• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

Ichiのブログ一覧

2005年02月09日 イイね!

CVTとは

CVTとは最近、採用する車も増えたCVT(Continuously Variable Transmission)であるが、最近はヴィッツクラスだけでなく、2000ccクラスまで広がり、一部では日産の3500ccのエンジンに対応出来るユニットが作られている。

何故CVT搭載車が増えているかと言うと、通常のATよりも安くて軽く作ることが出きるからである(エクストロイドCVTは除く)。
また、CVTは燃費が良いと言う思いこみがあるが、伝達装置としてみた場合の効率は悪く、燃費は悪くなるが、上手くエンジン効率のいい回転数を使っているから結果的に通常のATよりも少し燃費を稼ぐことができる。

CVTの構造は、基本的には2組のプーリーにベルトを掛けて、そのプーリーの幅を変化させることによって、連続的に変速比を変えるというもの。この発想自体は、かなり古く19世紀には特許が出ている。

しかし、自動車用として実用化されたのは、オランダのファンドーネ社が金属駒のベルトを開発したのがきっかけで、このベルトと電磁粉体ユニットによる発進クラッチを開発した富士重工が、レックスに採用したのが最初だったと思う。

現在では、この金属駒のベルトに加えて、アウディが用いているサイレントチェーン方式、愛知機械が開発した乾式ゴムベルトを用いたものがある。

金属ベルトを用いたものはどうしても特有の高周波があり、金属駒がプーリーを叩くヒーンと言う高い音が感じられ、チェーン式はそれよりも低く気にならない音で、ゴム式が一番静かであるがまだ大きなトルクには耐えられないため、軽自動車での採用しか無かったと思う。

伝達効率については、MTが一番効率が良くギア2組で伝達効率は97,8%であり4速などの直結では99%近くなる。

次いでプラネタリーギアを用いた一般的なATで、ギアの伝達損失に加えて変速用油圧を作る必要があるため、95,6%となりトルコンが滑っている状態ではそれよりもずっと伝達効率が落ちる。

一番効率が悪いのはCVTで、大きなトルクを伝える際にベルトが滑らないように、非常に高い圧油を作り、強烈な力で押しつけるためその圧油を作るための動力的損失(エンジン出力から取る)と、ベルトを挟み込む時と離れるときの摩擦も大きく、伝達効率は92,3%程度と言われる。これにトルコンが組み合わされたものは、発進時以外はロックアップするようであるがさらに効率は落ちている。

CVTも発売当時は、アクセルを踏むとエンジン回転数が先に上がって、それから加速が始まるという違和感があったが、最近はかなり制御も上手くなってきている。これは、エンジンの効率が一番いい3000rpmあたりをなるべく使おうとした結果であるが、うまく効率のいい回転数や、なるべく回転数を一定に保つように制御することによって、ATよりも燃費を稼げるようになってきた。

しかし、人間の感性に合って(エンジンからタイヤまで直結で、トルクの伝達が途切れず変速ショックが無い)、伝達損失も少ない理想のトランスミッションは何かと考えると、VW・アウディが開発したDSGが現時点では最高と思われる。セレスピードやフェラーリのF1システムでも、変速時はブリッピングを行うものの一瞬駆動力が抜けて、失速した感じを受ける。(自分がクラッチまで操作しているとわかっているので違和感は感じないけど)

最後にCVTのメンテナンスだが、変なところで交換して普通のATFなど入れられたらベルトが滑って走らなくなってしまうし、ベルトの種類、クラッチの型式によってCVTフルードが違うので、絶対に用品店などで交換せず、ディーラーで交換してもらうのがいい。

フィットで既に20万km乗っている人が雑誌に書いていたが、交換サイクルも整備書通りで問題無いと言うことなので、多くのCVT車は無交換とされているので、余程のことが無い限り補給や交換はしない方が良いと思う。

スカイラインGT-8で採用している、エクストロイドCVは日本精工の1技術者が、長い年月を掛けて開発に成功して、ジャトコトランスファーにてユニットとして完成させたことは、色々と紹介されているが、そのCVTフルードはトラクションフルードと呼ばれ、圧力が掛かるとフルードがくさび状に絡み合って、滑らずに伝達すると言う特殊なものを用いている。

この話に関しては、フルードの開発を行った出光のHPが詳しいので、興味のある方はご覧下さい。
http://www.idemitsu.co.jp/lube/cvt/cvtbody.html
Posted at 2005/02/09 19:17:11 | コメント(3) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年02月05日 イイね!

サスペンションとは

サスペンションとはサスペンションの役割って何だろう・・・と言うところから構造を眺めると、なかなか面白いと思う。

車と言う乗り物は、いくら馬力があっても、制動力があっても、その運動は路面と接しているタイヤとの間に働くニュートン力学に支配されている。
そう考えると、良いサスペンションとは、色々な運転状況の中で一番タイヤと路面の接触面積の積分値を一番大きくできるものと言える。

競技などシビアにタイムを競うほど、いかにタイヤのグリップを有効に使うかで差が出てくる。

F1などでは2003年頃からサスペンションに合わせてタイヤを作るのではなく、タイヤの設計理論が先にあり、その情報をチームに提供してサスペンション設計に反映しているようである。
この逆転の発想をした天才がいたのはミシュランであり、BSはそれに気が付いて後追いをしているような感じだ。

それならば、どんな状況でもキャンバーを0に保てるサスペンションがタイヤの性能を使えることになるし、タイヤもコーナーリングフォースでよじれるので、ミシュランのパイロットスポーツ2みたいに、そうした状況で接地面積が最大になるようにプロファイルを設計したタイヤもあり、サスペンションとタイヤでの相性により相乗効果を生んだり、合わなかったりする場合も出てくる。

マルチリンクの時にも書いたように、タイヤがサスペンション設計に見合ったGを発生しないでグリップを失うようなものだと、設計本来の特性が引き出せない事も考えられる。

サスペンションの常識としては、カーブでは車体の外周側が沈み込み内周側が伸びるため、その時にタイヤを垂直に接地させるようにネガティブキャンバー(正面から見るとハの字)が付けられている。

上の写真がレガシィのフロントのストラットサスペンションであるが、カタログに定規を当ててみると、フロントのストラットの方がリアのマルチリンクよりもキャンバーが付けられている。しかし、昔の暴走族に見られたように必要以上にキャンバーをつけると、直進の時はタイヤの内側が接地するようになり、片減りが発生するだけで良いことはない。

そこで、アッパーアームとロワーアームを設けて、平行四辺形みたいに繋いだダブルウィッシュボーンが多く採用されるようになった。

下の写真はRX8のフロントのダブルウィッシュボーンサスペンションであるが、基本に忠実にアームを長く取りながらも、なるべく同じ長さとして、ダンパーも極力タイヤよりに取り付けている。

これが、トヨタのクラウンから採用されているダブルウィッシュボーン(アリストの焼き直し)は、アッパーアームがタイヤハウスのかなり上の方に付けられて、長さも短くなっている。そうすると、カーブで車体が傾いた際のキャンバーの変化が出てくるので、ダンパーやバネのセッティングのポイントが狭くなり、懐の深いサスペンションを作りにくい。

また、レバー比と言う言葉があるが、これはダンパーの取り付け位置が、ロワーアームの途中だと車輪の上下のストロークに対してダンパーの動きが縮小されてしまう比を言い、コンパクトに出きる一方でダンパーの精度が高く無ければ、きっちりと特性の出ない足になってしまう。

こうしてサスペンションや標準でのキャンバーを見ると、それに合うタイヤも見えてくる。
単純に平坦な路面で考えると、キャンバーの変化が少ないサスペンションはBSのような、角が立っているタイヤを生かせるし、キャンバーが変化を許容するサスペンションはミシュランのように接地面からサイドが柔らかくて角が丸いタイヤの方が合っていると考えられる。

競技だけを考えれば、バネを固めてそれに見合ったダンパーにハイグリップタイヤと言う方向で良いが、街乗りを考えるとバネは柔らかくしてストロークはなるべくかせいで、ダンパーは揺れを1発で収束させるくらいに硬めにして、それに見合ったタイヤを選択するのが良いと思う。

また、国産車はアッパーマウントが柔らかすぎてダンパーの特性が出ていないものも多いので、パッキンをはさんで締めるか、足回りに手を入れたり競技をするような人ならアッパーマウントのリジッド化をすると、ダンパーの性能が出て見違えるように変わることがあるのでやってみる価値はあると思う。
Posted at 2005/02/05 00:30:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年02月02日 イイね!

オイルができるまで

オイルってどうやって出来ているのでしょう。

最近耳にするエステル・・・何だか凄そうですが、植物油から合成された物で、家庭で料理に使っているサラダ油でも、グリセリンと脂肪酸が結合したエステルです。

エステルは水分による加水分解に弱く、ゴムへの攻撃性が強いため添加するにしてもあまり多くは添加できません。
(このあたりは5年くらい前の出光興産の技術情報にも詳しく書かれていたので興味のある人は探してみて下さい)

モチュールが最高としている、コンプレックスエステルでも加水分解に対する安定度では、鉱物油に及びません。

多くのオイルは鉱物油をベースにしている訳ですが、鉱物油は原油から直接精製して作られます。
一方、化学合成油は試験管で作っていそうですが、原油から精製されたナフサもとにしたもので不純物が少ないベースオイルが出来ます。ですから、化学合成オイルだってもとは原油です。(エステルは先に書いたように植物油ベースです)

この石油が何故出来たかは、いくつかの説がありますが、現在は生物起源説の「ケロジェン起源説」が有力とされています。詳しく知りたい人は、ネットで検索してみてください。

この地下深くで出来た石油を、原油と呼び、原油を常圧蒸留装置で沸点の低いものからガス、ガソリン、アスファルトなどに分けた中で、沸点の高い重油を減圧蒸留装置で真空状態で蒸留し、潤滑油原料とガソリン原料に分離します。

さらに、溶剤脱瀝装置で重油にプロパン・ブタンを混合し、潤滑油原料とアスファルトに分離します。 この潤滑油原料と水素を水素化精製装置で高温・高圧の状態で反応させた後、粘度グレードごとに潤滑油を精製します。

最後に、溶剤脱蝋装置で潤滑油にMEK・トルエンを混合・冷却しWAX結晶を析出させ濾過すると潤滑油ベースオイルができあがります。

このベースオイルに、各種添加剤をブレンドしてエンジンオイルが完成します。この、添加剤のブレンドのしやすさでも鉱物油が化学合成油より優れています。

日本の原油は中東から運ばれた物で、これから作られた潤滑油はナフテン系オイル(脂環族)と言われる物で、世界的に見ても潤滑油の95%はこのナフテン系です。
これに対して、北米の油田の一部で出る原油からはパラフィン系オイル(脂肪族)が出来ます。

ナフテンとパラフィンは、鎖状と環状と言う違いがありますが、潤滑性能はパラフィン系の方が高いとされており、このため、パラフィン系オイルを持たなかったヨーロッパで化学合製油の研究が進んだと追われています。
(時々ディスカウントショップで安く売られている、米国産のChevronなどクォーターボトルに入ったオイルは日本の物よりも性能が良いと言われます)

こうして、オイルができるわかですが、オイル選びは潤滑性能だけではないところが難しいところです。

車の話では、ベンツが評価される一番の理由として、突出した性能は無いけど全ての点でバランスが取れていて、総合的にまとまっていることだと言われますが、オイルもこれと同じです。

なぜなら、エンジンオイルは潤滑性能だけでは成り立っておらず、防錆からシールとの相性など色々な項目があるからです。

例えば、材料工学では常識ですが、パッキンに使われる代表的な耐油性ゴム(NBR=アクリロニトリルとブタジェンを乳化重合して凝固した物)の「油」とは非極性である鉱物油を意味しています。

ですから、高性能オイルの代表のように言われるエステルは極性があるため、オイルはゴム分子間に油が入り込み膨潤という現象を起こしてパッキンがダメになります。(エステルはゴムを膨張させます)

エステルに対して、化学合成油のベースとして一番多いのは、PAO(ポリアルフォオレフィン)といわれるもので、ナフサベースですがこちらはゴムを収縮させる性質があります。

よく、化学合成油を入れるとオイル滲みがおきやすいと言われ、その理由は化学合成オイルは分子が小さく、浸透率が高いからなんて言われますが、設計に考慮されていない添加剤や成分によって、パッキンがダメになっているだけです。

それならばゴムを改良して、さらに耐油性の強いものと考えがちですが、車と同じでバランスが大切で、エンジンに使用されるものは、耐油性、耐熱性、酸化安定性、耐寒性などなど多くの項目で平均的なバランスが必要となります。
耐油性だけを考えれば改良することは出来ても、そうした場合は他の性能のバランスが必ず崩れます。

実はゴム関係のトラブルで多いのは、ブレーキフルードで、あまり気にせずディーラーで見てもらっている人は良いのですが、変にこだわる人がスーパードット○などの、沸点の高いものを使用すると、ゴムが膨潤して高い確率でトラブルが発生します。

ということで、車を長持ちさせるのは潤滑性能だけに特化した高性能オイルとは限らないところがオイル選びの難しい点です。
Posted at 2005/02/02 20:20:57 | コメント(3) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年01月26日 イイね!

ATフルードとは

ATフルードとは車関係の掲示板を見ていると、オイルについでATフルードの交換についても話題に登ります。これもオイルと同じく、ガソリンスタンドでは2万kmでの交換を推奨していたり、色々な噂が流れていて整備書にはちゃんと明記されているのに、ユーザーにとっては不安の種のようです。
よくATオイルと言われる人もいますが、潤滑油ではなくブレーキフルード、パワステフルードと同じく作動油ですから、ATフルードです。

まず、ATフルードの話の前にATの構造はどこまで理解しているでしょうか?
良く間違って認識されていることに、ATはクラッチが無いと言う思いこみと、機械式ATと電子制御式ATの構造の違いです。

ATにもちゃんとクラッチが入っていて、ギアが切り変わる際には半クラッチの状態があって繋がります。このクラッチ、ペーパー系湿式摩擦材が使用されており、最新の物は和紙の製法と同じように、繊維を漉いて作っています。

次に機械式ATは新車で採用している車は無いと思いますが(日本車は早くから電子制御が進み、欧州車でも8年くらい前からほとんど無くなった)、切替をアクセルの開度と負荷による油圧によって、迷路のようなバルブボディを動作させてギアを変えるものです。

これに対して、電子制御式は速度、エンジン回転数、アクセル開度などの諸条件からECUにて判断して、機械式のバルブボディの役割を、信号によって電磁バルブを動作させて変速するものです。

ヨーロッパ車のAT化が進まなかった理由には、低温で適切な流動性を持ったフルードが無かったと言う理由もあります。量産車で北欧のような寒冷地で使用可能としたATは初代セルシオが初だったと記憶しています。(粘土の低いATフルードの開発が鍵でした)

そこで、ATフルード交換の謎について考えてみます。何が正しいのでしょうか。

謎1 古いATフルードは替えない方が良い
これは、機械式ATの頃に出来た話です。
この当時は、ATフルードの交換周期が整備書にも明記されていました。

以前はクラッチの素材も悪く、クラッチの削れたカスが出るため、定期的にATフルードとフィルターは交換の必要があり、これを怠るとバルブボディなど細い経路にスラッジとして堆積しました。

この堆積したものが、ATフルードを交換することによって、清浄性が上がり剥がれて、油圧によって動作するボール等に詰まってしまったことから、7万km位交換しなかったATフルードは交換してはいけないと言う話が出来たようです。

メーカー指定で交換していれば10~15万kmでオーバーホール時期がやってくると思いますが、通常の乗り方ならば10年ですから、ベンツのような高額な車でなければオーバーホール(40万円位)せずに廃車になったことでしょう。

古いATは変速時にアクセルを少し戻すなど、クラッチの労り方でもちはかなり変わってきます。

最新の電子制御式ATなら、そもそも無交換を指定しているように、クラッチからのカスも少ないですし、弱点であるバルブボディも無いので、長距離乗った車を交換したい場合、2ヶ月位の間隔で2回くらい交換すれば問題が発生することはほとんど無いと思われます。(保証するものではありませんので自己判断で)

謎2 ATフルードはメーカー純正で無ければならない。
ATフルードの規格は当初GMが規格化したデキシロン○-○が有名で、基本的に同じならば純正でなくても問題はありません。世界中でもATを内製しているメーカーは少なく、ドイツのZF、日本のアイシンAW、ジャトコ、愛知電機などで多くのメーカに供給しているので、独自のATフルードを使っている可能性は小さいです。

しかし、ATを内製しているメルセデス、ホンダの電子制御式については純正が望ましいです。
デキシロン規格、日本ではJASO規格がありますが、基本的には粘度の違いであとはメーカーによって添加剤が若干異なっていますが、内製ATでは変速のすべりやクラッチの強度などを考えて添加剤をブレンドしていると思われますので、純正以外のATフルードを使うと滑りが変わって、クラッチの寿命を縮めたりすることが考えられます。

某大手自動車用品店のピットメニューで使用してるATフルードを見てきたら、自社ブランドが書かれていましたが製造はモービルのデキシロン2Dで、ベンツ、BMWにも最適とか書かれていました。
ベンツ、BMWでもデキシロン2-Dを指定していたのは、機械式ATの車種までで現在は(国産車も含めて)デキシロン3-Fが一般的のはずで、大手自動車用品店でATフルードを交換するのはちょっとなぁと思った次第です。

ですから、自社のATの指定規格や純正のメーカーなどがわかっていれば、確認した上で交換してもいいですが、わからなくて交換したい場合はディーラーで行うのが安心です。

謎3 2万km毎に交換した方が良い。
交換によるデメリットは環境汚染以外はほとんど無いので、替えたい人は替えても良いですが、整備書通りの交換で10万kmは問題無いよう設計されています。
ただ、2万kmと言うのはスタンドやお店が儲けるための数字でしょう。

前にも書きましたが、車を長持ちさせたいならクーラントをちゃんと交換した方が色々な面でトラブル防止に効果があります。

謎4 ATフルードは交換しない方が良い。(メーカー)
各メーカーによって、耐久性の基準がありテストを行っているので、メーカーの指定通りにしていれば、通常使用において10万kmでダメになることは無いと思います。
ですが、どうしても替えたい人は替えても問題は無いです。

最近は、ATフルードの口に封印を付けたり、ゲージが無い車が徐々に増えていますが、これはスタンドなどで交換されて故障の原因になることが多いのでメーカー側の自衛策です。

ATフルードの量は厳密であり、少なければ駄目ですが、多すぎるのはもっと悪いですし、物凄い流速でトルクコンバータ内を流れていますので髪の毛みたいな小さな物でも混入すると、タービンが損傷する可能性があるので、交換するなら信用のおけるお店で行うことをお勧めします。
Posted at 2005/01/26 20:26:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年01月19日 イイね!

オイル添加剤とは その3

-----塩素系炭化水素添加剤-----

塩素系と聞くとハイターやカビキラーのようで、そんな添加剤あるのか?と言う感じですが、価格的にも手を出しやすく、数も多く出ているタイプだと思います。

深夜テレショでもおなじみのモーターアップとか、効果があると言われるミリテックとか、他にも多数あります。

何故摩擦抵抗が低減出来るかというと、圧力の高い場所で摩擦熱が発生しますが、ここにハロゲン化物質があると、金属を腐食させて柔らかくします。要するに、金属にヌルヌルした腐食膜を作って極圧潤滑を改善するのです。

で、この塩素系炭化水素添加剤は案外ポピュラーで、極圧潤滑が改善されることからギア、デフオイルには入っています。

デフオイルの交換する際に、ツーンと鼻に付く匂いがしたからオイルが酸化していたと言う記事とかネットで見かけますが、それはオイルの酸化の匂いではなく、この添加剤の匂いです。

それならば添加剤として効きそうだと思うかもしれませんが、極圧潤滑の改善ですからエンジンには極圧潤滑が必要な箇所がないことと、最近多いアルミ合金エンジンに使用すると、腐食させる危険性が高いため、エンジン添加剤として使用するのは避けたいです。

メーカーによると、腐食防止剤とかモリブデンが配合されており腐食は問題の無いレベルであると回答していますが(モリブデンは逆に金属を腐食されると思われますが?)、長期的に実験しているのかどうかわかりません。
モーターアップもホームセンターでたたき売られるようになり、購入して入れてしまった人は1回で辞めておくのが吉だと私は思います。

また、添加剤の真実の中で書かれているように、同一の製品を名前を変えたりして売っているみたいで、製造元を辿るとカナダの某社みたいです。

ここから先の話は、深い闇に阻まれていて確認が取れないのですが、この添加剤は元は軍事用に開発されたものが、民間に販売されるようになったようです。
トマホークミサイルなどのターボジェットなど、小型高出力の軍事用機器を焼き付かせないように開発されたもので、エンジンの長期保護でなく短期間でも無理に稼動させることを目的にしているので自動車エンジンへの使用はメリットよりもデメリットが大きいように思います。

-----有機モリブデン系添加剤-----

これは市販のオイルにはたいていブレンドされている添加剤です。
産出量が少ないことから、比較的値段は高めですし、入れすぎは逆に良くありませんので、後から追加することはデメリットに繋がると思います。

この点も、車のエンジンオイルと添加剤のホームページが詳しいので参考にして下さい。

http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/Mo.html

有機モリブデンは、効果が比較的短いのでオイル交換サイクルを1万kmとした場合、2,3千km毎に
少しずつ足すと、エンジン音がオイルを入れ替えた時と同じように静かになると言った効果はあると思います。

私自身、今は添加剤を別で買うよりも初めから良いオイルを入れますが、以前はこの方法を行っていました。

上記のHP内でも書かれていますが、「固体潤滑剤」(二硫化モリブデン、テフロン、セラミックス)などを添加した場合、エンジントラブルについて自動車メーカーでは保証しません。一部の製品には非常に微粒子のためブラウン運動により沈殿しませんと書かれたものがありますが、やはり土日しか車に乗らなかったり、時間が経つと粒子同士がひっついたりして沈殿しますし、オイル検査を行うと濾紙には引っかからなくてもわかります。

某輸入車メーカーでは、エンジンブローを含めてディーラーから持ち込まれた場合、真っ先にエンジンオイルが取られて検査されていました。この段階でテフロン系添加剤など入っていた場合は保証対象になりませんので、添加剤の好きな方はリスクを十分理解して行ってください。

これは、輸入車系メーカーの方が徹底していると思いますが、ディーラーで添加剤を売っていたりするんですよね・・・まあ、ディーラーはメーカーでは無く独立採算ですから何もやらないとカー用品店に利益を取られるだけとか、色々とあるのだと思いますが、何となく釈然としないものを感じます。

確実に言えるのは、オイルメーカー、自動車メーカー(ディーラーでは無い)に聞けば、添加剤は絶対に入れないで下さいと答えると言うことです。

添加剤は、特性や用途を正しく理解して使用すれば効果のあるものですが、エンジンオイルは多数の添加剤のバランスの上に成立している製品ですから、レースでもやらない限り新たな添加剤を追加してバランスを崩す事は無いと思います。

以上
Posted at 2005/01/19 17:16:56 | コメント(3) | トラックバック(3) | 技術解説 | クルマ

プロフィール

年齢と共に、車に求めるものも速さから快適性に変わってきたような気がします。 冬は、おいしいお酒を求めて、スキーなどに飛び回っていますがアウトバックでなく、...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/7 >>

  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

リンク・クリップ

おばたりあん 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2012/05/08 13:26:17
旧車2 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2012/05/08 13:09:39
さすが海洋堂 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2012/05/08 13:05:31

愛車一覧

トヨタ クラウンアスリート トヨタ クラウンアスリート
2007/5/26にC200から乗り換え。 最初は硬かったか?と思った足も少しずつしな ...
スバル レガシィB4 スバル レガシィB4
このたび、久しぶりにレガシィに戻ってきました。 BC→BLと言うことで進歩していますね。 ...
メルセデス・ベンツ Cクラス セダン メルセデス・ベンツ Cクラス セダン
転勤族なので思わぬ雪国に行くことも・・・ 同時期に購入した国産車のボディが4年位でヤレ ...

過去のブログ

2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation