
最近、このパターン多いな^^;
思いが募りまくって居ますので
暇な人だけ御覧くださいm(_ _)m
同じ記事をご覧になって書かれているブログを拝見しましたが、
あまり突っ込んだ内容ではなかったため
記事の公開から遅くなりましたがブログを公開しました。
ノッキングといえば、ガソリンエンジンの中でも
特にブーストアップが容易なターボエンジンで出てくる言葉だと思いますが、
何が問題かといえば
ノッキングが発生するとエンジンが壊れる
ということが挙げられるかと思います。
記事によるとノッキングから起こる現象として
「火炎からの激しい遷移現象」(Explosive transition of deflagration)
と命名されたそうです。
ガソリンエンジンはエアクリーナーから吸われた空気が
インマニに送られて
インジェクターにより噴射された燃料と混合することで
混合気としてシリンダーに送られます。
シリンダーに送られた混合気は、
ピストンの上昇により圧縮され・高温になり
ピストンが上死点前になったあるタイミングで
スパークプラグで火花を飛ばすことで火種を作り
作られた火炎がスパークプラグを中心としてシリンダ壁面に進行することが
理論ではピストンに圧縮された混合気の容積が
変化しない状態で行われる(という理論である)ことから
オットーサイクルと呼ばれています。
オットーサイクルは圧縮率を高めれば高めるほど熱効率が高くなっていくため、
(熱効率が高い=単位燃料あたりの出力が高くなる)
燃費を良くすることなどから圧縮率を高くするようにされていますが、
問題になってくるのがノッキングとなります。
ノッキングとはエンジン内で発生する異常燃焼のことですが、
イメージとしては、
圧縮された混合気がピストンで圧縮されながら
スパークプラグで着火される様子を想像してください。
圧縮された混合気がスパークプラグで発生した火炎がシリンダー壁面に伝播するのですが
燃焼した混合気は体積が膨張するので
火炎の外苑側では混合気が圧縮されたような状態になることで
混合気の自己発火点に達することから
火炎の進展とは別の場所から火種が発生することから
以上な燃焼が発生したことにより発生した現象が
ノッキングと言われています。
大学時代は工学部を選考していて、
熱力学と内燃機関をこよなく愛していて
そういう研究室に入っていまして
わかりやすく説明したつもりですが、
エンジニア言葉になっていたかもしれません^^;
余談ですが、
一応これでも内燃機関の教授の授業で行われる試験で
100点を叩き出して、
研究室訪問で教授から君が〇〇君か
と言われたことがあります(^^)
隣りにいた学年でトップ5に入るほど、
私からすると頂点に居る友人の名前は教授から呼ばれませんでした^^;
確かに、彼はすごかった・・・
すごかったけれど、
熱力学と内燃機関をこよなく愛していて
大学で学ぶ教科書はもちろんのこと
HKS流エンジンチューニング法と言った本を常に持っていて
お手洗いに入るときも教科書を持っていた程見ていた事を鑑みると
(当時であれば漫画を見るほど朝から晩まで時間があればその教科書を見ていた)
頭がいいのは彼ですが、
本を持っている時間は一桁以上違うので
教授に名前を覚えられていたのもさもありなんという感じでしょうか。
説明しだすときりがないので^^;
この研究の肝は、
圧力とは関係なく
未然ガスの温度がおおよそ1250Kを超えた場合に
ノッキングが発生するという点だと思います。
この研究でここがキモです!
ということは、圧力が低くても未然ガスの温度が高ければノッキングは発生しますし、
圧力が高くても未然ガスの温度が低ければノッキングは発生しない
という研究結果が出ているのですよ!
しかも、数十Kで発生するかしないかと言うのではなく
1250K付近という燃焼ではなければ到達しようがない温度が
基準となっているというのです!
余談ですが、0K=ケルビン=絶対温度=-273.15℃で
これより低い温度は存在しない温度です。
単位の世界では大文字小文字が明確に区別されているのですが、
残念ながらその事を知らない方が多すぎてとても残念に思います。
全部小文字で書けばいいと思う方もいらっしゃって
なんの単位なのか理解にとても苦しみます^^;
例えば、1000Paという圧力が発生した場合、
(1Pa圧力というのは1m^2の面積に1Nの力が加わった状態)
通常は1kPaと表現します。
1000を表す次元の単位としては小文字のkが使われます。
1000kPaを一般的に表すとしたら1MPaが使われます。
1000×1000を表す単位としては大文字のMが使われます。
これが、
例えば1mという表現が出てきたとしたら長さの単位だと思いますが、
mとMは大文字小文字で明確に区別されています。
前者のm(小文字のm) は長さの単位
(以前は標準軌がありましたが、現在は真空中の光の速さを299,792,458 m/sを基準にして求められています)
ですが、
後者のM(大文字のM)は無次元の10の6乗(10^6)となります。
改めて長さの単位を元にすると
1000m=1km
となります。
また、
1000km=1Mm
となります。
1Mmというのを見て、
単位は大文字小文字が明確に区別されているというのを知っていたら
Mは無次元の単位、mは長さの単位というのがすぐに分かりますよね。
知ってる人は知っている。
余談が過ぎると思われた方はすいませんm(_ _)m
話を戻して、異常燃焼の発生に圧力は関係ない。
これはグラフを見ると一目瞭然ですね。
また、ガソリンエンジンの主成分の一つであるn-ヘプタンは
ルイス数が1より大きいので、
条件によって必ずノッキングが発生する条件(臨界条件)が存在する、
ということがわかります。
ということは、ガソリンエンジンはオットーサイクルですので
熱効率を高くするために圧縮率を高くするという方法がありますが、
ノッキングを発生させない方法として
未然ガスの温度を1250Kを下回る燃焼状態を作ることで
熱効率の高い状態にすることが出来るということがわかるかと思います。
未然ガスというのは、
シリンダー壁面に押しやられた未然ガスも含まれるので
プラグにより燃焼していく過程中に
未然ガスがシリンダー壁面に追いやられていくことで
断熱圧縮により温度が上昇することも考慮する必要があるわけです。
ということは、
前置きインタークーラーを否定するわけではありませんが、
前置きインタークーラーにより下がる吸気温度が
未然ガス温度にどの程度影響するのかにつきましては
温度センサーを設置して計測を行う必要があるかと思います。
この事は、
純正エアクリーナーがエンジンルームの熱気を吸わないように
如何に注力しているかということからも鑑みられます。
(外気とエンジンルームの温度を比べると数十度変わりますからね^^;)
シリンダーライナー温度を下げようとしてローテンプサーモスタットがあるかと思いますが、
それで下がる温度は10℃前後。
対してExplosive transition of deflagrationの温度は1250K・・・
3桁も温度が違えば誤差ではないのでしょうか?
また、前置きインタークーラー・・・
確かに未然ガスの温度を下げる効果はあると思いますが、
その下がった温度が未然ガス温度の上限である1250Kにどれほど影響するか?
については、センサーを装着するなどして検証する必要があると思います。
一番手っ取り早い方法としては点火時期でしょうかね^^;
点火時期を遅らせば、
ピストンの上下を考慮すると、
(体積が大きくなると熱容量が大きくなる)
火炎の進展に寄るシリンダー壁面に追いやられていく未然ガスの温度が下がることから
未然ガスの温度を下げることが出来て、
Explosive transition of deflagrationの臨界温度に達することが無くなりそうです。
この研究結果は衝撃的ですよ!
なお、一線を退いて20年以上経つので
間違った情報がありましたらm(_ _)m