
北海道フリープランでレンタカー、オリックスレンタカーでキャンペーン中のEBクラス。なんとまだ1300kmも走っていない新車。
新千歳空港起点に、4泊5日、ウポポイ、支笏湖、浦河町、大樹町、十勝川温泉、音更町、然別湖、釧路、中標津町、平取町を回りました。有料道路は初日のウポポイまでのルートのみ。あとは無料区間と一般道だけ。トータルでほぼ1,000kmは走ったように思います。
さて、はじめてのハイブリッド、YouTubeなどでは超人気ぶりがうかがえるヤリスクロスのハイブリッド。手短に印象を書き残しておきましょう。
(自分の勝手な印象を忖度なしに語ります。オーナーさんはがっかりするかも)
まずは、いいなぁと思ったところ。
出足。
停止状態から、エンジン走行に切り替わるまでの、いわゆるモーター走行の部分。トヨタはロケットスタート、という先入観がありましたが、そんなことはなく、実にスムーズに発進、意のままに加速してくれました。
サイズ感、小回り
我がCX5はやはり、ちょっと大きめで、狭い道、駐車場などで気を使ってしまいます。その点、ヤリスクロスの大きさはとても扱いやすいですね。小回りも(CX5と比べて)効くので、駐車場などではとても楽でした。ちょっとうらやましい感じがしました。
燃費
ダッシュボードの表示の切り替えが最後までよくわからず、通算の、つまり前の利用者の分も含めた燃費は、返却時点で
27.7km/Lになりました。ある区間の出発から到着までの燃費は1回だけ確認できましたが、29km/Lに達していました。流石に羨ましい限りの燃費ですね。あまり燃費記録を狙わず、むしろ一気に加速する運転をしていたのですが。ちなみにガソリン満タン時の走行可能距離は880kmでした。(CX5だと、1,000km超えることも珍しくありませんが。)今回は、有料道路もほとんど使わず、ガソリン代もかなり安く済みました。
Bレンジ
Bレンジに入れると、アクセルオフ時に回生ブレーキがより強く働き、エンジンブレーキがより効果的に効くようになるとのこと。道内で最も標高が高いといわれる然別湖からの下り坂でBレンジを使ってみました。なるほど、これは楽!大抵の下り坂カーブで、アクセルワークだけで減速・加速ができました。CX5だと、ブレーキ操作にシフトダウン・アップ操作を頻繁に行う必要があります。それはそれで自分で積極的に操作している感覚があって楽しいのですが。でも、自分の車にもBレンジがあれば、楽するほうを選択するだろうなと思いました。
次に、逆に良くないと思ったところ。
車両接近通報装置の音
ハイブリッド車や電気自動車が低速で走行する際、エンジン音の代わりに、モーターの回転音や擬似的なインバーター音などをスピーカーから出力する装置で、搭載が義務化されているのだとか。20km/h以下になると、なんとも表現しづらい「不快な音」が聞こえてきます。事前にYouTubeのユーザーレポートなどで、この音が車内にも入ってくるということを読んでいたのですが、いやぁ、これにははっきり言って耐えられませんね(同乗した妻も不快がっていました)。この不快な音があるという一点だけで、所有する車の候補にはならないでしょう。この音、自分的には、火葬場での棺搬送電動車の音に聞こえてしまいます。いったい誰がどういう意図でこんな音を採用したのでしょう。
そもそも、実際に車が動き出してから音が出始めるようですが、本当なら、動き出すちょっと前から音を出さなければ意味がないように思います。法律で義務化されているからといって、安易に取ってつけたような印象を受けました。
私は、この不快音のなる時間を極力短くするために、発進時は一気に20km/hを超えるように加速し、停止するときも多少のカックンブレーキは我慢して早めに完全停止するようにしたりしました。もっともこれが北海道だったから良かったのかも。普通の市街地なんかでは、考えただけでも運転する意欲が削がれてしまいます。ところで、スーパーの駐車場などで、かなりのスピードで突っ込んでくるハイブリッド車を見かけますが、もしかしてドライバーさんはこの音を嫌って20km/h以上をキープする癖がついているのでしょうかね?まさかとは思いますが。万が一そうだったら、本来の目的とは逆にとても危ない装置ということになります。メーカーはどの程度把握しているのでしょう?
ブレーキ
これも事前に情報を仕入れていたので、特段びっくりすることはなかったのですが、とにかく扱いづらいブレーキでした。軽く踏んでよく効くのはいいのですが、回生ブレーキとの兼ね合いなのでしょうか、効き具合にムラがあり、前回はうまく行っても今回はカックンになってしまうなど、停止する瞬間の挙動が安定せず、気になるとかなりのストレスを感じてしまいました。
ユーザー・インタフェース全般
価格の割に、いろいろな機能がついているのはいいですが、操作性にあまり費用をかけていない感じを受けました。ユーザーの立場、使い勝手を考えたら、こんな設計はしないだろうな、というところが多々ありました。
代表的なのは前照灯のスイッチ。(写真を取るのを忘れましたが)レバーを回転させたとき、回転する方に矢印(線)が印刷されていますが、手前に回していくと、その線が陰にのほうに回り込んでしまい、ハンドルの隙間から覗き込まないと、どこを指しているのか、とてもわかりにくいのです。運転中に、覗き込む動作をさせるというのは安全上からしても、車内設計基準を通過しないはずだと思うのですが、どうしてこういうものが採用されてしまうのでしょうか。
細かいところでは、ドアロックやフィードバック音の反応時間。CX5と比較して、ですが、ほんのわずか(0.1~0.2秒)遅い気がします。
ホールドスイッチ関連。走行開始するたびにONに設定する必要があります。ONになっているかどうかは、スイッチのところには表示されず、ダッシュボードの中に表示されます。そのため、ホールドモードがONであることを示す情報と、実際にホールド状態になっていることを示す情報が表示されることになり、情報提示がやや煩雑になっています。CX5だと、スイッチにLEDインジケーターがあるので、スイッチを操作するときに自然にONがOFFかが把握できます。ダッシュボードには、単純にHOLDランプがONがOFFするだけで、簡潔に情報伝達がなされています。
ハンドルヒータースイッチが、ハンドルの下。そこには他にもデフロスターか何かのスイッチもありました。空調、ヒーター関連の操作系は一箇所にまとめて配置するものだと思うのですが。
そういえば、給油口カバーを開くレバーがフロアにあったり。以下のコマンダーノブの機能もそうですが、スイッチ類、インジケーター類の配置やグルーピングがちょっと違和感を感じるものがありました。
センターディスプレイの操作
CX5だと、ディスプレイはタッチを感知しないので、コマンダーノブを操作することになります。ところがヤリスクロスでは、コマンダーノブのようなツマミがセンターコンソールにあったのですが、どうもそれは走りのモードを切り替えるためのもののようです。どうやらディスプレイをタッチして操作するみたいです。これは運転中は非常に危ないですね。
走りのモードを切り替えるつまみやスイッチ類が、いわゆる特等席に並んでいるのですが、ヤリスクロスのユーザーさんたちは、そんなに頻繁に運転モードを切り替えるのでしょうか?
これも、ユーザーの使い勝手を本当に検討した結果のデザインではないなと感じました。
ドアを閉めるときの鉄板音
今回のレンタカー、新車でブラックルーフのツートンカラー。ホイールもなかなかかっこいい見栄えの車でした。ところが、後部ドアを閉めたとき、その音にがっかり。いかにもというような鉄板の音が響きました。もしかするとグレードにもよるのかもしれませんが、せっかく見た目と装備で結構ポイント稼いでいるのに、もうちょっとなんとかすればいいのに、と思いました。
クルーズコントロール
これはかなり微妙。高速で、前を走っている若干遅い車を追尾していて、前の車が走行車線に戻ったり、インターを出たりすると、すぐに反応して元の速度に戻るのですが、それが災いしているのか、走行状況によっては、ごく僅かな減速・加速が交互に繰り返す感じが出ることがありました。これが続くと同乗者は酔ってしまうかもしれません。
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全般的に
毎日平均200kmくらい、結構乗り回しましたが、腰痛(*)にもならず、それほど疲労感も感じず、快適に運転することができました。レンタカーとしてこの手の車が手頃な価格で利用できるというのはとてもありがたいことだと思いました。燃費もいいし!通常走る分には(交差点、駐車場を除いて)十分いい車だと思いました。
(*)YouTubeのハンターチャンネルの評価では、すぐにでも腰痛を引き起こすようなシートだということだったのですが、まったく大丈夫でした。私とアンデルさんとで、腰痛の質が違うのかな?
まとめ
出発地の空港に着き、自分のCX5に乗り、自宅へと走り始めた瞬間、あれ?!
これはもう走りの次元というものが違うのだと実感。比較しちゃ(ヤリスクロスが)可哀想だな。しかし次の瞬間、「ブレーキが効かない!」とびっくり。
そうでした。ヤリスクロス(トヨタ車全般)のブレーキは、ちょっとのペダル操作でもぐいっと効くのでした。その癖がついていたのですね。
ということで、ますますCX5の運転が楽しくなりそうです。
おしまい。