2026年05月10日
私たちの移動。
どこかへ出かけるときは、ひとつの交通モードだけで完結するとは限りません。
国土交通省はかつてより、複数の交通モードを連携させることにより利便性を向上させ、利用者を増やすという青写真を描いてきました。
交通系ICカードの相互利用も、その文脈から誕生した経緯があります。
しかし。地方の交通事業者はどこも多額の赤字を抱えており、なりふり構っていられない状況。
MOBIRY DAYSをはじめ、自前のシステムで乗客を囲い込む戦略を取り入れています。
相互利用の狙いと真逆の動きが、全国で加速しちゃってます。
ご休憩がちっとも休憩にならない、カップルのための施設のようなものです。
(チガウダロ)
【交通事業者は自社の生存で手一杯】
乗り継ぎを改善することは地域全体の利益に繋がります。
しかし、現実には
・赤字路線の維持
・運転士不足
・車両更新費用の不足
・補助金の不安定さ
などが大きくのしかかっています。
【どこかが損を被る「乗り継ぎ改善」】
乗り継ぎ改善は、どこかが負担を被る構造になりがちです。
・時刻調整
・運行間隔の最適化
・精算方法の変更
・乗り継ぎ割引の導入
これらを実現することは、資金に余裕のない地方の交通事業者にとっては困難です。
地方の事業者は、協調に必要な余力を持ち合わせてはいません。
【大学と協働すればいんじゃね?】
多くの大学生は公共交通機関を利用して通学しています。利用者の意見を取り入れられます。
また、情報系や都市計画系の学部を持つ大学にとっては研究テーマにもなる。
・需要予測
・ダイヤの最適化
・乗り継ぎ利便性の分析
・アプリの使い勝手改善
など、事業者が自前でできない領域を補うことが可能ではないでしょうか。
だから協働・・・って、簡単に言うなよ。
【内部データを漏らしたくない】
交通事業者が抱えているデータは、とてもセンシティブな情報です。
スモークがかかっていて、閲覧するために成人に達しているかどうかの確認を求められるやつです(←違います)。
・どの路線が赤字なのか
・どの時間帯に乗客がいないのか
・どこの停留所に乗客がいないのか
・補助金がどれだけ投入されているのか
・運転士の勤務実態はどうなっているのか
これらが明るみになってしまうと、自治体・議会・住民から批判にさらされることでしょう。
【データ整理が雑であることが露呈】
多くの地方交通事業者は、
・紙台帳
・データベースがEXCEL
・手入力の運行実績
・GPSを使いこなせない(スキルではなく人材が不足)
・旅客乗降データが一部欠損
という実態ではないかと思料されます。
これらをデジタルネイティブでIT最先端の大学生に見せたならば、
「こんな状態で運行管理してんのかよ?」
と驚かれることでしょう。
【大学側に持続性がない】
学生はいつか卒業してしまいます。
プロジェクトは持続しません。
【現実路線を考えてみる】
ならば、全部のデータを見せなくとも協働が成立する仕組みが必要です。
1.匿名化する・集計できているデータのみ見せる
・停留所ごとの平均乗降者数
・時間帯別の乗車率
・路線ごとの収支状況ではなく、需要の傾向だけ示す
・GPSログの一部
これだけあれば、大学生は分析できるかもしれません。
2.大学に研究室をつくって協働を持続させる
「地域交通研究室」「交通研究会」など、後輩たちに引き継がれていく仕組みがあれば、事業者も安心できるかもしれません。
3.行政が仲介する
事業者と大学生が直接にやり取りすることにすると、事業者側の反発が予想されます。
そこで、自治体をかませることによって
・データ管理
・匿名化処理
などを行えば、事業者の抵抗感を和らげることができそうですが、業務に忙殺される自治体に余力はあるのか?
4.成果は事業者の利益に直結させる
・乗り継ぎ改善により利用者増加
・ダイヤ最適化で経営リソース配分の最適化
・アプリ改善で苦情を減らす
・需要予測で補助金申請の負担を減らす
こういった即効性のあるメリットを示すことができれば、事業者も協力するかもしれません。
これ、クソみたいなコンテンツのせいでデジタルサイネージの実証実験が失敗に終わった公立の某大学でも、分析であれば得意分野じゃないかと思うんですよ。
県立じゃないほうね。
まとめると
・データを安全に扱う枠組み
・研究室をつくり持続性をもたせる
・事業者に即効性のあるメリットを示す
があれば、事態を改善する方向に少しでも向かうのではないかと考えます。
簡単に言うなよ、って?
歳をとって自動車や自転車に乗れなくなったときに、他の移動手段がなかったら困るだろ?
ときどきは自分の問題として考えろよ。
Posted at 2026/05/10 07:32:49 | |
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2026年05月10日
MOBIRY DAYS は表向きには、
・交通事業者連携
・シームレス移動
・デジタル化
・利便性向上
を謳っています。
しかし、利用者からすれば「本当に“連携”なのか? むしろ利用者データの囲い込みでは?」という疑問を抱かずにはいられません。
MOBIRY DAYS の導入により交通事業者は、
・移動履歴
・決済情報
・利用時間帯
・乗換パターン
などのデータを大量取得できます。
このことは、交通政策の視点からは、
・混雑分析
・ダイヤ最適化
・補助金配分の根拠
・路線再編
に役立つ一方で、
事業者側から見れば、顧客のボリュームゾーンを握れるという巨大な価値があります。
昔の運賃支払い方法は、
・定期券
・回数券
・現金
だったので、利用者行動の詳細までは把握することは困難でした。
でもアプリ化することにより、“誰が・いつ・どこからどこへ移動したか”が、極めて高精度で見えてきます。
特に広島では、
・既存事業者が多い
・歴史的経緯が複雑
・系列が分かれている
ので、「共通化」と言いながら、実際には“自陣営プラットフォーム化”が起きやすい状況にあります。
確かに紙の回数券時代と比べ、
・利用実態把握
・需要予測
・高齢者移動分析
・災害時輸送分析
がしやすくなるっている面もあります。
つまり「取得したデータを誰が、何の目的で、どこまで使うのか」ということが大切です。
交通事業が健全で持続可能に運営されるための管理が重要、というわけなんですよね。
Posted at 2026/05/10 06:45:56 | |
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2026年05月08日
5月7日、電車内で席を譲りました。
普段はそんなことしないオイラが、その日に限って。
通勤時間帯の電車。
支線に遅延が発生すると、駅で乗り換え客を待つため、幹線電車にも大きな遅れが波及します。
運賃には、定時性というサービスの提供は含まれていないのですか?
でも、今回の問題はそれではない。
杖をついた女性が乗ってきましたが、我先にと空席めがけて突進する人がいて、座れなかったその女性を気の毒に思いました。
なので、席を譲らなければならないと、オイラはなぜか思ってしまったのです。
疲れて余裕がない人もいるので、一概に悪人とは言えませんが、「杖を見ても反射的に自分優先の行動を取るんだ」と、嫌な気分になりました。
その女性は「私は足が不自由だから座って当然の存在である」とは、きっと思っていなかったと思います。
だけど。
広島駅に乗り入れるとき、そして出発した直後は、ポイント切り替えでエグいほど電車が揺れます。
座っているほうが確実に安全で、身体への負担が小さい。
次の駅で降りますから、どうぞ。
気が付いたら、柄にもない行動を取ってしまった。
別にいい人ぶったわけではない。
恐らくですが、オイラがかつて、職場で雑に扱われ、理不尽な目に遭わされてきた経験を、目の前のこの女性に勝手に重ね合わせたのではないかと推察いたします。
なのでその女性の存在を軽く扱われたような気がして、嫌な気分になりました。
ただ、それだけのこと。
Posted at 2026/05/08 05:16:22 | |
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2026年05月07日
【モビリーデイズ優遇は公正なのか?】
交通事業者のアプリ囲い込みと、独禁法のグレーゾーンについて。
最近はどの交通事業者も経営が厳しく、
・乗客の移動データを自前で抱え込みたい
・決済手数料を減らしたい
・利用履歴を分析して運行改善やマーケティングに使いたい
こうした事情から、各社が独自アプリへ走る流れが強まっています。
その結果、かつて国が旗を振って進めていた 「全国相互利用ICカード」 の理念に、完全に逆行する状況が生まれています。
広島でも例外ではありません。
広島電鉄 と 広島銀行 がグルになり導入した交通決済アプリ「モビリーデイズ」。
利用者の感覚としては、どうしても “自社アプリへ誘導している” ように映ります。
【立ちはだかる独占禁止法抵触の壁】
「これは独禁法違反では?」
と感じる人も、少なからずいるかもしれません。
でも、実際にはハードルが高い。
独禁法で問題になるポイントは次の通りです。
・その事業者が市場で 支配的地位 を持っているか
・他社の決済システムを 排除 して競争を妨げているか
・利用者に 著しい不利益 が生じているか
・事業者側に 正当な技術的・運用上の理由 があるか
広島電鉄のように、
・モビリーデイズだけ割引
・ICOCA・WAONは通常運賃
という制度は、法律上は
「自社サービス優遇」
「囲い込み」
「プラットフォーム戦略」
として整理され、法に触れないと判断される可能性が高いです。
実際、買い物の世界では
・PayPay加盟店優遇
・楽天ポイント経済圏
など、似た構造はいくらでも存在します。
つまり、
「自社アプリだけお得」=即違法
とはなりにくいわけですな。
【それでも消えない違和感】
公共交通は、
・地域独占に近い
・生活インフラ
・利用回避が困難
という性質が強い乗り物です。
だからこそ「特定アプリへ誘導する運賃制度は公正なのか」 という疑問は、むしろ正常な感覚です。
さらに問題化しやすいのは、
・他ICカードとの互換を意図的に妨害
・不当に高い手数料設定
・他決済を排除する契約
・新規参入を阻む仕組み
こういった“排除的行為”がある場合。
ここまで来ると、独禁法の射程に入る可能性が出てきます。
【法律よりも先に問われるべきは「公共性」】
広島のケースは、 独禁法違反というよりもむしろ、
・消費者保護
・公共交通の公平性
・キャッシュレス標準化
といった観点から批判されるべきではないでしょうか。
同じ電車に乗っているのに、支払方法が違うだけで運賃が変わります。
しかも高齢者など、スマホが苦手な層ほど不利になる運賃体系。
この構造に違和感を覚えるのは当然です。
【違法とまでは言えないが、かなり濃いグレー】
現状では、独占禁止法違反と断定するのは難しい。
加害者が被害者を訴えるような地域柄ですからね。
しかし、
・公共交通の独占性
・利用者の選択肢の乏しさ
・アプリ誘導の強引さ
・割引格差の大きさ
これらを考えると、濃いめのグレーと言わざるを得ません。
Posted at 2026/05/07 20:10:37 | |
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2026年04月04日
広島という街の風景に溶け込んでいる路面電車は、時に「動く博物館」と称され、都市のアイデンティティそのものとなっています。
しかし、日々の通勤・通学でその「揺れ」に身を任せる人々にとって、この状況は少し異なる景色に見えているかもしれません。
広島の日常。
「これは当たり前なのだろうか」
【定時性というサービスを、広島はどこに置き忘れたのか】
広島の朝、電停で時計を気にしながら電車を待つ時間。
電光掲示板の「まもなく到着」の文字を眺め、数分、あるいは十分以上の遅れを「路面電車だから仕方ない」と飲み込む。
この光景は、広島の日常としてあまりにも深く定着しています。
しかし、冷静に「公共交通」というサービスの存在意義を見つめ直したとき、そこには静かな違和感が浮かび上がります。
1. 「運賃」が、対価として支払うもの
本来、公共交通の運賃とは、目的地への移動という「結果」だけでなく、決められた時間に到着するという「約束(定時性)」に対して支払われるものです。
私たちは今、値上げという形で以前より高い対価を支払っています。それは、車両の近代化や維持費のためという名目ですが、利用者が最も必要とする「時間の確実性」という品質は、果たしてその対価に見合っているでしょうか。
2. 「路面電車の限界」という免罪符
「信号待ちがあるから」「支払いに時間がかかるから」という理由は、確かに事実です。しかし、それを「構造上の宿命」として諦めてしまうことは、都市インフラとしての進化を止めることと同義ではないでしょうか。
他都市のLRT(次世代型路面電車)が徹底した軌道分離で分単位の正確さを追求する中、広島の「仕方ない」という空気は、利用者側の過度な「優しさ(あるいは諦念)」によって支えられてしまっている側面があります。
3. 通勤・通学者の時間が奪われるということ
遅延によって奪われる5分、10分という時間は、一人ひとりにとっては僅かでも、数十万人の利用者が積み重なれば、都市全体の膨大な損失となります。
利便性が損なわれ、それでも対価だけが上がっていく現状を「広島の風情」という言葉で片付けるには、現代を生きる私たちの時間はあまりに貴重です。
【結びに:風景を、システムとして見直す】
街を走る電車の姿は美しい。それは否定できない広島の誇りです。
しかし、その美しさが「不便さの隠れ蓑」になってはいないでしょうか。
私たちが支払っている運賃は、単なる「乗車券」ではなく、都市の機能を支えるための「投資」であるはずです。
もし、その投資に対して約束されたサービス(定時性)が届いていないのであれば、それを「異常」と捉える感覚こそが、この街をより良く変えていく一歩になるのかもしれません。
通勤・通学の途中で、スマホの時計と、インストールされたモビリティデイズ、到着予定時刻になっても来ない電車を照らし合わせた時、合理性・整合性・妥当性を感じられないという現状。
私たちはそれを、仕方ないこととして受け入れるだけで良いのでしょうか。
Posted at 2026/04/04 07:47:06 | |
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