
2000ccのEJ20エンジンは、AT,MTで最高出力を変えてそれぞれの特性に合うようにチューニングされていますが、3.0Rおよび3.0R spec.Bで採用されているEZ30エンジンでは同一のスペックとなっています。
これは、排気量が大きいためATでも特別にトルク重視にしなくても問題ないという判断と、AVCS+ダイレクト可変バルブリフトを採用しているように、ATと言えども高回転域を使用すると言う設計側の思想があるのかも知れません。しかし、アイドリングはMTの方が100rpm高く設定されていますね。
このエンジンの、内径×行程は 89.2(mm)×80.0と相変わらずのオーバースクエアですが、EJ20ほど極端な物ではなくなっています。また、最新設計らしくバルブもタイミングベルトからチェーン駆動に戻されてコンパクトな設計となっています。
吸気側バルブには、ポルシェと同一のドイツINA社が特許を持つダイレクト可変バルブリフト機構を組み合わせて、アクセル開度等の条件によって2000~4000rpmの間で1つ又は2つのバルブのリフト量を2段階で切替えて全域に亘る効率を追求しています。(詳しくは、スバルのHPや本を参照してください。)
1ヶ月乗った印象は、「EJ20に比べて洗練されている」と言うことです。
車体に比べてエンジンが妙に洗練されている感じです。一部の評論家は、ドラマ性が感じられないと書いていますが、それはアクセルに対してフラットにトルクの出るエンジンの良さを理解していないのではないでしょうか・・・
アクセルに対してリニアに吹けますし、振動、音についても抑えられており、スポーツセダンの心臓部としては良いと思います。
ただ、排ガス浄化の関係かレーシングすると、吹け上がりが軽いのに回転の落ちは悪く感じます。個人的にはもっとフライホイールの慣性をを大きくして、重たいものがエネルギーを持って回っている感じが伝わってくるエンジンが好きです。
現在は、直4でもV6でもコンピュータで適切なバランサー設計が出来るので、完全バランスのH6と比べても、マウントを介して車体に取り付けられた段階で振動面の差は感じられないと思いますが、高速巡航や高回転を保ったときの素性の良さは明確に感じられます。
あと、トルクが細いとの記事が多いですが、クラウンのような乗り方をするならば確かに低回転域でのトルクは細く感じるでしょうが、MTで操るには最高に楽しいエンジンです。
ただ、最新エンジンでハイオク専用設計であることを考えると、もう少し圧縮比を上げて低速トルクをかせいで欲しいのは確かです。
今のところの燃費は、高速、街乗り半々で車両情報表示6.5kmです。どうしてもエンジンを回し気味にしてしまうので、近所だけを乗っているともっと悪くなりますがまあ許せる範囲だと思います。
掲示板でノッキングが出やすいとの話題もありますが、確かに3千rpm以下の領域で加速する際に、足下からチリチリと言う音が微かに聞こえますが、明確なノッキング音では無いので気にはしていません。
これから、3.0Rかspec.Bか悩んでいる人は、両車を乗り比べてみて下さい!足回りを含めて別の車です。エンジンが同じながら、運転した印象はかなり違います。そのあたりは、またの機会に書きたいと思います。試乗する際はECOモードを解除してみてください。ATの場合シフトスケジュールにも影響するみたいですし、MTでもアクセルbyワイヤーなので、ECOモードになっているとエンジンの良さがスポイルされます。
2.0GT spec.Bと悩んでいる人は、是非3.0R spec.Bを選択してください。多少税金が高いのと、燃費が悪いのを納得させるだけの魅力がこの6気筒エンジンにはありますから。
ブログ一覧 |
車レポート | クルマ
Posted at
2005/01/14 12:14:17