2005年03月25日
燃焼効率と理想空燃比とは
昨日のオカルトグッズのブログを続きで、今後のオカルトグッズ説明の理解のために、かなりマニアックな話になってきますが、、燃焼効率、理論空燃比の現状を整理しておくので興味のある方だけ読んで下さい(^^)
エンジンがトルクを出すしくみは、3月3日の「アクセルとは」あたりを参考にしてください。
燃焼効率と理想空燃比は密接な関係を持っています。エンジンは、高出力化、低燃費、排ガス規制の要求を満たすように設計されますが、結局それは燃焼効率を上げると言うことであり、いかに理想空燃比で燃焼させるかと言うことです。
(リーンバーンエンジンは、独特の技術があるので省いて考えます)
最近では、エンジンの開発(設計、試作、試験)期間を短縮するため、三次元CAD内での自動設計の手法が取り入れらています。
エンジン性能を良くするためには、熱損失の低減(燃焼室形状のコンパクト化、燃焼室表面積比の極小化等)、機械損失を減らし(ベアリングの採用、窒化コーティング等)、吸入効率(バルブ開口面積の最大化等)、燃焼効率を上げる(冷却系統の最適化、空燃比の最適化)ことがポイントになります。
燃焼効率を上げるためには、燃焼室を上手く冷却して、異常燃焼を防いで、ガソリンの気化を促しながらスワールによって均一な混合気を作り完全燃焼をさせる事が必要になるので、強いスワールを作りながらバルブ面積を大きく出きるペントルーフ型の燃焼室が多く採用されます。
次に、完全燃焼に必要な、理想空燃費を実現するためには、シリンダーに吸い込まれた空気の酸素量をいかに正確に把握して、完全燃焼するだけのガソリンを吹くかに掛かっています。
完全燃焼は、燃費の向上だけでなく、排気ガス中の有害成分の減らし、三元触媒を効果的に働かせるため必要なので、色々なセンサからの情報をもとに補正をして、A/Fを測定してフィードバックを行っています。
最近の車の燃料噴射の基本構成は、エアフロメータ、燃料噴射弁、クランク角センサ、ECUからなり、吸入した空気量をエアフロメータで測り、吸入空気温センサ、冷却水温センサ、吸気マニホールド圧センサ等によって燃料噴射量を補正して燃料噴射弁を制御しています。
この燃料噴射弁の精度は数%オーダーなので、燃料噴射システムの制御A/Fもその程度の精度となります。
エンジン制御として考えれば、これは十分な精度なのですが、三元触媒システムを効果的に働かせるためには、0.数%のオーダーの精度が必要となるので、酸素センサによって排ガスのA/Fを測定してフィードバックしています。
レガシィでも排気系にボッシュのA/Fセンサが付いていますが、酸素センサは理論空燃費前後で大きく出力が変化するので、酸素センサの信号をECUで基準信号と比較して、リッチ(燃料が多い)ならば噴射量を減らし、リーン(燃料が少ない)ならば噴射量を増やすように制御を行っています。
しかし、エンジン回転数は走行によって変化しているので、燃焼しているピストン内と、排気ガスとなってセンサまで来る間にはタイムラグがあり、酸素センサの値をそのまま制御に使うと、実際の燃焼状態を後追いするように制御系が振動してしまいます。
そこで、酸素センサをもとにECUで判定した信号に、逆になるような補正信号を合わせて制御を行うようにしています。
しかしこれでも、空燃比はリッチとリーンを繰り返して揺れてしまうので、酸素センサを三元触媒の後ろに付けることによって、触媒のリッチではCO、リーンではO2を吸着する性質を利用して、平均化されたA/Fを得て、これに補正を掛けることによって高精度な空燃比制御が可能となりました。
この制御が可能となったおかげで、有害成分が減って、吸入した空気よりも排気ガスの方がきれいと言われるような、ブルーバードシルフィのような車が可能となりました。
これは、排気ガスを吸っていても死なないと言うわけではなくて、街中の空気よりも排気ガス中の窒素酸化物等の有害物質が少ないと言うことです。
このように、ほとんど完璧に燃焼をコントロールしている現在、オカルトグッズによって燃焼効率が改善される余地はないですし、どこかを触ればバランスが崩れます。
このあたりを踏まえて、放射線系、波動系オカルトグッズを検証していきたいと思います。
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技術解説 | クルマ
Posted at
2005/03/25 10:37:57
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