi-MIEVが選ばれずに今回リーフなのか?何故、マイナーチェンジのCクラスなのか?それぞれ選考理由にあるように、「本体+インフラの総合的な実用性と電気自動車という革新の融合」、あるいは「史上最高wwのCクラス」だから、との言い分はあるのでしょうが...

 ということで何か納得できない感覚が胸に残ったこともあり、今回のブログでは、良い賞(表彰制度)の条件とは何かを自分なりに少し考えてみたいと思います。以下、ポイントとなる項目として思いつくものを列挙します。

 審査員の基準(質、選択条件、役割の明確化)
 選考基準、評価基準
 選考方法(透明性、公正さなど)

 過不足等はあると思いますが、上記の項目が、あらかじめ緻密、精密に設定され、厳密に実行されることで、賞に対する納得性や妥当性が担保される(あるいは認知される)ことになります。では、このような賞を設定して毎年表彰することにより期待される効果とは何なのでしょうか?

 受賞車の認知度が上がり売り上げに貢献
 開発メーカーのクルマ作りに関わるスタータスの向上
 現在の業界の価値観の共有と、未来への方向性の提示

 最初の二つは、優れた功績への顕彰という本来の趣旨に沿うものであり、分かる話なのですが、実際には3つ目が一番大事ではないかと思うのです。良い車を表彰するという行為を通じて、グローバルに進展している複雑な自動車産業界において、ひとつの確たる評価軸を確立して提示し、更には将来に向かって進むべき方向性を示唆さしめること、換言すると過去ではなく未来に影響を及ぼす役割が期待されているのではないかと思うのです。

 あっている間違っているはさておき、そのような理想や思想を堅持して毎年の選考表彰を継続することで、賞に対する権威が生まれ、さらに良い効果を車業界に及ぼすことができる、といった正のスパイラルが生まれていくのが理想ではないでしょうか。

 では、JCOTY は、このような「求められる、あるいは理想とする表彰制度」の条件を踏まえて考えると、そのクオリティはどうなのでしょうか?

審査員の基準
 →提示されていない(片っ端から自動車評論家を選んでいるとしか思えない)。審査員数の妥当性が分からない(合議するには多すぎる、投票のみであれば少ない)。

選考基準、評価基準
 →「選考委員は対象車についてコンセプト、デザイン、性能、品質、安全性、環境負荷、コストパフォーマンス等を総合的に評価して選考する」とのこと。結局何も設定されていないに等しいアバウトさ。まあアバウトでもいいのですが、その場合は審査員の質や選考過程が質的にもしっかりしている必要があると思いますがそれも....

選考方法
 →委員の行動を規制する規範やルールは明確ではない。選考方法も基本は持ち点の投票制であり、プロセスに精密さや正確性は皆無。

 考えるに、とても条件を満たしているとは思えません。このイベントのために、組織維持や開催に係わる費用として、どれだけのお金がかけられているのか、そしてその費用がどこから出ているのか、についての知識は私は持ちませんが、かなりのものだろうとは容易に想像つきます。では、投下したコストに見合った本当に意義のあるイベントといえるのでしょうか?ノーベル賞を見習えなんてことは口が裂けても言いませんが、現状では内輪の相互投票で選ぶ野球のゴールデングラブ賞程度?のレベルではないでしょうか。 現代社会でも最も魅力ある工業製品であり知的作業の結晶体でもある自動車を選考するのであれば、もう少し良い制度にすべく努力する必要があるのではないかと強く思います。

*      *     *

 RJC では輸入車ベストに輝いた、我が愛車ボルボ S60(V60) はJCOTYでは、メルセデス Cクラス、プジョー 508 の次の3番目の得点でした。まあ、このことについてのコメントはなし、ということにしましょう(笑)。
Posted at 2011/12/10 15:00:58 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ評価 | クルマ

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何シテル?   03/21 11:29
yutty1325です。シトロエンC5からの乗り換えで、ボルボS60に乗っています。下手の車好きです。ブログにはクルマを中心とした話題を取り上げていきます。
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