サスペンションのセッティングとはの続きです。
ダンパーと言えば、ビルシュタインなど有名で、輸入車では車高を落とすBTSキットなどは定番ですが、ダンパーとスプリングのセットで調整するのが一般です。
本当は、ストラット取り付け点の剛性なども合わせてセッティングして、初めて完成ですが、ビルシュタインのBTSでもそのまま受け入れられるだけのボディ剛性を持っている国産車は少ないと思います。
ダンパーは、筒の中にオイルを入れて、オリフィスで流路抵抗を作りだして減衰力を発生する物なので、オイルの温度が変化すると粘度が変化します。
なので、サーキットなどを走る際に、ダンパーのセッティングに頼りすぎると、走り出しとある程度走った段階での違いが大きくなり車の特性が変わってしまいますので、ダンパーに頼ったセッティングはタブーです。
ダンパーはその特性上、ロール角を調整するものではなく、初期の足の動きと、ロール速度にのみ反応します。
例えば、フロントダンパーを強くしていくと、ステアリングを切ったときの反応が良くなり素早くタイヤの応力が立ち上がって向きが変わるので、アンダーが消える、または少なくなるためにブレーキングを遅らせてその分奥まで突っ込めると思われがちです。
しかし、それよりも、ダンパーを強くするとデメリットは多くなります。
当然、バネ上に力を伝えるので、車体の動きが大きく不安定になります。
さらに、前のブログでロールしきった状態では、ダンパーの効きは0と書きましたが、この状態で路面のギャップやうねりを拾うとダンパーが働くので、路面の追従性はダンパーが強いほど悪くなります。
東名高速に微妙にうねっていて、日産では足回りの評価に使うという場所がありますが、それだけでは不十分で、コーナーでかつうねった路面で接地性の確保できる足がダンパーのセッティングの出た足です。
つまるところ、サスのセッティングは一番良いバランス点を探すことです。
一般的に、欧州車は日本車に比べると柔らかいスプリングに、固めのダンパーの組み合わせが多いと思いますが、プジョー406のセダン(407は良いらしいけど乗ったこと無いので)、Cクラス、3シリーズなどはうねったコーナーなどで誰でも分かるくらい良いです。
続く・・・
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技術解説 | クルマ
Posted at
2005/08/14 13:06:49