プラットフォームとは その1からの続きです。
このように、プラットフォームは抽象的な概念であり、機能設計と生産設計の2つの面がある。
機能設計としての概念は、衝撃吸収ボディの基本設計だけでなく、エンジン、サスペンションと言った走る、止まる、曲がるの基本機能はプラットフォームに関連づけられている。
こうした部品を共有化して、コストダウンを図ることが最近の考えであり、車のセグメント毎にプラットフォームを共有化する事になっている。
大型、中型、小型でそれぞれFF、FRのプラットフォームを開発して、グループで共有することによって、世界中では年間100万台以上の規模になって、3割近いコストダウンが可能となるが、
CATIAの功罪で書いたように、車体設計CADソフトの進歩によって、大型、中型、小型と分けなくても小型のもの一つ作ればそこから大型まで派生させることすら可能になった。
生産設計としての概念は、生産ラインなどにおいて塗装や組み付けにおいて同一に扱えると言うことである。
このあたりの変遷は、
この本あたりが詳しい。
トヨタでは、カローラとスプリンターと言うように販売チャンネル毎に同一プラットフォームの姉妹車を作ってきた経緯があるが、本格的にプラットフォーム共有による開発期間短縮を目指した、活動に1995年頃から取り組み、「AD21」活動と定着させた。
トヨタは主要プラットフォームを8種類として、ヴィッツをベースにファンカーゴ、プラッツ、bB、Will Viなどをわずか5ヶ月間で乱発したことなど記憶に新しい。
一方、日産も5種類に絞り込んで、ルノーと会わせて10種類とする予定で、スカイラインからのFMプラットフォームや当初からルノー クリオとの共用を考えたマーチのプラットフォームBなどがある。
カルロスゴーン経営を語るの中では、プラットフォーム流用により開発期間は12ヶ月、新設計でも24ヶ月と述べている。
トヨタでもほぼ同じで、プラットフォームが新設または改良の場合は外観デザイン決定から量産までが18ヵ月で先行試作と正式試作が各1回、プラットフォーム基本流用の場合は15ヵ月で正式試作1回のみ、プラットフォーム100%流用の場合は12ヵ月で試作なし
という標準開発パターンが設定されている。
参考:トヨタ経営システムの研究
bB発表時に話題になったが、驚くことに試作すら行われていない。
個人的には、車の完成度は実際の走り込みに掛けた時間に比例すると思うので、こうした車はどうしても信頼出来ない。
つづく
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技術解説 | クルマ
Posted at
2006/04/02 13:49:26