2005年04月28日
○-DASH イオン・トルマリン系チューンとは
こんにゃくさんの情報によって、○-DASHなるアイテムがあるという事を知り、それほど大きくない黄色い帽子を覗いてみました・・・がありませんでした(^^;
そこで、とりあえずネットで検索してみると、色々と出てきますねぇ!
予想通り、イオン系でトルマリンなどの言葉が説明に出ています。
みんカラ内にも、パーツレビューで引っかかりましたが、効果のほどは・・・みたいです。
他にも、燃費向上グッズ情報でレポートされていますが、60点から80点で、こちらでは、効果を感じている人が多いようです。
こうした、効果を感じる人のレポートに多い言葉として、「エンジンブレーキが効きにくくなりました」というのがありますが、こういう事を書く人ってエンジン構造やエンジンブレーキが何故掛かるかを知っているとは思えません。
何と言っても、100km/h走行時の回転数まで落ちてしまう人がいるのだから、まさにミステリーです!
さて、説明に入る前に、トルマリンについて少し説明しておきましょう。
この製品の説明にもトルマリンと言う言葉が出ています。
トルマリンも某番組で取り上げられた気がしますが、特許を調べると、平成10年から平成13年にかけてトルマリンを用いた○○の特許がちょっと探しただけで80件ほどあります。
トルマリンとは、ご存じのように鉱石の一種で、衝撃を加えると電荷が出ることから、電気石と言われる!くらいのことはまあ、良いのですが、ネットをみるとまあ正しいことが書いてあるものなんてありません。
トルマリンチューンについて書こうと、以前に話の出所を探ったのですが、どうもマイナスイオンの仕掛け人は、東芝の子会社の役員をやっている大学教授で、学会に発表して(もちろんまともな人は、バカなことを言っているくらいにしか思っていませんが)、色々とここに書けない裏の話があって、テレビなどで取り上げてもらって、何も知らない消費者が飛びついたようです。
トルマリングッズ販売のHPでは、トルマリンを砕いて両極間に生じる電位差は100万ボルトに及んだとか、原石のプラス極とマイナス極を結ぶと0.06ミリアンペアの電流が常に計測されたとかありますが、これも某教授が学会に出したものからの抜粋と思われます。
だいたい、100万ボルトってなんでしょう!絶縁破壊距離は何十センチになるのか知らないからこんなバカなこと書けるんでしょうね...
○-DASHの説明も、あまりのオカルトさに笑わせてもらいました(^^)
ネット上の説明
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○-DASHの原理
説明:空気は水などと同様に分子の集合体であり、空気が移動するときには摩擦(抵抗)が生じます。
・摩擦=抵抗と言うのはちょっと違和感がありますが、まあ良いことにしましょう。
説明:エンジンが高回転になるほど吸入抵抗は大きくなり、インテークパイプの内壁には空気が通過しにくい現象(プラスイオンの増加)が発生します。
・エンジンが高回転になるほど吸入抵抗が大きくなると言うのは嘘ですね。エンジンの吸入抵抗の一番大きいところは、スロットルバルブであり、その抵抗によるロスがポンピングロスと呼ばれるもので、アイドリングの時が最大になります。
・また、エンジン設計において、許容回転数での空気の流速を考慮してインテークバルブの太さを決めて、トルクの落ち込みをなくすように、ヘルムホルツ共鳴を計算して、高回転時には慣性吸気を有効利用するための吸気室など綿密に計算されています。
・ただ単に、空気抵抗減らしてパワーが上がるなら、何も計算しないでぶっとい吸気管にすれば済むと言っているようなものですね。
・パイプ内の流速は、川の流れと同じで、内壁に近い部分の流速が遅くなるのでまあそうした現象はありますが、そんなことも考慮した上で必要な直径のものになっています。
・そして、意味もなく現れる「プラスイオン」。どんな記号??どこの分子からどのようにイオン化したプラスイオン???
空気中の酸素は仮にイオンとなるならO2-だし、窒素だって同じだし、二酸化炭素?アルゴン??
・まあ、「雷と同じで、空気の摩擦によって内壁にプラスの電荷が帯電します」ならわからないこともありませんが、それと空気が流れにくい事とは関係しませんから~
説明:このシールは、吸入抵抗となる空気をマイナスイオン化し、効率的にエンジン内へ送り込むことで燃焼効率の向上を可能とします。
・何でも、イオンとか言えば、良さそうに思えて買う人がいるのでしょうか?
・だから、マイナスイオンって何の元素のマイナスイオン???
・そもそも論に戻りますが、プラスイオンに電子が結びつくと元の原子に戻るだけで、そこにさらに電子が結合してマイナスイオンになんてならないことは、中学の化学の時間に習った事です。
・また、燃焼室内に送り込まれた空気の量と、燃焼効率は全く別の話です。
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こんな説明を書いてる人って・・・orz
排気管に付けるタイプも、イオン化に関しては上と同じ無茶苦茶な事が書いてあります。
繰り返しますが、吸気管や排気管による抵抗を減らしたいなら、なにもシール張らなくても太くすれば済むのに、何故メーカーはやらないか考えましょう。
吸気抵抗を減らしたり、排気管を太くして抜けを良くすれば、低速トルクが無くなるのは良く知られているように、吸入に大切なことは、燃焼室内にいかに空気を送り込むかであって、それは吸気管の抵抗によって決まるものではありません。
排気も同じく、背圧はトルク特性に影響しますし、いまはエンジンの可変バルブタイミングなどもも含めてトータルに設計されているので、抵抗を減らせば良いというものではありません。
試しに、マフラーとか外して爆音をばらまいて走っても、速くなりませんから。
それでも、この商品を買ってみたい方はどうぞ。
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技術解説 | クルマ
Posted at
2005/04/28 21:52:35
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