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イイね!
2014年05月03日

ダイハツ YRV

前回の予告から随分経ってしまいましたが,今回こそ真面目にYRVの試乗レポートです.ただし,全然写真はありませんので,適宜参考になる部分はリンクを貼っておきます.

【デザイン】
ダイハツの白ナンバーハイト系としては2世代目のYRV.初代はシャレードをベースにしていたパイザー.初代デミオと共にハイト系コンパクトカーのハシリですね.これらのヒットにより,他メーカーからも同様の車種がいっぱい出てきました.(初代キューブとかミラージュディンゴとか)このYRVもベースは普通のコンパクトカーとしてシャレードの後を継いだストーリアが一応ベースになっています.ミラをベースにムーヴ作ったのと一緒ですね.この場合,コスト重視で行くと,どうしてもベース車両との共通部品がアチラコチラに出てきてしまい,デザインにも破綻をきたすことが多いんですが,YRVは随分とデザイナーの描いたスケッチを忠実に作ったなと思わせるエクステリア・インテリアを持っています.というか,金かけすぎじゃないの?というぐらいの専用設計.
エクステリアはダブルウェッジスタイルと名付けられたフロントウインドウ・リヤウインドウとも下端が前下り・後ろ上がりになっていて,平行にデザインされています.このプレスラインは側面全体にわたって入っていて,更にドアパネルにはプレスラインが入っていて腰高感を抑え,前後のバンパーとの線の繋がりをイメージしています.巧みなのはフェンダーのアーチ形状で,力強さが出るように,フロント・リヤともブリスターフェンダー風にプレスされていますが,このアーチ部分が給油口にもかかってしまっていますが,ここも省略せずにきちんとアーチをつないでいます.
全面および後面は,中央に明確な折り目の入ったとんがり顔…ちょっと前のマツダのデザインを先取りしていた感じで,2代目デミオの顔や2代目のアクセラスポーツのテールが雰囲気パクっている感じ.なお,ターボ車なので,ボンネットに大きなエアスクープがついていてカッコイイです.タウンエース・ライトエースノアのディーゼルもそうですが,ダイハツがターボ車の顔をデザインすると,エアスクープがいかつくてステキですね.いかにも冷えますという感じ.
総じて,前から後ろまでくさび形をイメージしており,なるほど,コーンウェッジシェイプを名乗っていたZ32をたっぷり分厚くするとこんな感じかも…??背が高いクルマですが,同じトヨタ系のハイトワゴンになるファンカーゴとは明確に違うデザインになっていますので,住み分けはできていたんでしょうね.ダイハツエンブレムもトヨタへの供給時を見越して楕円内に収められていますが,現行タイプと違い,きちんとDの縦線部分に,細い線がモールドされています.結局トヨタへは供給されなかったわけですが,その分ダイハツ専用車として,兄弟のストーリアがデュエットととして稼いだ分を原資にしてやりたい放題やってる感じ…ダイハツが自社専用車にかける思いがにじみ出ていますw

インテリアは,これも外観に負けず劣らずカッコイイ専用設計の塊.ダイハツのメーターパネルといえば,軽も普通車も共通の枠にして,中のユニットだけ交換できるとかいう,あとで交換するユーザーを喜ばせるための仕掛けがしてあることが多いんですが,YRVはそんなのは無視.買った瞬間から特別設計をアピールするインパネは独立式っぽく見えるメーターと,連続性をもたせた吹出口.ここにメーターを埋め込めば,丸型7連(風)メーターも夢ではありません.凝っているのは樹脂の表面で,普通は皮シボみたいな成形が多い中,ゴルフボールのようなディンプル模様となっていて,プラスチッキーなのに安っぽくない,独特の雰囲気を作っています.初代ヴィッツのエレベーターの内張風シボもなかなか良いのですが,こういうプラスチックをプラスチックたらしめつつ,質感を高めるデザインってすごく難しいと思うので,ダイハツ上手いなぁと思わせるところです.インパネの下半分は皮シボですが,この辺の質感は,いつものダイハツ硬質プラスチック…妙に滑りやすい手触りは独特ですね.
シフトレバーはこの頃流行のコラム付近シフトですが,旧来の逆手で握るタイプではなく,フロアシフト同様に順手で操作するタイプです.確かキャブオーバー最終世代のライトエース・タウンエーストラックのATもそんなシフトレバーだったと思いますが,ハンドルから操作しに行く際に手首を返さなくていいので,操作性が良いです.ただし,ストロークはフロアシフトと同じぐらいで大きめなので,半分ぐらいのショートストロークだとスムーズかもしれません.

Ftドアトリムは,肘置きがそのままBピラーまで連続しているのが特徴的.ベンチシートを一番後ろまで下げて,半分ほどまでリクライニングして,パノラマガラスルーフで星空を見上げつつ,助手席の女性を口説く…なんてシュチュエーションでは,このBピラーの凹凸が邪魔になることも無いので,雰囲気も盛り上がること間違いなし!なるほど,YRVのY=ヤングにモテモテの部分はそういう部分なんですね.

リヤシートを使えば,もちろんダブルデートにも対応できます.前席のカップルも,後席のカップルも,同じ距離感で座っていられるのがこの車の上手いところですね.後ろの二人がが距離近くてイチャイチャしだしても,前の二人もベンチシートなので距離は同じ…ただし安全運転でお願いします.
そんな後席は,座面を取り外して背もたれをたためば,フルフラットで1m以上も高さがある荷室にも変身できます.座面を外すのは面倒ですが,座面自体は軽量ですのでそんなに邪魔にもならないでしょうし.ハイトワゴンとしての実用性を確保している部分になります.なお,リヤシートはフロントよりも座面が高めにしてあるので,視界が広くなるような工夫がされています.

【メカニズム】
今回の試乗車は最上級のターボグレード.ミラターボ・シャレードターボでダイハツのターボ車が大概速くて暴力的な加速をすることは体験済ですが,YRVもその例に漏れず速い速いwこのエンジンはトヨタと共同開発された2SZ系とかなり近い設計をされていて,クランクは共通部品らしいですが,K3-VETではDVVT(油圧式VCT)とターボの組み合わせで,1.3Lで140PSもあります.馬力だけならスタタボの4E-FTEの上を行きます.
このエンジンはパワーがありすぎるために,この頃ダイハツで生産しているMTでは対応しきれず(既に軽自動車系の低容量なMTしかなかった…),ターボ車はATのみの設定になっています.

そんなATはシフトレバーは前述のコラムシフトタイプの電子制御式4AT(ECU指示でシフトするタイプで油圧で自動変速する機能は持っていないタイプ,半電子制御タイプは旧来の油圧制御式ATにO/D制御とかロックアップ制御だけECUを介入させるタイプでうちのラシーンのが代表例).レンジはP-R-N-D4-D3-2という構成.さらに試乗車ではステアリングシフトが搭載されていて,これは,インパネ右側のダイハツ汎用スイッチ部分にステアシフトのスイッチがあるので,D4の時にこのスイッチを押すとONになります(マニュアルモードを設定できるのもフル電子制御タイプの特徴ですね…油圧制御がメインになると,勝手に変速しちゃいますので).このステアシフトはレブリミットに達しても勝手にギヤを上げてしまわない,マツダのHOLDモードに近い動作をしますので,山道なんかでは乗りやすいでしょうね.

パワステは往年の油圧式.この時代のパワステは,まだ電動式との共通部品も殆ど無くて,最もしっとりとしたハンドリングが味わえます.

車重は約1t手前とこのクラスにしては軽くは無いですが,まぁ,140PSの前には十分すぎる軽量ボディと言っていいでしょう.

足回りはストーリアと共通の形式ですが,当然車重や車高が高いことを考慮して,かなり固めに設定されていて,かなりはねる感じがあるものの,ハンドルを切った分だけロールが乗ってくるので,最初にグラっとロールが来る日産車と比べれば怖さは少ない感じです.車高に対応するためか,リヤのキャンバーが結構ついて見えるのが迫力あるところです.

【試乗してみて】
試乗条件はオッサン✕4という,設計者が多分意図していない乗車条件.本当は半分は体重の軽いイカしたチャンネーを考えているでしょうから,若干オーバーウェイトな感じ(外からの見た目の暑苦しさは想定の範囲外).それでも自慢の140PSのエンジンは,そのパワーだけでなく低速のトルクもソコソコあり,近頃流行りのドイチェランド製ダウンサイジングターボ車と変わらない出足を見せてくれます.違いを感じさせるのはトルコン式ATなので,ロックアップクラッチがつながるまではヒュオーンと回転が上がり気味になりますが,これは試乗車のロックアップクラッチが具合悪く,どうやら滑りが発生しているせいもあるようです.変速&低速ではトルコンで走り,中速以上orステアシフトONにするとロックアップクラッチをつなぐ制御のようなので,ロックアップさえきちんと効けば,滑り感はもっと少ないと思われます.とにかく動力性能には全くの不足がないのと,噂の割にはどっかんターボではなく,中低速もしっかりしています.もちろん,ステアシフトで高回転を維持してやれば,ターボがガンガン効くので140PSの本領発揮ですが,ロックアップクラッチがやばそうなのでちょっとだけで自粛…
足回りもオッサンが4人乗っている割にはしっかりしていて,京都府南部の田舎道では安定性は十分ですが,路面の荒れはよく拾い,結構ゴトゴトしていました.まぁ,こんな路面でスムーズに走るには,80タイヤに空気圧1.8kgfみたいなフニャフニャセッティングにするか,巨大なブッシュで振動を遮断する近頃のクルマみたいな設定にしないと無理でしょうね.その点,結構割り切りが感じられる足回りです.10万km近く走っているのに,あまり抜けを感じないのは優秀ですね.

運転していて感じるのは,背が高いユーティリティに優れたクルマでも,楽しく走れる設計を狙ったというところ.決して速くではなく,中低速のトルクもソコソコ出して日常使いに不便を感じさせず,時折ドカンと加速したり,ちょっと山道を走るときにはステアシフトで高回転を維持して雰囲気を味わったりという,あくまで日常に重きを置いて,そこに走りの楽しさを味わう要素を付け加えたという感じです.
そりゃ,本格的に走りこむなら,ユーティリティ性なんか無視してでもロドスタとか乗りますからね…プロのスポーツマンじゃないんです,あくまでも普通のサラリーマンですが,週末とかはスポーツ楽しんでるんです.だから普段の通勤でもちょっとジョギングしてみたり,チャリ通勤しています…ぐらいのスポーツ感覚といえばいいでしょうか?

そういう使い方,キャラクターがちょうど当てはまる人にはバッチリと思えるクルマですが,逆に言えば万人向けでない車であることも確か.デザインも現代で見れば普通ですが,当時はまだまだ背が高すぎる感じもありましたし,実際,高さはもう100mmぐらい低くても問題ないというか,荷室を高さめいいっぱい使わない限りは,ちょっとオーバーハイトです.その点,デミオの方がパワーはないけど圧倒的に一般向けですね.なので,NAになってくると一気にYRVの存在が危うくなってしまい,1.3ならデミオの1.5の方が税金一緒で車両価格は初代ならよっぽど安価ですから,そっちに流れてしまうでしょうね….1Lはデミオにはありませんが,そのへんになると軽との競合ゾーンになってくるし…と販売的にはターボ以外はなかなか難しかったと思われます.

とはいえ,総合的に見ていい車.ダイハツ車なので専門家に任せますが,これは今お持ちのどんなクルマよりも,ファミリーカーとして適していると思いますがイカがでしょうか?背が高い車だと,おむつ交換楽なんですよね〜

試乗させていただいたMaro@ジェミニ乗りさん,ありがとうございました.
ブログ一覧 | 試乗 | クルマ
Posted at 2014/05/25 00:43:46

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この記事へのコメント

2014年5月25日 12:18
こんにちは。

対応可能なミッションが有ればもっと楽しいクルマになっていたのでしょうね。ストーリア、ブーンX4はミラX4のミッションベースなので競技ユースでは毎年オフシーズンにOHしている個体が多かったです。
コメントへの返答
2014年5月25日 13:07
こんにちは.
エンジンがエンジンだけに,MTで乗れればっていう要求はそれなりにあったと思われますが,ダイハツで新規にMT開発することもできないでしょうしねぇ.
ブーンX4も同じ140PSですが,使い方が使い方なので,OHしてくれる前提でしょうから,YRVにそれはさせれない…ってことだったんでしょうかねぇ〜
2014年5月25日 21:58
YRV、愛知や栃木ではほとんど
走っているのを見たことはありませんでしたね・・・

YRVのメーターが気になって、ちょっと検索したら
コペンに流用してる方が結構居るようで。
(140⇒180km/hスケールになるので)

YRVのメーターデザインが、ほぼそのまま
コペンで再利用されたようで面白いです。(^^
コメントへの返答
2014年5月26日 22:17
コペンと共通の枠なんですね~確かに、ハイゼットにテリオスのメーターで180km/h化出来ますしね~ダイハツは結構共通設計で使い回してくれることが多かったんですが、最近はそうでもないようですね。
2014年5月25日 23:10
エンジンの基本設計一緒なんやからトヨタのc54ミッションあたり使えそうなもんやけど
コメントへの返答
2014年5月26日 23:52
わざわざトヨタに金払ってまで設定するほどターボ+MTの需要がなかったのか,それとも良からぬ力が働いたのか…とはいえ,この時にはシャレードvsスタタボの時みたいに遠慮するようなバッティングする車種はなかったはずなんやけど…
2014年5月30日 15:58
YRV四駆ターボMTの設定があれば、間違いなく買った車でした。ダイハツはシャレードのGT-XXに乗りましたが、あれも楽しかったなぁ
コメントへの返答
2014年5月30日 23:57
なまじパワーを出し過ぎただけにMTが設定できなくなってしまったのが悔やまれますね…実際,140PSなんかより,ターボのトルクを,実用的なボディに組み合わせてくれたら,120PSぐらいでも問題なかったとも思えるのですけどね…それでもNAなら1600cc〜1800ccクラスですから十分すぎる動力性能でしょうし.
シャレードのGT-XXも共通していますが,ダイハツの普通車ターボって,今の欧州のダウンサイジングターボのコンセプトそのままなので,登場が早すぎ,消えていったのも速すぎたのが悔やまれます.

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