エアコン添加剤(粘弾性油膜+チタン系)レポート1、および
エアコン添加剤(粘弾性油膜+チタン系)レポート2で、W202のエアコンに添加剤を入れてみたのだが、経済性などもう少し考察してみたいと思います。
スピードマスターさんからコメントがあったように、家庭用エアコンは引っ越しなどで付け替えなければガスが抜ける事は、まれと言うか故障です。
私は、カーエアコンのガス漏れを経験していませんが、エンジンルーム内にコンプレッサーをはじめ、各機器があって配管が接続されているので、熱による膨張・収縮が家庭用よりかなり厳しい条件にあるはずで、ある程度の年月が経ちOリングなどが劣化すると、漏れる可能性はあると思います。
でも、新車で買って数年で補充するほどガスが漏れるとすると、どこか配管に異常があるのだと思います。
また、
製品の紹介ページにある、インプレッションでは、すぐにわかるほど抵抗が無くなっていると書かれていますが、これも、スピードマスターさんからのコメント通り、補正されているのでそんなに感じるのはおかしいのです。
車内LAN(CANバス)が無く、EUCや各機器が情報をやり取りしていなかった時期は、エアコンをONにすると、単純にアイドルアップを行い、エンストするのを防いでいました。
しかし、今では燃費にシビアになり、小型車でもCANバスがあることから、たとえマニュアルエアコンであっても、外気温や内気温からどの程度のコンプレッサー負荷になるかを、エアコンのCPUが計算して、その情報をECUに送って、適切な量の補正(アイドルアップ)を行います。
ですから、エアコンがONでもOFFでも、また強さが違っても(パワーに余裕がある車では)通常の運転で、パワーダウンを感じることはほとんど無いはずです。
ただ、絶対的なパワーは食っているので、軽自動車のようにエアコン負荷の割合が大きな車で、フル加速をしたり高速運転をするような場合は、パワーダウンを感じるのはやむを得ない事です。
では、この添加剤を使う目的は何か?と言うことですが、
1.摩擦低減による燃費の向上
2.コンプレッサーの寿命の延伸
に集約すると思います。
代替フロンはコンプレッサーオイルも少なく、先のブログに書いたように、添加剤の利用が難しいので、スラッジの心配のない添加剤を入れると摩擦抵抗は減るはずです。
そして、本当にスラッジにならず、入れ方も適切に行えば、1,2の目的は達成できそうです。
しかし、まだこの添加剤がエアコンに使われはじめて数年なので、悪影響については、まだはっきりしていないと言うリスクがあります。
じゃあ、3150円、普通の人なら工賃込みの3760円は正当な、元が取れる価格なのでしょうか?
仮定ですが、ざっと検証してみましょう。
W202でエアコンが8馬力食ったとすると、最大出力に対して6%です。
このコンプレッサに、添加剤を入れることによって、20%も摩擦抵抗が低減できたとすると、最大出力に対して4.8%の損失・・・つまり、全体で1.2%の出力分が改善されることになります。
わかりやすく、今リッター当たり10km走るとすると、添加剤を入れると120m余計に走ることができます。1,000mなら1,012mになります。
ここで、ガソリン1リットルを120円とすると、3,760円でガソリンを買うと31.3リットル・・・つまり、313kmの距離を走ることができます。
これに対して、添加剤を入れて、1.2%燃費が良くなったとすると、313km分をとりもどすためには、コンプレッサーをフルに回した状態で26,083km走れば良いことになります。
おそらく、年間エアコンを入れっぱなしにした場合、夏場でコンプレッサーの利用率は60%程度、冬場で除湿に5%程度、春秋を含めた通年では30%に満たないでしょう。
そこで、仮に30%とすると、元を取るには約8,6100km走ることになり、年間に1万km程度しか乗らないひとなら、9年弱・・・しかも、悪い方の条件で考えていますから、
実際はわずか3,760円を燃費向上分で取り返すためには、10年10万kmくらい必要なのでしょう。
こう考えると、添加剤を使う目的は、燃費よりもコンプレッサーの寿命のためになりますが、それもリスクありだとすれば一種の掛けですね。
もしも、誰かに入れた方が良い? と聞かれたら、あんまりお勧めじゃないけど、やりたいならやってみても良いんじゃないの?と言う答えになるのかな。
スッキリしないまとめですいません(^^;
Posted at 2005/05/30 20:20:56 | |
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