2012年04月28日
プラッツ 1SZ-FE
連休初日,グリマーさんが『プラッツのファミリーカー性能を試したい』とお出かけに誘ってくれたので,昼からドライブに行って来ました.
やってきたプラッツは1SZ-FEの1000cc,金色メタリックのAT車で,外装はボコボコ,アクセルワイヤーも若干伸び気味なので,出発前に遊びが無くなるよう調整しました.
乗車条件は,大人3人と乳児+チャイルドシートという,理想的なファミリーカー状態.1000ccネット70PSで,どれだけいけるかに胸を躍らせながら,安城市北部を出発し,高速道路のインターを目指しました.タバコ臭いのは残念ですが,アップライトな乗車姿勢と広い室内のおかげで,狭いと感じることはありません.後席の嫁さん&息子はサニカリさんやラシーンより広くて快適だったようです.
気になる動力性能は,アクセル半開程度で走れば,エアコンをONにしていても平地加速は問題ありません.問題は上りで,少しでも勾配がつくと,途端に元気がなくなって失速し始め,アクセルをさらに開けると回転が上がって,速度維持〜緩やかな加速ができるようになります.この時,エンジン回転が跳ね上がりますが,1SZ-FEのサウンドが結構心地よく,耳障りではないので,やんちゃな乗り方が好きな方には1NZの1500より,楽しいかもしれません.1000ccの1SZでも動力性能は使いきってやれば必要十分でした.
この必要十分な出力をうまく使える理由は,組み合わされる4ATがうまくロックアップを使用したり,適切なタイミングでシフトしてくれたりするおかげです.このATは,120系カローラと同様の,フル電子制御と言われるタイプで,従来の油圧制御ATに比べ,シフトアップのタイミングが,よりエンジン出力にあわせてうまくコントロールされていることと,トヨタ(というかアイシンAW)お得意のフレックスロックアップが,効果的にエンジン回転だけが上がってしまうトルコンのスリップを押さえてくれているおかげと思われます.
もうひとつ重要な要素として,ワイヤ引きのスロットルのおかげで,近頃のトヨタ車に多い電子制御スロットルによる不自然な非線形制御&応答遅れがなく,アクセルコントロールで速度調整が実に自由にできることです.
さすがに100km/hからの追い越し加速をかけようとすれば,そこまで踏んでもかなりの距離が必要となりますが,日本の高速道路は上限100km/hですからそんな性能は不要でしょう.辛いのは上り坂ですが,ここでも100km/hをキープする性能はあります.さすがに3%を超える勾配で80km/hから加速するには,ATのキックダウンに頼らないとなりませんが,平地で生活する分には,十分な性能ですね.
同じ非力な車では,軽自動車がライバルになりますが,普通車の特に幅方向の広さと,静音性は優っていると思います.
ということで,乗っている限りは不満のない車がプラッツ1000ccのAT車でしたが,車を降りると急に残念になってしまうのが,この車の不思議なところで,眺めていると乗った時の満足感がどんどん萎えてしまいます.無理やりつけた短いトランクと,リヤ席の快適性のために立ち気味になったCピラーまわりのデザインが,残念さを引き立てている感じです.やはりヴィッツから理詰めでデザインしたセダンというのは,セダンにとって大切な『外観』という性能が損なわれてしまっています.
ただ,コレに懲りてホイールベースを伸ばしてかっこ良くなった後継車のベルタは,ベースがVAで残念になってしまったのに加え,後席の快適さも失ってしまいました.
プラッツの良さがわかるのは,悟りの境地に達したもみじマーク級にならないと,わからないのかもしれません.そう,プラッツの室内高ならば,全員が帽子をかぶったまま乗れるんです.
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試乗 | クルマ
Posted at
2012/04/28 23:14:29
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