2005年01月19日
オイル添加剤とは その3
-----塩素系炭化水素添加剤-----
塩素系と聞くとハイターやカビキラーのようで、そんな添加剤あるのか?と言う感じですが、価格的にも手を出しやすく、数も多く出ているタイプだと思います。
深夜テレショでもおなじみのモーターアップとか、効果があると言われるミリテックとか、他にも多数あります。
何故摩擦抵抗が低減出来るかというと、圧力の高い場所で摩擦熱が発生しますが、ここにハロゲン化物質があると、金属を腐食させて柔らかくします。要するに、金属にヌルヌルした腐食膜を作って極圧潤滑を改善するのです。
で、この塩素系炭化水素添加剤は案外ポピュラーで、極圧潤滑が改善されることからギア、デフオイルには入っています。
デフオイルの交換する際に、ツーンと鼻に付く匂いがしたからオイルが酸化していたと言う記事とかネットで見かけますが、それはオイルの酸化の匂いではなく、この添加剤の匂いです。
それならば添加剤として効きそうだと思うかもしれませんが、極圧潤滑の改善ですからエンジンには極圧潤滑が必要な箇所がないことと、最近多いアルミ合金エンジンに使用すると、腐食させる危険性が高いため、エンジン添加剤として使用するのは避けたいです。
メーカーによると、腐食防止剤とかモリブデンが配合されており腐食は問題の無いレベルであると回答していますが(モリブデンは逆に金属を腐食されると思われますが?)、長期的に実験しているのかどうかわかりません。
モーターアップもホームセンターでたたき売られるようになり、購入して入れてしまった人は1回で辞めておくのが吉だと私は思います。
また、添加剤の真実の中で書かれているように、同一の製品を名前を変えたりして売っているみたいで、製造元を辿るとカナダの某社みたいです。
ここから先の話は、深い闇に阻まれていて確認が取れないのですが、この添加剤は元は軍事用に開発されたものが、民間に販売されるようになったようです。
トマホークミサイルなどのターボジェットなど、小型高出力の軍事用機器を焼き付かせないように開発されたもので、エンジンの長期保護でなく短期間でも無理に稼動させることを目的にしているので自動車エンジンへの使用はメリットよりもデメリットが大きいように思います。
-----有機モリブデン系添加剤-----
これは市販のオイルにはたいていブレンドされている添加剤です。
産出量が少ないことから、比較的値段は高めですし、入れすぎは逆に良くありませんので、後から追加することはデメリットに繋がると思います。
この点も、車のエンジンオイルと添加剤のホームページが詳しいので参考にして下さい。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/Mo.html
有機モリブデンは、効果が比較的短いのでオイル交換サイクルを1万kmとした場合、2,3千km毎に
少しずつ足すと、エンジン音がオイルを入れ替えた時と同じように静かになると言った効果はあると思います。
私自身、今は添加剤を別で買うよりも初めから良いオイルを入れますが、以前はこの方法を行っていました。
上記のHP内でも書かれていますが、「固体潤滑剤」(二硫化モリブデン、テフロン、セラミックス)などを添加した場合、エンジントラブルについて自動車メーカーでは保証しません。一部の製品には非常に微粒子のためブラウン運動により沈殿しませんと書かれたものがありますが、やはり土日しか車に乗らなかったり、時間が経つと粒子同士がひっついたりして沈殿しますし、オイル検査を行うと濾紙には引っかからなくてもわかります。
某輸入車メーカーでは、エンジンブローを含めてディーラーから持ち込まれた場合、真っ先にエンジンオイルが取られて検査されていました。この段階でテフロン系添加剤など入っていた場合は保証対象になりませんので、添加剤の好きな方はリスクを十分理解して行ってください。
これは、輸入車系メーカーの方が徹底していると思いますが、ディーラーで添加剤を売っていたりするんですよね・・・まあ、ディーラーはメーカーでは無く独立採算ですから何もやらないとカー用品店に利益を取られるだけとか、色々とあるのだと思いますが、何となく釈然としないものを感じます。
確実に言えるのは、オイルメーカー、自動車メーカー(ディーラーでは無い)に聞けば、添加剤は絶対に入れないで下さいと答えると言うことです。
添加剤は、特性や用途を正しく理解して使用すれば効果のあるものですが、エンジンオイルは多数の添加剤のバランスの上に成立している製品ですから、レースでもやらない限り新たな添加剤を追加してバランスを崩す事は無いと思います。
以上
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Posted at
2005/01/19 17:16:56
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