
我が家のテレビは,今流行りの薄型テレビではなく,正真正銘の
厚型テレビ
シャープ 25C-ES70です.96年製のシールが貼ってあり,16年目に突入しています.厚型だけでなく,球面仕上げです.トリニトロン管の円筒面にすら及ばぬ,当時でも堂々の安テレビですね.14インチのカドが丸い奴に比べればマシといったレベル.確か,シャープの総合カタログでも下から2番めに載っていたと記憶しています.
とはいえ,可もなく不可もなく,機嫌よくチラツキのある画像を描いてくれていました…が,先々週の木曜日,突然電源が切れて『オンタイマー』のランプがチカチカ.これはクルマで言うところのエンジンチェックランプ点灯状態.即ち,ECU=制御基板がエラーを検出して止まってしまったという事です.
フツーならここでウチも薄型テレビに…となるのかもしれませんが,骨までしゃぶり尽くすのが家訓の当家では,ネジの1本も外さないで出ていく機械はありません.だいたい,ブラウン管のテレビなんて,これまで10台近くバラしてきて,
3度ほど感電した
こともあるので,修理のコツはおよそ心得ているつもり.こういうのは8割方,基板に積もったホコリで基板上の導通してはいけないところが電気的につながった状態で,エラー検出していることが多いです.残り1割が基板のはんだのクラックですが,これはソニーと松下に多いパターン.そして最後の1割が,本当に原因不明なやつです.いや,マジメに解析すれば,どこのICがいかれてるかとかまで追えるんですけど,そこまでするつもりもないというか,結局部品交換するなら,
丸ごと程度のイイ中古にしてしまえ
となるわけでして.

で,今回の異常も,本体の背面を開くとブラウン管の下に入っているメイン基板が見えないほどのホコリの絨毯…
コンプレッサフル稼働でエアを吹きまくり,基板上の部品が全部見えるまで掃除して,電源ONしてみると
さて,コレだけでは芸がないのと,画面がレベル低いのはともかくとして,音があまりにもカサカサなのが納得いかなかった&なんで画面の下にスピーカがあるんやというところを改善するべく,外付けスピーカー化を実施しました.

↑ナメた純正スピーカー.直径8cm.裏側は筐体内にフル開放.
定格2Wというから,普段の音量でほぼフルドライブに近い状態のはず.
でも部品はきっちりシャープ内製.ブラウン管も同様↓
手っ取り早くやるなら,ヘッドホン端子からパソコン用とかのアンプ付きスピーカーとかにするのが楽なんですが,当然そんなつもりはなく,テレビのスピーカーにいく線を外部に引き出して,外付けスピーカーをつけることにしました.
この方法にした理由は,チューナのリモコン(テレビの電源と音量だけ操作可能)だけで操作したいという,使用条件上の制約によります.
そうなると,テレビ本体のアンプまではそのまま利用する必要があり,スピーカーのインピーダンスを一応合わせておくためにも,安物のミニコンポのスピーカーはちょっと使いにくくなります.また,音質的にも,繊細な音やフラットな再生は期待できるわけもなく,
お下品ドンシャリ
しかできないと思われます.お下品ドンシャリであっても,アンプが出してくれている音をきっちりと再生出来るだけのユニットと箱があるスピーカーに変えてやれば,多少はマシになるだろうという魂胆です.
で,インピーダンス8Ωで防磁仕様のスピーカを探して,ハードオフ行脚をしてきましたが,結局一番近所のハードオフにあった,ペア3150円のパイオニアS-ST05にしました.

こいつは2WAYのコンパクトブックシェルフ型ですが,箱が結構高密度な樹脂でできており,
101風のパチモンシリーズ
の一つとして見れると思います.まぁ101も,そんな大したスピーカーではありませんが,定位とメリハリある音に焦点を絞って,ワイドレンジ再生はなんですかそれ?状態という潔さがあるのですよね.それに対して,今回買ったスピーカーは,2WAYになってしまって定位を捨てて,レンジを広げたという物のようです.少なくとも,箱はしっかりとしており,片方で約3kgもあるので,元のラジカセスピーカーよりは良さそうです.

パイオニア S-ST05 ロゴが懐かしの音叉Ω
スピーカーの増設は,本体の横面にL字金具を2個取り付け,耳のように取り付けました.配線は,一応,テレビ本体から出てくる部分にはフォンのメスコネクタを取り付け,スピーカーはフォンプラグ経由でつないであります.
それが完成した姿が冒頭の写真.
実際に,再生してみると,今までに比べると,随分と音に広がりと奥行きが出ました.相変わらず,低音がブーストしすぎな感じがありますが,ウーファーの能率が悪い,古いタイプのスピーカーを持ってくれば,きっとこのテレビ内蔵アンプではよう鳴らせないでしょうから,仕方ないかと思います.
『渡辺篤史の建もの探訪』では砂利の上を歩いたり,扉を開ける音が,リアルになりました.これは,今まで聞こえていなかった音がちゃんと出るようになったおかげと思います.
音楽番組は録画してあった『SONGS aiko』を見ましたが,ライブのシーンはボーカル以外の音とのバランスが良くなりました.あと,音量をあげても疲れない.これもバランスが良くなった結果ですね.他には,豊南市場のシーンや阪急電車の車庫のシーンでの,周囲の音…周りの人の話し声や電車の走行音がかなりリアルになりました.やはり,画面のしたにある状態に比べれば音像画面中央に近づき,定位が良くなったことと,今まで聞こえていなかった音が出るようになった結果だと思います.
これで,このテレビもあとどれぐらい頑張ってくれるんでしょうかね?とりあえず,不満点は解消できました.
え,画質?いや〜正直映像なんてなんとなく映っていればいいほうで,トーク番組とかは画面なくてもいいぐらいなので,高画質とか興味無いですし.だいたい高画質を活かせる番組が無いですからね…
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Posted at
2012/07/22 02:01:19