green_openmindのブログ一覧

退院してほぼ1週間経ちました…
おかげさまで後遺症は一切なく、来週の通院日に職場復帰のスケジュールが決定できると踏んでいます。友人らの支えと家族、医療関係者のサポートのおかげでひとまず納税マシーンとして復帰ができそうです（苦笑）

約10日間の入院生活を送りましたが、入院先が脳外科専門病院だったのもあり、4人部屋の他の入院患者はほぼ自分と同じ脳梗塞、もしくは脳出血の患者でした。しかも70歳後半の高齢者ばかりで、自分の発症がかなり早めである事に複雑な思いをしたものです…

実は自分の父親もなのですが、脳梗塞で寝たきりになると基本的には自宅介護が非常に厄介です。
自分の父親は要介護マックスになっていますので、現在も、そして将来も病院から出ることは不可能と考えています。症状からしてやむを得ないかなと（自立歩行不能、用便不能、喋れない、と来ると介護素人の家族では対応できません）。いくら寝たきりと言っても、自宅で診ないのは家族として情に欠ける、なんて言う上っ面な批判もよく聞きますが、そんなの現実を知らないタワケモノの批判でしかありません。

日本は平均寿命が世界トップクラスの長寿大国として知られますが、現実には寝たきり存命の高齢者が多く、介護施設の入所順番待ちが長く長く連なっています。もちろん介護施設に入所できない場合、自宅介護にせざるを得ず、家族の負担は想像を絶するレベルです。身体的な負担もそうですが、経済的な負担も半端なく、子供世代に負担を求めざるを得ないケースや、生活保護に陥るケースも少なくありません。

我が家のケースでは、幸い介護施設を兼ねる病院に入院できているとは言え、母親は介護に専念せざるを得ず、心理的な負担は少なくありません。もちろん経済的な負担も大きくのしかかります。

ここで改めて自分が言うまでもなく、寝たきりになった場合、本人のみならず家族の負担も非常に大きくなります。

その寝たきりに陥る主な要因とは。。。

自分の記憶が正しければほぼ40％が脳梗塞を含む脳血管障害、20％が骨粗鬆症などから来る骨折（大腿骨折、脊椎損傷など）です。特に脳血管障害は今回の自分のような極め付けにラッキーなケースを除けば、発見時の対処即応ができないと事態が深刻化←寝たきりリスク上昇、に直結します（もちろん生命の危機も）。

ここで一旦視線を引いてみます。

現在国家財政は東アジア情勢の不穏当化を受け、国防の必要性が問われ、ますます支出増が懸念されているわけですが、ここのところずっと国の喫緊問題は医療費高騰によるヘルスケア予算の腫張が止まらないことです。高齢者増加による医療コスト増加は当然の帰着ですから。国も医療費抑制のために薬剤費のカットや各種保険点数の調整などで対応策を打っていますが、効果は限定的と言わざるを得ません。それには上記のような非常に多くの寝たきり高齢者がいることも当然ながら影響しています。

それでもこうした事態に対処すべく、国は介護保険制度を設けたり、包括医療（治療名目毎に医療コストを統一してしまう制度）にしたりと、次々と策を打ち出していますが、ベースの政策としては、入院期間の短縮策がずっと採られています。高齢者が入院先を転々とせざるをえないのは一定期間以上の入院は病院側の持ち出しとなり、ペイできなくなるから、に他なりません。病院も基本的には営利団体の側面がありますので、経済的な面は無視できません。

また、慢性的な医療現場の人材不足も深刻です。

介護職の処遇改善がなければ、介護職員や看護師らのこれ以上の拡充は望めません。
自分も入院中何度も目にしましたが、要介護高齢者患者の介護はいくら仕事とは言え、ストレスも半端ないです。ひたすら看護師や介護者に八つ当たりする高齢者、意味もなくナースコールを押し続ける患者、痴呆も手伝い途切れることなくがなり立て続ける患者…。これが続くとスタッフのモチベーションだって高いまま維持、なんて無理ゲーです。

長々と書きましたが、

実体験を元に言えば、
・寝たきりに陥らない様に生活する〜脳梗塞は生活習慣病側面が強いので（苦笑）
・医療者とのWin-Winな関係を構築できる対人スキルを身につける
・保険などで万が一の際の経済基盤を整える

など、普段からやっておいたほうが良いことがいくつかあります。
ま、自分自身が直面したから偉そうには言えませんが、実際なってみるといろいろ見えてきたので書いておきました。