
すっかりご無沙汰のこのブログ。
ライヴばっかり観に行って、その報告はFacebookにて行っている為である。
こちらのページを完全にやめるつもりはないので、なんというか少しまとめておこうと思う。
テーマは「イラスト」である(車じゃないのかよ笑)。
最近イラストを描く機会が増えた。
9月に入って3枚、こんなに集中して描いたのは高校生の時以来じゃなかろうか?
大学時代、社会人になりたての90年代、音楽を聴いたり、ギターを始めて、ファッションや車などに興味がどんどん移行し、自分の趣味の中に“絵を描く”ということが抜け落ちて行った・・・。
2年前、勤務先の会長が米寿を迎え、そのお祝いのパーティーを開くというので個人的なサプライズとして似顔絵でも描いて渡そうと思い立ったのが今となってはきっかけだったと言える。
あまりの久しぶりの為道具もなんにも無い。
画材屋に出向き、大中小の3本が入った筆のセットと、12色の水彩絵の具、小さなパレットと筆洗器を買ってきた。
エアブラシもスクリーントーンもコピー機もなんにも無い。
今でも絵を描く道具はそれそのまんまだ。
イラスト用のボードを用意し自分の描き易い大きさにカットし、久しぶりに描いた。
下書きが完成すれば後の作業は早いので色を付け、額に入れて会長に手渡ししたらもの凄く喜んで貰えた。
少し時間が流れ、去年の今頃のこと。
山川のりをさんこと“
ギターパンダ”にハマりにハマっており、近日観に行くライヴの翌日が誕生日と知り、思い出した様に筆を取り描いて渡した。
その直後、我が家にロカビリーブームが突如起こるのだ!
そのヘンの経緯は過去のブログに任せ、一気に時間は今年の7月になる。
日本のロカビリー界における重鎮と言えるビリー諸川さんが「生涯ロカビリー」と題したアルバムを発表した。
ロカビリー元年を迎えた私にとってこのアルバムは衝撃的とも言える素晴らしい内容で、とにかくお礼が言いたい!
まだライヴも観たこともないし、当然お会いしたこともないのに、勝手にそんなモードに入ってしまう(笑)。
まだ小さいお子さんが「烈車戦隊トッキュウジャー」が好きだと知り(私も好きなんだけど)、ヒーローにギターを持たせて(モチーフは神戸にあるエルヴィス・プレスリーの銅像)、ビリーさんとのコラボにしてみた。
ビリーさんなら隣が誰であろうと気さくに接するだろうという私の勝手な理想が先行したイマジネーションで描かれている。
完成直後、ライヴ会場にご家族と一緒に来ていたビリーさんに挨拶を済ませ、ライヴ終了後に「お子さん用に」と告げて渡したら、本人よりもビリーさんがエラく気に入って喜んでくださった。
今年からロカビリーを聴く様になった新参者の私には隣に描いたヒーローよりもビリーさんの方がカッコ良かった。
今年開店20周年を迎えた原宿ジャックスのエロヴィス・サトウ氏。
春先に初めて店に訪れた際、大学の先輩にあたる方と知り、秋ごろに大々的なパーティーを開く予定と聞かされていたのでもうその時点で私からの贈り物はこれしかないと決めていた。
にも関わらず9月に入るまで全く作業に入れない、なかなかイメージが固まらないのだ。
“20周年=お祝い=派手=金=ゴールドスーツ”と定まってからは早かったかな。
特徴あり過ぎの為、下書きもスムーズに進み一気に描き上げた。
背景はジャックスの立て看板をモチーフにし、それすら金に輝いているって感じにした。
パーティーに出席出来ない場合も考えて10日位早めに直接渡しに行ったら、思いのほか喜んでくれ、その場でお店のカウンター横に飾って下さった。
実はお店に顔を出すのも久々だったし、結構緊張してて、それが一気に解放された瞬間に頭に降ってきたようにまたイメージが湧いてきた。
もう1人、渡すべき方がいるんじゃないの?と言わんばかりにだ。
山際祥子さん。
高校生の時に聴いた「エリア88」のアルバム、私に屈折した音楽観を与えた衝撃的な内容のそれは今でも大切な1枚だ。
そのOPテーマ「炎のユニコーン」を歌っていたのが山際祥子さんで、後にTOPSでヴォーカルを務めた、私が認める数少ない女性ヴォーカリストの一人だ。
長らく音楽活動を休止していたが数年前からまた歌い始めてくれていたことを知り、今年初めてお会いしてその歌声を聴くことが出来たのだ。
「ムーミン」のミィが好きだということから一気にイメージが出来上がり、下書きも自分の頭にイメージしたものそのままが描けたので完成まで時間は掛からなかった。
とにかくシンプルに、そしてポップなものをと心掛けた(トップ画像)。
実は、こんなことを言っては受け取った方に失礼かもしれないが、自分ではどれもイマイチな感じなんだよね(爆)。
頭にあるイメージはもっとキチンとしているんだけど、それを完全に具現化出来ていないのである。
まァ、それが出来ればプロとして商売やっていけるんだけどもね(笑)。
でも今回の山際さんのイラストに関してはイメージ通りに描き上げることに成功、自分でも気に入っているし、先日のライヴ時にお渡ししたらもの凄く喜んで頂けた。
Fbで取り上げてくれ、他のファンの方々からも称賛の声が沢山あった。
・・・長いな、今回、超長いな。
誰がこんなの読んでるんだろうか?
まァ、いいや、今ちょっとどうしてもまとめておきたい気分なんだよ。
先のエロヴィス・サトウ氏にイラストを持って行った際、そこはかとなく頼まれちゃったんだよねェ・・・。
お店の20周年記念パーティーは実は来日中のLEVI DEXTER(リーヴァイ・デクスター)&BERNIE DEXTER(バーニィー・デクスター)夫妻の結婚15周年記念を祝う為のものでもあると聞かされてしまったのではちょっとねェ(爆)。
まァ、ビジネスとしての明確な依頼を受けたワケでもないし、間に合わなかったら仕方ない程度で限られた時間を利用して取り掛かる。
頭にこれといったイメージもわかないまま描き始める。
なんせ外国人である(笑)、今まで描いたことなんか無いよ。
思い切ってキャラクターとして崩して描いてみたバーニィーが割と良い感じだったので、そのまま勢いでリーヴァイも描いてみたワケだが、構図もなんにも計算しなかったのでちょっとチグハグになってしまった。
服飾にもこだわりのある夫妻の為あえて首から下を描かないで、スペースとして空けておく。
後は文字シールなどで装飾してもらうつもりだったからだ。
パーティー2日前、エロヴィス氏に渡しに行ったら、まさか本当に描いてくるとは思っていなかったのだろう、驚いていたっけ。
“他人が描いたものに手を加えたりするのは不本意”とのことで原画そのままを額に入れた状態でデクスター夫妻に渡され、その後で私が描いたものだと伝えてくれた。
もの凄く喜んでくれて、パーティー翌日に行われたライヴ終了後も挨拶が出来た。
遠目に観ているだけだろうと思っていた夫妻がこの絵のおかげでぐっと距離の縮まったものとなり、本当に良い思い出となった。
夫妻帰国後、「オフィスの壁に掛けてある」とのメッセージを頂けた。
ちょっとまとめてみたワケだが、絵というかイラスト(似顔絵)を描いていたこの数日の数時間、本当に楽しかったのだ。
物心ついた頃から絵を描くことが好きだったから。
誰かに教わったというこもない、完全な我流だ。
中学時代は三度の食事以外はずっと何か描いていた気がするし、高校生になってもそれは続いていたハズだったが・・・。
多分私は絵を描く仕事に就くと思い込んでいたものが、急激に失われて行く。
自分の頭の中には常にヴィジョンが浮かぶ。
だがそれを形に出来ないという苛立ちが日々強くなり、自分の周りに強烈な芸術家が居たことで挫折を覚え職業にするのは無理だと悟る。
他の人とは異なり、私は対象を見ながら描くということはしない。
というか出来ないのだ。
視力が悪いせいか、対象を捉える方向が定まらない。
だからいつもしばらく眺めていたりして頭の中に一旦入れてから描くという方法を取っていた。
マンガのキャラクターとかはその方法でもある程度描けるが、模写とか写生は苦手だったなァ。
美術の成績はいっつも低かったし。
なにより描きたいモノしか描かないから、仕方ないよね。
自分が描いたものが何に使われるか知らされないまま終わるビジネス的なものは向いていないんだろうなァ。
先日実家の片づけをしていたら20年程前に描いたイラストが出てきた。
驚いたことに色褪せとかも無いままの状態で残っていた。
最近描いたこれらのイラストと殆ど変らないタッチで描かれている、つまりはちっとも進歩していないってことなんじゃないか?(笑)。
でもそれが私のスタイルなのかもしれないね。
描いてる時はもの凄く集中してるから雑念も無い。
いやらしい話、そりゃ、贈り物とした場合は受け取った方の喜ぶ顔を思いながら描かないでもないが、失敗したら全て終わりになるかもしれないという緊張感にも似た感覚を楽しんでいたかもしれないなァ、今回は。
正直なところ、ギターを弾いている時よりも楽しかった。
いつまで経っても全然弾ける様にならない苦痛を生むギターよりも、少しづつでも描いていけば作品が完成するという終着点があったからかもしれない。
その線引きは自分次第で決められるという点もプレッシャーにならないで済んだってのもある。
なんか脳から出ていたかもね(笑)。
だから今、ちょっとギターを手にする気にならない。
それよりもまた何かを描いていたい、そんな気分ですらある。
今さら、なんだよ、寝た子を起こされたような感じだ。
両方出来るほど私は器用じゃない。
そもそも小さい頃から音楽を奏でる能力は私には備わっていないと思うから。
久しぶりに絵筆を持ったことで痛感した。