
低回転域ドライバビリティについて補足したいと思います。
BMWの6気筒において、同一ブロックを用いた複数の排気量では小排気量の方がより良く回るという話があります。 理由は各ムービングパーツの慣性質量が小さい事と、相対的にブロック剛性が高まるからだそうで、最小排気量の2,0Lが最も回ると云われていました。しかし、6気筒であるが故に部品点数も多くフリクションロスと云われる内部抵抗も増えるわけで、パワー/トルクとの兼ね合いでどのあたりの排気量がベストなのでしょうか?
また、ボア/ストローク比は別として、シリンダー容積から見ると400cc~500ccが燃焼効率がよいとされており、それでいくと4気筒で1,6L~2,0L、6気筒で2,4L~3,0Lとなります。
安全性の向上の為のサイズアップや各種デバイス導入により車重は増してきており、いくらよく回ると云ってもさすがに2,0Lでは荷が重く、E46の後期に2,2Lにアップし、E90でついに2,5Lが最小排気量となるわけですね。
N52の2,5Lは3,0Lに比べればパワー/トルクは少ないですが、バランスよく精緻に回りきるフィールを持っているのは前述の2つの要因が合わさっての事だと思います。
振り返ると、E36 320のM54は6気筒らしくスムーズに、高回転はシャープに回る気持ちのよいエンジンでしたが、その特性と排気量からトルクバンドに乗るまでは、少々歯痒い感じでした。(MTならまた違っていたのでしょうが) そのため早くトルクバンドに乗せる為についついアクセルを踏み込みがちで、325の方が燃費が良いと云われていたのも頷けます。
次のN42、N46バルトロは4気筒らしい立ち上がりのピックアップの良さと、頭打ちはやや早いが、一気に回りきるパンチの効いた回り方に魅了されたものです。さすがエンジン屋、4気筒も6気筒も特性は違いますが、どちらも魅惑的で車好きの心を掴んで放さないですね。
N52のノーマル状態の低回転域はどうかと云うと、M54のような歯痒さを感じることは無いにしても、N42,N46と500ccも排気量差があるような感じではなく、330のようにとは云わないまでも、もう少しスッと出てくれてもいいのになあと云う感じでしょうか。
そのあたりが、今回も含めたファイン・チューンでどのように変化したのか・・・ 以下次号(笑)
Posted at 2006/10/25 22:16:58 | |
トラックバック(0) |
モディファイ・メンテ | 日記