2006年04月02日
プラットフォームとは その1
最近流行のプラットフォームの共有化などについて...
そもそも自動車工学で言うところのプラットフォームの定義って何でしょう。
現在の車のほとんどは、モノコックボディを持つため、フレームとボディーが一体となって、衝突安全性を担うクラッシャブルボディを形成している。
アンダーボディの設計は知的所有権とされ、他社の構造をコピーすることは出来ないため、軽くて丈夫なボディを作るには多くのノウハウが必要となる。
日本で衝突安全性が騒がれ始めた1990年代初頭、ドイツ車は既に構造による力の分散を考慮したプラットフォームを持っていたのに対して、多くの国産メーカーは補強材を使って衝突安全性を確保していた。
ベンツなどは、1940年頃から前方だけでなく側面衝突までを考慮した衝撃吸収フロアの開発に取りかかり、1953年には量産車に採用していたのだから国産メーカーが安全性で追いつくには多大な努力を要したことは想像に難くない。
トヨタではGOAと呼んだが、各社がその構造に名前を付けて構造を勉強し始めて、本格的にドイツメーカーに追いつくにはトヨタですら10年近くの年数を要したと言う。
このプラットフォームであるが、実のところ抽象的な概念であり、アンダーボディそのものをプラットフォームと言うわけではなく、ホイールベースやトレッドを延長させて(縮めることは出来ないのです)派生車を作ることが出来る概念だと理解するのが良い。
アンダーボディはプラットフォームに意匠設計が加えられて、車種毎に具体化したものである。
同じプラットフォームでも異なる意匠設計が行われると、その数だけアンダーボディが出来上がる。
こうして考えると、プラットフォームには2つの側面があることが理解できる。
一つは、機能設計としての概念であり、もう一方は生産設計としての概念である。
つづく
ブログ一覧 |
技術解説 | クルマ
Posted at
2006/04/02 11:06:23
今、あなたにおすすめ