2007年12月11日
名古屋市立大学の博士号謝礼問題で名誉教授が逮捕されてから、名古屋大でも博士号取得の謝礼が慣例化していた、と話題になっています。背景はいろいろありますが、状況を理解するためにも少し情報を捕捉しましょう。
まず、医学部の大学院生と言うのは、他の大学院と事情がかなり異なり、多くの場合学生は同じ教室、あるいは学内の他の教室に所属する勤務医である場合がほとんどです。よって通常勤務は医師として患者さんに向き合う、いわゆるお医者さんです。彼らは大学院にも所属しますが、昼間の”お医者さん”あるいは、生活のためや所属教室のノルマともなる”夜勤”の合間に研究しなくちゃいけません。よってかなり制限の多い状況で研究実績をあげる必要があります。そのためには指導教官、教授や準教授ら研究指導側のサポートも大変で、時間を掛けて討論したり、参考になる情報を次々に送ったりと、指導すべき学生がいればいるほど手間がものすごくかかります。こうして研究したものをまとめて海外著名雑誌へ論文を送り、掲載された(つまり有用性を認められた)後で学位論文を書き、それに対して大学から学位(医学博士号)が授与されるわけです。
こう言った指導体制は他の理科系の学部とはかなり異なり、学生が学生だけやっている学部だと極端な話、指導は先輩に一任で先生はピンポイントでしか指導しない、ってのも少なくないです。そういう意味では医学部の教授は学生の指導のためにかなりの労力を割いています。もちろん自分の本来の仕事、医師としての研究実行や後進の指導、学内業務も行なった上で、です。自分の知る限り、医学部の教授はドラマのように楽に金儲け、なんて滅多になく、本当に休みを惜しんで研究や指導を行なっています。
こうした指導に対し、学生が謝礼を包むと言うのは無理からぬ心情だと私は思います。そのくらい熱心に、親身に指導してもらうからです。事実自分も学位取得の際、指導教官及び審査教官に対し、謝礼をお渡ししました。
しかし!!!
わが師匠も、指導の教官らもそれは拒絶なさり、研究の進展と大学の名誉を重んじる発言をなさったのを良く覚えています。本当に素晴らしい先生方です。いずれも世界的な研究を展開し、国内学会でも引っ張りだこの先生方ですが、たまにお目にかかるとニコニコとご挨拶してくださるし、師匠は良くメールもくれます。
ただ、上記の経験は私におきたことであり、名古屋の例は医師ではない私とは事情が大きく異なりますし、他の大学(医学部)他でも必ずそうかというとそれは言い切れません。事実私立の医学部では桁がもうひとつ多い額を謝礼として出すのが暗黙の了解だし、他の学部でも慣例化しているケースがあるようです。もちろん正当な謝礼以外受け取ってはいけない、との考えは基本的には正しいと思いますが、大学院生の指導ってホント大変で、時間も長く掛かりますし、論文の手直しもものすごい手間です。これがあの安い教授の給与に含まれている、とするのは私には非常に抵抗があるんですが・・・。
今回はちょっと一面的過ぎる記載ですが、そこはご勘弁・・・・・
ただ・・・
医局人事に手心を加えてもらおうとか、その後の就職の斡旋の謝礼を含むとかなら、事情は別です。それは受け取るほうも出すほうも良くない・・・。
また、大学院に入学しないで学位を得る”論文博士”と言う方法もあり、これはこれで上記とは事情が異なります・・・
以下転記:
<医学博士号謝礼>名古屋大でも慣例化「100万円医局も」
12月10日15時1分配信 毎日新聞
名古屋市立大学大学院医学研究科元教授の汚職事件で問題となっている博士学位申請者から論文の審査担当の教授らへの謝礼が、名古屋大学大学院医学系研究科でも慣例となっていたことが毎日新聞の調べで分かった。複数の同大出身医師が「人事権を握る教授に目を付けられたくなかった」などと認めた。同大は「個人の良識に任せる」として調査はしないという。【桜井平、岡崎大輔】
証言したのは、01~03年度に同大での論文審査を経て学位を取得した愛知県内のいずれも40代の男性勤務医。
名古屋市近郊の勤務医は先輩の助言で、審査の主査の教授に20万円、副査に5万円を渡した。主査からは10万円程度の祝い品が届いたという。「あいさつ程度の意識だった。医局ごとに謝礼が義務的だったり自由だったりで、断る教授もいた。相場が100万円の医局もあった」と話す。医局や教授によって相場に差があり、三河地方の勤務医は「審査のお礼に約30万円を合格者で折半して渡した。折半方式だったので合格者が多いほど助かった」と語った。
また「自分は渡していない」という名古屋市内の勤務医も「多い人は1本(100万円)包んだ」と証言。慣例の背景を「先輩と違うことをして、へき地に送られるのを避けるのが一番の理由。我々は首根っこをつかまれていた」と説明した。尾張地方の勤務医も「系列病院に派遣する人事権を握っており、教授の力は絶対だった。謝礼を払わない方が怖かった」と話し「昔からみんなやっていたこと」と強調した。
浜口道成・医学系研究科長は「事実なら情けない。やってはいけないことに決まっている。だが受け取る側と渡す側の見識の問題で、大学として調査はしない」と話した。
事件では、名市大大学院元教授の伊藤誠容疑者(68)が、口頭試問の内容を学位申請者5人に事前に教えた謝礼に現金を受け取ったとして収賄容疑で逮捕された。
Posted at 2007/12/11 10:34:24 | |
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雑感 | 日記
2007年12月11日
あっしのカプチは1月末登録の機体ですので、そろそろ保険シーズンです。
幸い日頃の行いがイイお陰か、保険料は年々少しずつ下がります。
しかし同時に最近は景品や割引欲しさに毎年のように保険会社変えています。
それで・・・
今年も変えちゃいました♪
一番の理由は車両保険の補償額が今より上がるからです!
でも年々下がって遂に60万しか掛けられません。
しかし12年も経ったクルマに60万乗せれるなんて・・・
しかしカプチって60万じゃ正面から当たったときには軽く超えちゃいますからねぇ~
皆さん、車両保険掛けてますかぁ?
Posted at 2007/12/11 08:27:56 | |
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カプチーノ | 日記
2007年12月11日

職場近くのイチョウがいい感じです。
しかし・・・
掃除大変そうです(涙)
毎朝路上やオフィスビル入り口付近などに吹き溜まっていて、その量は半端じゃありません・・・
見てるだけのあっしはお気楽なもんです。
Posted at 2007/12/11 07:45:59 | |
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雑感 | 日記
2007年12月11日
さんざん賞味期限や産地偽装を繰り返したのに、記者会見では現場に責任をなすりつけた答弁を展開した吉兆経営陣が総撤退になりましたね。当たり前過ぎてコメントする気にもなりませんが、とりあえず一番喜んでいるのは同じ根っこの他社、他の吉兆さんらでしょうな~
しかしね…
経営陣が離れても現実的には影響力残るでしょう?形だけ手を退いてもこれまた
"偽装"にならんかな?言っちゃなんだが、今回のケースでは偽装行為もさることながら、次男取締役のパートへの責任なすりつけがとにかく羞悪で、やつらの影響力が残る中で信用回復はまずムリでしょう。最低でも次男取締役は高野山にでもブチ込まないとダメでしょう・・・
会社が経営陣の反社会的な行為で傾いたのに従業員が解雇されて生活の糧を奪われるとはまったくもってけしからん話です。経営陣は自分達の財産を全て吐き出してでも従業員保護をすべきだ。そうするとあるいは船場吉兆の看板が守れるかも知れないな。

Posted at 2007/12/11 06:21:13 | |
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