G54Bの予備ヘッドオーバーホール(その1)
| 目的 |
修理・故障・メンテナンス |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
  中級 |
| 作業時間 |
6時間以内 |
1
友達の左ハンドル車を整備していた際に3番シリンダーのプラグを折ってしまい、ヘッドを乗せ替える可能性があったので、予備部品のシリンダーヘッドをオーバーホールする事にしました。
何年か前にアメリカから取り寄せておいたG54Bターボのもので、基本的には国内VRと同じHLA/スリッパー式ロッカーアーム/ジェットバルブ仕様のもの。ジープやデボネア、パジェロのG54Bエンジンも原則としてカムシャフトのプロフィールが違う以外は、ヘッド自体は同じものが使われていました。燃焼室容量は64ccで、ピストンヘッドだけで圧縮比を調整していたようです。北米ではM4とかM5とか呼ばれている世代のものだそうで、オーストラリアではこれ以降M6からM9まで独自の進化を続けていきます。
まずは裏返してガスケット面を確認。特別大きな傷は入っていませんので、このまま作業開始。
170216追記:
https://ariaspistons.com/products/mitsubishi-2-6l-g54b-starion-conquest
「ヘッド側燃焼室=64cc」は、AriasPistonsの8.75:1鍛造ピストンのデータシートが根拠だったのですが、Wisecoのデータシートや豪州シグマオーナーの実測値によると、どうも73.5ccの間違いらしいです。
2
次いで、ロッカーアームとカムシャフトを外します。
G54BはEN07と違って、カムキャップのボルトを全部取らないとロッカーシャフトが抜けません。ロッカーシャフトにも何故か打撃痕のようなものが幾つかあって、カムキャップから抜くのに手間取りました。
カムジャーナルは僅かに縦傷はありますが、極端におかしな摩耗は認められず。
3
吸排気バルブを抜く前に、点火プラグとジェットバルブを一度全て緩めます。このヘッドでは点火プラグの異常な固着は認められず(やっぱりそれが普通ですよね)、ジェットバルブも14mmのディープソケットで簡単に緩める事が出来ました。
ジェットバルブ、プラグ共にこの段階では緩めるだけで、取り外しません。
4
バルブの摺り合わせ前に、現状のバルブ当たりを確認。
ごくごく簡単に燃焼室に洗い油(灯油)を燃焼室に満たしてリークを確認する手法を使いました。吸気・排気・ジェットバルブ吸気の3系統の何処かから漏れがあれば、そこを重点的に摺り合わせなければなりません。
この時は全てのシリンダーで排気ポート側に灯油が漏れました。ジェットバルブのポートからは漏れが無く、弱いとかダメとか言われているこの系統が意外にまともな状態である事が分かりました。
5
現状の確認が済んだら、バルブの取り外しに掛かります。
使用器具はAP製のバルブスプリングコンプレッサー。安くて使い勝手も悪くない器具ですが、バルブアタッチメント側のボルトの擦動部が異常に摩耗しやすいのでちょっと微妙…。油を差してもダメ。サンデーメカにはいいけれど、プロが台数こなすには耐久性が不足してるかもしれません。
バルブスプリングを圧縮してコッターを外していきますが、長年の固定でコッターがバルブステムの溝に食い込んでいるので、そのまま圧縮していくと「バキン!」という音と共にコッターが吹っ飛ぶ事があります。一番始めに取り外す際にはコッターを無くさないように、アタッチメントの周囲にウエスを被せて作業するのが無難です。
6
こうして全てのバルブが外れました。本当は小分けできる箱に入れておかないと不味いですよ。。。
7
最後にジェットバルブを取り外します。M14だったかのディープソケットが必要です。この図のような長いボルト状の部品の中にバルブ、ステムシール、バルブシート、バルブスプリング、リテーナー、コッターなどのバルブメカニズムが全て詰め込まれています。
本来はこのジェットバルブも分解した上でステムシールとOリングを交換する必要があるのですが、部品の供給状況が?なので(Assyでは出るらしいですが)、現状ではそのままにしておきます。
補足:米国ではAltrom Imports社のASK0501という品番で、20ドル前後でOリングとステムシールが4つずつ1セットになっているものが手に入るみたいです。純正部品ではステムシールがMD088384、OリングがMD009786です。
8
このジェットバルブ、指で押せる位バルブスプリングが柔らかいです。これじゃチューニングする人からは嫌がられるのもしょうがないかもしれませんね。
G54B/4G54におけるヘッド周りの流用チューンの際には、このジェットバルブを生かすか殺すかの選択肢があるようなのですが、自分は出来るだけ生かす方向で検討したいですね。
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