
装着後2週間で約600km走行しましたので,第1回目のモニター報告します。
モニタータイヤはGOODYEAR EAGLE F1 ASYMMETRIC 2,タイヤサイズは純正と同じフロント225/40R18 92Y XL,リア245/35R18 92Y XLです。
装着車両はF22 M235i,ホイールはOZ MSW 25(前後 1880+45),タイヤ変更前後でホイール以外の仕様変更はなく,その他仕様はパーツリストを参考にどうぞ。
■タイヤタイプ・仕様
タイプとしては,純正装着のPilot Super Sport(以下PSS)の他にDUNLOP SP SPORT MAXX 050+,BRIDGESTON POTENZA S001,Pirelli P ZEROなどのプレミアム(フラッグシップ)タイヤに該当します。
モニタータイヤは両サイズともに★(BMW承認)やMO(Mercedes Original)表示はありませんが,BMWタイヤカタログによると,225/40R18 88Y及び245/35R18 88YのEAGLE F1 ASYMMETRIC 2 ランフラットはBMW承認タイヤです。
JATMAラベリング,UTQG及びカタログ値から,
・JATMAラベリング 燃費 B,ウェットグリップ a
・Treadware 300,Traction AA,Temperature A
・225/40R18が重量 10.0kg(ポンド換算値),総幅 237mm,外径 633mm
・245/35R18が重量 10.4kg(ポンド換算値),総幅 248mm,外径 627mm
となっており,燃費 Bなので低燃費タイヤではありません。
JATMAラベリングのウェットグリップ aは最高評価で,取得タイヤは少ないので特筆すべき性能と言えるでしょう。
製造はドイツのGoodyear Dunlop Tires Germany GmbH PHILIPSBURG工場(225/40R18)及びRIESA工場(245/35R18),2015年46週(11月上旬)の生産でした。
■タイヤ外観
トレッドは4本の太めのストレート溝と内外指定の非対称パターンで,各社のフラッグシップタイヤの主流のパターンです。
内側リブには若干深目(と言っても浅いですが)の横溝が入っていますが,中央と外側リブの横溝は少なめなので,5部山程度になるとリブの溝はなくなってしまうかも。
サイドウォールデザインはシンプルで,GOODYEARとEAGLE F1のロゴが際立っています。
3/18に届き3/20に装着してから2週間,一般道(街乗り・郊外ドライブ),高速道など約600km走行したインプレを記述します。
空気圧は2名乗車の純正推奨は220/220kpa,フロント用225/40R18がSTDからXL規格になりますが,負荷荷重が同じため純正と同じ220/220kpaに調整しました。
ホイールを新調したため,ホイール重量・幅・インセットが若干異なっており,それがインプレに多少の影響を与えているかもしれません。
約3千㎞走行した純正PSSとキャラクターが似たタイヤですが,全体に渡って差を確認することができました。
■ドライ性能
ステアリング初期応答は,サーキット走行に主眼を置いたスポーツ系タイヤのようにクイックというわけではありませんが,PSSと同様に敏感すぎず好印象です。
コーナリング時のリニアリティは良く,転舵中の切り足しや切り戻しが必要なシーンもなく,トレース性やコントロール性に問題ありません。
ハードなコーナリングでのドライグリップは高く,サーキットでは分かりませんが,街乗りで不満に感じることはありません。
後述の通り,PSSより乗り心地が良いのでケース剛性が低く,PSSがスポーツ寄りでEAGLE F1 ASYMMETRIC 2はコンフォート寄りかと思いましたがそうではないようです。
PSSではフロントのグリップが抜けそうになるようなコーナーリングでも,何事もなくコーナリングしていくことから,PSSよりコーナリング性能は高いと思われます。
おそらく,破綻をきたすようなコーナリングは街中では無理でしょう。
リブの横溝が浅めのためか,縦方向のブロック剛性感は高く,フル加速のトラクションや急減速でブロックがよれるような感触がありません。
急減速時のABS介入に関しては,純正PSSより遅くなったようで,その時の制動姿勢はPSSでは若干左右に振られるような感触がありましたが,安定して制動力を発揮しています。
これはアクティブブレーキングテクノロジーという,制動時にブロックが変形して接地面積が拡大するという効果が表れているのかもしれません。
轍でのハンドル取られが少なく,耐ワンダリング性が高いので,高速巡航だけでなく街乗りでも運転が楽です。
■ウェット性能
共に4本ストレート溝の5リブパターンですが,ラベリング評価が1ランク上なので,ウェットグリップ,耐ハイドロ性共にPSSより上ではないかと楽しみにしていますが,今のところ雨天走行がありません。
これは次回レポートに向けて確かめてみたいと思います。
■静粛性
PSS比で静粛性はアップしており,ロードノイズ・パターンノイズ共に低く,常用速度域の特定速度における特定周波数のノイズ発生などは感じられません。
交換時期にドイツ旅行していた嫁を空港に迎えに行った帰り,「静かになってる」と言ったので,静粛性がアップしたのは確かでしょう。
■乗り心地
PSS比で乗り心地が向上しました。 段差や路面の継ぎ目の乗越えで入ってくる入力(衝撃)が抑えられており,通過後の揺れの収束も早く,PSSよりしなやかさです。
感覚的にですが,衝撃が2〜3割減っているという感じです。
純正PSSでは荒れた路面で特にリアが跳ねる感触がありましたが,それが少なくなっており,路面をしっかりと捉えているという感じです。
ホイール・タイヤセット組で重量が約0.5㎏軽量ですが,その影響というのではなく,EAGLE F1 ASYMMETRIC 2の特性でしょう。
静粛性同様に嫁が乗り心地が良くなったと言ったので,これもアップしたのは確かでしょう。
■転がり抵抗
ZIIからP ZEROに履き替えた時は,転がり出しがかなり軽く感じましたが,今回はそのようなことはありませんでした。
空走や坂道でのブレーキリリース時も大きな差はなく,満タン計測燃費でも数値としては現れていません。
転がり抵抗はラベリングで同クラスであり,差があったとしても軽微だと思われるので,体感できるような差はありませんでした。
個人的な感覚で相対比較すると,
■ドライ性能(グリップ・コントロール性・ブレーキ性能)
EAGLE F1 ASYMMETRIC 2 ★5
PSS ★5
■ウェット性能(グリップ・コントロール性・ブレーキ性能)
EAGLE F1 ASYMMETRIC 2 未評価
PSS ★-
■耐ワンダリング性(直進安定性)
EAGLE F1 ASYMMETRIC 2 ★5
PSS ★5
■静粛性
EAGLE F1 ASYMMETRIC 2 ★5
PSS ★4.5
■乗り心地
EAGLE F1 ASYMMETRIC 2 ★5
PSS ★4.5
■転がり抵抗
EAGLE F1 ASYMMETRIC 2 ★4.5
PSS ★4.5
といった感じです。
今のところ,PSSに比べてネガな部分は感じられません。
ポジティブな印象の方が高く,
・静粛性が向上
・乗り心地が向上
・コーナリング性能は若干向上
・制動時の姿勢が安定
ネガではありませんが,強いて言えば装着している車両が少なく,評価があまりされていないという点が挙げられるでしょう。
一言で表現すると,PSSを全体の底上げしたようなキャラクターです。
更に距離を重ね,特にウェットグリップ性能について確認していきたいと思います。
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