
装着後200kmほど走行したので,初期インプレしてみます。
装着タイヤはFALKEN EUROWINTER HS449,タイヤサイズは前後通しの225/45R17 91Hです。
外径 636mm,幅 221mm,推奨リム幅 7.5インチ,MFS付のオールシーズンタイヤです。
名前が示す通り,欧州向けウィンタータイヤとして2012年に発売され,オールシーズンタイヤとして2015年から国内販売されています。
M+Sとスノーフレークマークが表示されており,冬用タイヤ規制,普通タイヤチェーン規制に対応しています。
路面対応イメージは,
凍結路面: HS449 △,スタッドレス ◎,夏タイヤ ×
圧雪路面: HS449 ○,スタッドレス ◎,夏タイヤ ×
シャーベット路面: HS449 △,スタッドレス ◎,夏タイヤ ×
高速冬タイヤ規制: HS449 可,スタッドレス 可,夏タイヤ チェーン装着
全車チェーン規制: 全てのタイヤでチェーン装着
ドライ路面: HS449 ○,スタッドレス △,夏タイヤ ◎
ウェット路面: HS449 ○,スタッドレス △,夏タイヤ ◎
です。
ホイールは,BMW純正のM ライトアロイホイール スタースポークスタイリング 383M,F2x MSP用のサイズは1775+43/1780+53です。
BMW JapanはM135i装着不可とありますが,BMW Canadaなど海外ではMx35iに適合となっていたので,中古を入手しました。キャリパーとの隙間が5mmほどしかないので,砂利道など悪路走行が多い場合や豪雪地でホイール内側に雪が凍りつくようであれば,使用は控えた方が良いでしょう。
■タイヤタイプ・仕様
日本では,GOODYEAR Vector 4Seasons Hybrid,PIRELLI SCORPION VERDE ALL SEASONと同じオールシーズンタイヤに分類されていますが,FALKENにはEUROALL SEASON AS200というオールシーズンタイヤがあり,HS449は海外ではウィンタータイヤです。
最近,EUROWINTER HS01というのが海外で発売されていますが,日本では未発売です。
性能イメージは,
北米サイトによると,HS449 EPZII FK453
ドライハンドリング 4.5 3.5 4.5
ウェット性能 4.5 3.5 4.5
トレッドライフ 2.5 3.0 3.0
乗り心地 3.5 4.0 3.8
静粛性 3.0 3.5 4.0
雪上性能 4.0 5.0 --
氷上性能 3.5 5.0 --
日本サイトによると,HS449 EPZF FK453
アイスグリップ -- ★★★★★ --
スノーグリップ ★★★★ ★★★★★ --
ウェットグリップ ★★★★ ★★★ ★★★★★
ハイドロプレーニング★★★★ -- ★★★★★
ドライグリップ ★★★ ★★ ★★★★
静粛性 -- -- ★★★★
乗り心地 ★★★★ ★★★★ ★★★★
ライフ ★★★★ ★★★ ★★★★
となっています。
北米サイトでライフがEPZIIより短くなっていますが,スタッドレスは氷上性能を重視した日本市場向けの特殊なタイヤなので,融雪のために岩塩を大量に撒く海外では,日本のようなスタッドレスコンパウンドは一般的ではありません。
北米のEPZIIは日本で言うところのスタッドレスではなくウィンタータイヤなので,EPZIIとの比較は参考程度です。
これら性能比較から言えることは,サマータイヤ並のドライ・ウェット性能があり,雪上性能もあるタイヤと言えますが,氷上性能は期待しない方が良いでしょう。
氷上でも走れなくはないという程度です。
欧州ラベリングではF/C/72dbですが,どうでも良いのでJATMAラベリングは省略。
海外向けということもあるでしょうが,製造はタイ製です。
■タイヤ外観
トレッドパターンは,排水性とウェット性能をアップさせるため,センター部に太い主溝を2本配し,雪噛みと排雪性を考えた,V字の太いラグ溝を配した方向性パターンを採用しています。
波形状のサイプは深さ方向も波形状とした,スタッドレスで一般的な形状で,オールシーズンタイヤがサマータイヤと同形状のサイプを使っていることが多いのとは異なります。
ブロックを指で動かした感じは,スタッドレスのようにフニャフニャではなく,サマータイヤ並みです。
■ドライ性能
サマータイヤと同じとは言えませんが,スタッドレスのように腰砕け感や応答性の遅れは少なく,普通に運転する分では冬タイヤを履いてる感じはありません。
急制動でABSが入るのが早くなりますが,不安感なくブレーキを踏むことができます。
コーナリングはサマータイヤに比べると限界が低いので無理は禁物ですが,ファミリーカーに比べれば十分な旋回速度で進入できます。
■ウェット性能
雨天時の走行は問題ありません。
スタッドレスの様にズルズル滑ることなく,普通に走れますが,無理は禁物です。
■静粛性
サーというロードノイズはありますが,特にうるさいという感じではありません。
■乗り心地
19インチから2インチダウンの17インチなので,同一サイズの比較ではありませんが,荒れた路面でも跳ねることなく,段差や路面の継ぎ目の乗越え時の入力は柔らかく,乗り心地は向上しました。
タイヤがというより,インチダウンのせいでしょう。
氷上性能がスタッドレスに劣るので,アイスバーンに遭遇する機会の多い豪雪地や降雪地では使用を考えない方が良いでしょう。
準降雪地やたまに降る程度であれば,通常時の安全性が高いので選択肢としてはありかもしれません。
ちなみに地域によってタイヤ呼称と性能が異なるので注意が必要です。
欧米ではドライ性能を重視し,日本のスタッドレスタイヤでは対応できないため,ウィンタータイヤはパターンがスタッドレス風でもコンパウンドは硬めです。
北米は除雪と融雪剤散布が行き届いているので,オールシーズンタイヤと言ってもサマータイヤにサイプがちょっと多い程度でサマー寄り,欧州では北米ほど除雪がされないので,オールシーズンタイヤにはスノー性能が要求されるのでウィンター寄りです。
日本のオールシーズンは定義が明確でないためか,サマー寄りとウィンター寄りがあるようですが,スタッドレスがウィンターに大きく片寄ったので,今後商品が増えるかもしれません。
イメージはこんな感じでしょう。
雪上性能を並べると,日本スタッドレス>欧州スノー> or =北米スノー>欧州・日本オールシーズン>>北米オールシーズン>>サマー
氷上性能は,スタッド>日本スタッドレス>欧州スノー> or =北米スノー>欧州・日本オールシーズン>>北米オールシーズン>>サマー
って感じになると思います。
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