2017年12月11日
12月5日の職場復帰後1週間ほど普通の生活(厳密に言えば1時間時短勤務でしたが)を送り、ほぼ普通の週末も過ごしてみました…。
結果から言ってしまえば、特に何の問題もない、普通の平和な1週間でした(嬉)
思えば…
突然の脳梗塞発症⇒緊急搬送即入院で日常生活は崩壊し、しかも点滴複数と検査検査での拘束生活(その間iPhoneはじめ外部連絡手段無)で自由度もなく、ようやく家族面会を果たせてiPhoneを入手できたころから、症状が落ち着き(というか後遺症がないことがほぼ確定して)、徐々に拘束度合いも低下して、それに伴い救急病棟から一般病棟に移動して、その後は軟禁生活を楽しむわけでもなく、ひたすら退院したいなぁ、と病院での日々を過ごしました。結果的には標準的な治療を完遂するための必要最低限入院期間?がほぼ10日間だったわけで、最後の点滴なんざ終わったとたんに自分でラインを止め、自分で点滴ラインを抜去しそうな勢いでした(笑)
ただ、入院中は仕事関係の連絡も最低限行いながら、それでもヒマでしょうがないので、自分の病状や今後についてそれは入念に調べていました。出されている薬剤の効能効果、副作用、は当然ながら、臨床試験で得られているデータやガイドラインにおける位置づけなど、原著の英文論文まで読み込みました(iPad最高!購入後初めて役に立った?(笑)。なおその光景を何度か看護師にも見られ、何やこの患者は!扱いに…)
その後退院してからは10日後の症状確認までひたすら体力回復に努め、減量効果も狙ってひたすら散歩をしていました。連日天気が良かったのはラッキーでした♪ また、家内と買い物にも行き、いつも以上に家内とも会話できました。
こうした経緯を経て、12月5日から勤務再開し、いつもの生活~朝5時頃起きて駅まで原チャリを駆り、新幹線で会社に行く、をこなし、週末にはホント久しぶりにカプチーノにも乗りました(当然ながらバッテリーが…)。
実は12月4日にはすでにRX-8には乗り、通院をこなしたのですが、カプチーノに乗ったことは、そして特に問題なく過ごせたことは自分の中では一つの区切りとして非常に大きいと感じております。
私の中ではもちろんRX-8もカプチーノも特別な存在で、運転すること自体も”スペシャル”なわけですが、普段買い物や家族と出掛ける時に使うRX-8は日常感が強く、ある意味”運転できて当然”感が強い…
その点カプチーノはほぼ純粋にレジャー向けであり、これを運転するのは日常+αに他ならず、ようやく普段通りの生活への復帰の象徴的な出来事と感じました。
こうして心情的には日常生活への復帰を果たせた、と考える一方で、自分の置かれている状況を正確に理解する必要性もまたあります。
入院中の自分なりの学習や処方されている薬剤の特徴、治療上の位置付けなど、自分の専門分野ではないものの、業界人特有の調査方法により、いろんなことがわかりました。同時に、自分のような業界人にでさえ医療者側からの説明は極めて不十分であることもよくわかりました。増してや一般の方であれば自分自身の症状の把握などは非常に困難なんじゃないかと思います。まぁ、医療者側はとにかく多忙ですし、各種説明は対象者の理解レベルなども考えれば全員に十分な納得をしてもらうのはまず無理でしょうから、やむを得ないな、とも感じます(あるいは私に対してはその辺端折った可能性もある)。
自分に起こったのは…
脳梗塞の中でもラクナ梗塞と呼ばれるもので、細い血管が高血圧、動脈硬化などによって詰まって発症するタイプで、発生したのが小脳(右側)だったため、身体のバランスが取れなくなりへたり込んだ&嘔吐したものです。その後救急搬送してすぐに血栓溶解剤(血液サラサラにする⇒血が固まらなくする)を持続投与し、加えて障害を受けた脳のそれ以上の破壊を防ぐためのラジカル除去剤を入院中ずっと投与されました(以上自己調査結果より判断)。
その甲斐もあり、脳障害部位は極めて小規模ですみ、おかげで後遺症は出ないで済みました(画像解析データを見ながら主治医に確認)。もし救急搬送されなかったら(救急車呼ばなかったら)、自分自身の症状説明がきちんとできなかったら、運ばれた病院が専門病院じゃなかったら、いずれのケースでもおそらく脳障害部位はもっと広くなっていたでしょうから、今日こうしてPC打ってるなんて日は来ていなかったかもしれません(悪くしたら川を渡り…)。
上記の初期治療がうまく行われたおかげで第一にして最大の危機を乗り越えることができたわけですが、その後の治療が今後の生活に関わってきます。
脳梗塞は基本的にはほぼ再発すると言っていい疾患です。
よって自分も基本的には再発することを前提にせざるを得ず、もちろん少しでも再発しないような治療(薬剤投与)と生活改善が必要となります。
ただ、自分の場合、症状が極めて軽い事や、原因が高血圧とほぼ同定されていることもあり、今後の治療方針が明快で、しかも再発リスク抑制がしやすいとも言えます(でも完全抑制はかなり困難)。具体的には…①血栓を発生させないように血栓溶解剤を投与する(これは一生飲むことになります)、②高血圧を制御する(降圧剤を最適化し、最高血圧を30くらい下げる)、を狙っています。現在①は薬剤投与で達成していますが、②についても新たに処方された薬剤が著効し血圧コントロールができつつあります。これは職場復帰により日常生活に戻っても制御できていますので、かなり効果が出ています。
更に言えば、そもそもの高血圧の要因の一つ、ダイエットにも着手しており、摂取カロリー抑制を行っています。あとは適度な運動をしながら、体調を整えていく方向ですね。
以上の再発抑制方針はすでに開始され、しかも的確に行われつつありますが…
じつは脳梗塞で恐ろしいのは再発もそうですが、もう一つ、脳出血リスクです。
脳出血リスクは前述の高血圧も影響甚大なので、その対処をしっかりやっていればかなりリスクを下げることができます。しかし、実は不安材料もあり…
というのも、脳梗塞再発防止のために使っている血栓溶解剤(標準とされる治療法)には大きく分けて3つあり、①脳出血リスク抑制効果が最高だけど脳梗塞再発リスク抑制効果はちょっぴり落ちる②脳出血リスク抑制は少し劣るけど脳梗塞再発リスク抑制効果は高い③どちらも中間的(しかもちょっと古い治療法)、があります。
自分は最初①方法で治療をされたのですが、これが副作用として猛烈な頭痛が出て、どうにも耐えられませんでした(一般的に処方される痛み止め(NSAIDS)でほぼ最強のロキソニンでも全く効かず。これ以上となるとボルタレンになっちゃうので、しかもロキソニンもボルタレンも長期処方で胃腸障害が高い確率で発生)。となれば毎日飲んで生活していかなくてはいけない薬剤の副作用止めに毎日飲むのはマズイ、となり、薬剤変更で②方法となりました。
以上の治療方法により、自分は脳出血リスクが少し高い中、今後生活していくことになります。
こうして良かったことやわかっちゃったことなどをすべてひっくるめて、日常生活が再開されています。
元々それほど長寿願望が強くない自分ではありますが、かなり具体的に自分の行く末の可能性の一つを知ってしまったことは結構複雑です。さらに実を言えば今回の最初の症状~めまい、嘔気、が結構トラウマであり、ちょっとした立ちくらみや食事直後のほんのわずかな嘔気にでさえ、当日の状況がフラッシュバックします。毎日を過ごすことで徐々に消えていくんでしょうが…
ただ今回、自身の知識や対処方法などで最悪の事態を回避できたことに妙な自信も湧いています。
もちろん次回も同じように事が運ぶ保証なんてないですが、元々楽観的な側面もある自分にはそれでもかなり気が楽になります。前回の交通事故でも感じましたが、家族、知人のありがたみや自身のスキル(?)も上手く噛み合った幸運だな、とも思っています…
Posted at 2017/12/11 09:54:45 | |
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