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2005年09月26日 イイね!

ハイオク仕様にレギュラーを入れたら

一応、化学的に見たガソリンとはからの続きになります。

ガソリンも高くなり、何となく本屋で立ち読みしたB5の紙質の悪い系の雑誌に、レギュラーガソリンと、ハイオクガソリンを入れてハイオクの方が5%位燃費が良いけど、ハイオクだからと言う、化学的なのか非化学的なのかよくわからん記事を見たので思い出したように続きを書いています。

燃費の比較は難しいし、ガソリンによる燃費の差を比較できる環境もないので実験はしていませんが、先のブログに書いたように、車の燃料を買う=熱量を買うということなので、発熱量・すなわち燃料の比重のをみればだいたい5%位の燃費の差が出ることは予想できます。

勿論、熱量の差がそのまま燃費に結びついているわけで無いので、原因を切り分けて考えるのが困難だと言うことは前回書いた通りです。

なので、最近のガソリンの値上がりで、ハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを入れるとわずかでもお得か?と言うことになると難しくなってきます。

雑誌には各メーカーの見解が載っていて、どのメーカーも、ハイオク仕様にレギュラーガソリンを入れてもエンジンは壊れないとしながらも、あくまで緊急時の措置で、常用はあり得ないと言うものです。

しかし、少しでも安いレギュラーを入れてしまう安易な人も多いようなので、そのあたりをちょっと考えてみましょう。


ハイオク仕様の車・・・圧縮比を高めに設定出来るので、当然そうしたエンジン設計をするため、ここにレギュラーガソリンを入れれば、ノッキングし易くなります。

ノッキングが発生すると、すぐにエンジンが壊れるわけではありませんが、良くないのでノックセンサーが付いていて、ノッキングを検出すると、点火時期を遅らせるなどして対処します。

このあたりも、可変圧縮率エンジンならば圧縮比を下げて対処するのでしょうけど、いまは可変バルブタイミング機構があればそのあたりも使ってノッキングが発生しないようにします。
こうした事を行うと、ハイオクの持っている5%の熱量のアドバンテージ以上に捨てる物が大きくなるので、下手をすると8%程度の販売価格の差以上に燃費を落としてしまう場合が多いでしょう。


では、少しでも燃料代を安くするにはどうすればいいか?

ヒント:ハイオク仕様のエンジンは、95オクタンのガソリンを燃料と想定しています。


そう言うことです!!

化学面からみると、レギュラーガソリンとハイオクガソリンを半々に混ぜても問題は無く、かつガソリンの量とオクタン価の重みでほぼリニアに、混ぜたあとのオクタン価が変わるということが知られています。

とすると、日本のレギュラーガソリンのオクタン価は約90、ハイオクガソリンのオクタン価は約99とすれば、何対何で混ぜれば95に持っていけるかわかると思います。

実際には、6:4はきついかもしれません。5:5ならおそらく大丈夫でしょう。
私は実験したこと無いので、誰か試してみてください。

ECUがオクタン価が低いと判断して、マップを切り替えると、エンジン音の割にトルクが感じられなくなったり、水温が上がり目になるので気を付けていればわかると思います。
Posted at 2005/09/26 06:12:40 | コメント(5) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年08月28日 イイね!

化学的に見たガソリンとは

ガソリンの話は、
ガソリンの真実とは
で書きましたが、もう少し燃料として化学的に考えてみます。

web上でガソリンの話になると、先のように、どこの会社のガソリンが良いのか?とか、プレミアム仕様の車にレギュラーを入れても良いか?と言う話題がほとんどだと思います。

これに対して、web上の回答の多くは、エネオスが良いらしいとか、レギュラーガソリンを入れても壊れないけど燃費も悪くなるから、実際は得にならないと言うものです。

この点は、化学的にガソリンを捉えていればおのずと答えが出るというか、燃料の理論は簡単なのです。

燃焼効率と理想空燃比とはで書いたように、現在の燃焼効率は98%近く(ディーゼルでは99%程度)にコントロールされていますので、つまり燃料の持つ熱量が出力になると考えれば良いのです。

石油系の燃料を考える場合、発熱量は約10,500 kcal/kg、43 MJ/kgと見なすことが出来ます。これは、レギュラーとプレミアムの間だけでなく、軽油や灯油でも同じなのです。

石油系の燃料は、教科書で(C1H2)nと習ったように、単純な炭化水素として表現できるからで、nの概略値はガソリン、軽油などで順に変わりますが、発熱量は nの値には依存しません。もう少し厳密に計算するなら(C1H2)nではなく、ガソリン C7.5H13.5、軽油 C16H30というように近似して考えます。

だから、重さでみればどの燃料でも発熱量は同じです=燃焼効率が同じなら燃費の差は熱効率になります。

しかし、ガソリン、軽油、灯油を比べてみると燃料の比重は結構違います。

普通、ガソリンを買う場合は1Lあたりの価格で買うので、価格が同じならば密度の高い(重たい)燃料を買うのが得になります。

計測してみると分かると思いますが、レギュラーガソリンの比重は0.73、プレミアムガソリンで0.77、軽油では 0.83くらいです。

ガソリンと軽油では13 %も比重が違うのです。しかも、軽油が安いのです。

レギュラガソリンとプレミアムガソリンでも、比重は 5 % 異なりますから1Lあたりの価格の差が5 %なら実質的な値段の差はないことになります。
実際は8%程度の価格差ですから、そのあたりは洗浄剤などのプレミアム分と考えれば妥当と思えますね。

じゃあなぜプレミアムガソリンはレギュラーガソリンよりも重たいのでしょう??
MTBEが使われなくなって、プレミアムガソリンを作るには、アルキレート・・・例えばベンゼン・トルエン系の基材(物質) を加えて作られます。

これらの基材の比重は大きく0.87くらいあるため、プレミアムガソリンはレギュラーガソリンよりも比重が高く、大きな熱量を持っています。

しかし、レギュラーガソリンに替えてプレミアムガソリンを入れて、5 %程燃費が良くなったという場合、熱量が増えたから燃費が良くなったのか、点火時期が前に進んでサイクルとして良くなったのか、その原因を切り分けることは困難です。

ただ、燃費が良くなるのは間違いないです。

つづく・・・
Posted at 2005/08/28 18:16:34 | コメント(1) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年08月16日 イイね!

まじめな冷却のメカニズム

ラジエター水チューンとはのような怪しい話ではありません。

以下の冷却理論は、車関係の本にはおそらくどこにも書かれていませんが、最近の研究報告などから考えると多分正しいと思います。

ラジエターに入れている冷却水ですが、水ではなく不凍液に色々な物が添加されています。

エンジンを長持ちさせたいなら、オイルを指定サイクルの半分で替えるよりも、オイルは指定サイクルで良いから、クーラントをきっちりと交換すべきというのが持論です。

本題からはずれますが、乗用車の平均寿命は約9年と言われ、15年も前の車、特に国産車はセルシオやクラウンなど一部を除いてほとんど見かけません。

なので、古い車は必然的に古いベンツであったり、BMWであったりするのですが、たいていは冷却水がらみの部分から、エンジンにダメージを与えて寿命となっている印象が強いです。

LLCはエチレングリコールまたはプロピレングリコールを主成分として、水酸化カリウム、燐酸など毒性を持つ物質を含みますが、以前は、さらに毒性が強いけど、強い防錆作用を持った車には良いクーラントがありました。

しかし、環境面から防錆剤もノンアミン系に変わって、またエンジンも腐食に弱いアルミ合金製に変わって、地下水等を使用したために腐食してしまった例は増えています。

だいたい、ヘッドで冷却水とオイルが混ざるような事態が発生すると、オーバーホールまでする人はまれで、廃車にされてしまうことが多いので、長く乗るつもりなら気を掛けたいところです。

私は50%濃度(メーカー指定)のクーラントを定期的に交換していますが、冷却性能だけを考えると、濃度は低い方が性能は高いのです。


本題に戻りますが、ご存じのように冷却水はエンジンを適度に冷却するために、エンジンブロック内を流れてラジエターで放熱して90℃位に保たれています。

エンジンのシリンダ内壁温度は約150℃になりますが、冷却水路の液側の金属面での温度は約135℃ くらいになって、クーラントの沸点(約120℃)よりやや高くなっています。

この、エンジン内部の冷却水路の金属壁表面をミクロ的に見た場合、どのような熱伝達が起こっているのか解析されておらず、冷却水を沸騰させずに強制循環させるのが良いと思われていました。

しかし、原子炉の冷却系の解析が進み、沸騰熱伝達特性について色々なことがわかってきました。

そのあたりをもとに、エンジン内を考えてみると、エンジンブロック内の冷却水経路の金属表面では、クーラントの沸点を少し超えているので、沸騰して泡が出ています。

これは、バブリングと呼ばれる現象で、この泡は流れている冷却液(バルク)のところに到達すると液に戻ります。

このバブリングによって、冷却液側の金属壁表面がかき乱される状態を、サブクール沸騰と言って、サブクール沸騰での熱伝達は強制対流熱伝達の数倍の熱移動能力を持ちます。
※サブクール沸騰:流体のバルク温度が沸点に達していない状態の沸騰を言い、沸点に達している沸騰を飽和沸騰と言う。また、鍋でお湯が沸騰しているように気泡が次々と発生して離脱している状態を核沸騰と言います。

なので、エチレングリコールの濃度を上げすぎると、沸点が上がって冷却液が金属壁表面で沸騰しなくなり、サブクール沸騰ではなく強制対流熱伝達となって逆にオーバーヒートを起こしやすくなります。

冬の北海道でオーバーヒートが起こったりするのは、雪などによるつまりの他に、クーラントの濃度が高く、サブクール沸騰が発生しないためと言うことも関係するのではないかと思います。

オイルは、温度がかからなければ2年程度では劣化しませんが、クーラントの防錆効果は2年もすればかなり落ちますので、クーラントは程々の濃度(30%~50%)にして、1年から1年半くらいで交換するのが大きな出費を出さない予防策かと思います。
Posted at 2005/08/16 21:13:18 | コメント(3) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年08月15日 イイね!

遅いドライバーほど固い足を好むのは何故か(荷重移動とは1)

何となく、前ブログ

サスペンションのセッティングとは
ダンパーのセッティングとは
バネとスタビのセッティングとは
から引きずります(笑)

「遅いドライバーほど固い足を好む」

これは、レース業界では定説のように言われる格言?だそうで、他には「遅いドライバーほどショートギアを好む」と言うのがあるらしいです。

いかにもありそうな話です。でも、そのレベルってプロじゃ無いような...

これは、ある程度走り込んだことのある人なら、一度は通る道だと思うのですが、荷重移動の下手なうちは固い足の方が速い気がするからでしょう。

運転の上手い下手は、なめらかな操作と荷重移動にあると思います。

なめらかな荷重移動無しには、接地性とトラクションを確保出来ないからです。

イメージとしては、スキーと同じです。

荷重を外足にかけてエッジに乗って、外力とバランスしながらターンを切りますが、その荷重の掛かった足を押し出すようにすると、特にカービングスキーではカーブを切りながら加速するような感じがします。

車も同じで、なめらかに外側のタイヤに荷重を移して、タイヤのグリップを最大に使いながらクリッピングポイントに付く...本当は、その少し前からハンドルを戻しながらクリッピングポイントに付いて、そこからジワッとアクセルを前回まで踏み込んで脱出する。

ここで、固い足だと荷重移動が「速く」行われて、一見シャープで速く走っていそうですがトラクションがかけられなく遅いのです。

実際にもうすこしレベルが上がって、スピードが上がってくると、こうした固い足では追従性の悪さから、グリップの低下を感じるようになってきます。


イメージとしみると、直線を走っている時は左右のタイヤに均等に重さがかかっています。

ここで、ステアリングを切ると、タイヤがたわんで応力が立ち上がって、車両の重心には重力=mgの他に遠心力=(mv^2)/rが働くため、外側タイヤ方向に力が働いてサスが縮みます。

そうすると、車両の重心は外側に移動するため、荷重が内側から外側に移って、さらに外側のサスが縮んで、内側のサスが伸びると言う過度状態を経て、力の大きさと釣り合うまでバネが縮んで定常状態になります。

この荷重移動が速く行われるほど、Gが速く立ち上がるためドライバーはシャープと感じます。

そのためには、
荷重移動量を少なくする=ロールさせない=バネ、ダンパーを固くする。
荷重移動そのものを速く行う=ダンパーのコンプレッション側を弱くする。
などの方法がありますが、どれも不安定そうなのがわかると思います。

タイヤもたわまず、サスも無くて全くロールしないとすると、遠心力は、ステアリングを切った瞬間に立ち上がってタイヤの切れ角が増えるにつれて増加して、荷重移動(正確には移動じゃなけど)も瞬時に完了します。

この荷重移動が行われている過度状態を安定させるとともに、ドライバーの反応速度にしてくれるのがダンパーです。

ダンパーは動かないときは作用しませんが、たとえば50kgの力を掛けると毎秒10mm縮むとか特性を持っていますので、車両の重心移動を滑らかに行ってくれます。。

続く・・・
Posted at 2005/08/15 21:05:33 | コメント(4) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年08月14日 イイね!

バネとスタビのセッティングとは

サスペンションのセッティングとは

ダンパーのセッティングとは の続きです。

スタビとバネは働く領域が違うのですが、やはり関わりがあるのでまとめて書きます。

特にスタビは、投資が少ない割に効果が感じやすいため、スタビ強化は人気のあるメニューのようです。

一般的に、ダンパーと合わせてバネを調整しますが、バネを強くしてロールを抑えようとすると、タイヤのグリップ力が充分にある場合は、外側があまり沈まずに内輪が持ち上がるようになって、重心が高く荷重移動も大きくなります。

そこで、スタビの登場です。

スタビは、反対側のバネ下に連結されていて、外側が沈みこむと内側も沈み込ませるように働くため、内側が持ち上がるのを防ぎ、車高を低く保て、荷重移動を少なくします。

しかし、スタビは構造上、左右同時の上下運動での効きは0で、コーナリング調整に適しているのですが、プレロードをかけれないので、ロール初期段階では、充分な抵抗力を発生できません。

また、ロール初期段階で充分な抵抗力を発生するほど強くすると、最終的なロール量が極端に減り、ドライバーが限界を感じ取りにくくなり、経験の低いドライバーほど事故に繋がりやすくなります。

特にスタビを強めると、切り返しなどで横Gが抜けたときの反動が大きく、切り返しのあるコースでは不安定になります。特に、リアスタビを強めた場合、カウンターで止まった時のお釣りが強烈になります。

そこで、またバネ調整に戻るのですが、こちらも強くしすぎると、ストレートやブレーキング時に路面への追従性は悪くなってしまいます。


要するに、サスペンションセッティングとは、ダンパー、バネ、スタビの役割と性質を理解して、その3つのバランスの良い妥協点を見つけることです。

コーナー中盤まではアンダーステアなのに、クリッピングポイント近くで急にオーバーステアになるという、とても乗りにくい車を作るのは、リアダンパーとバネを弱くして、スタビを強くすれば簡単に出来ますが、全てを適度なバランスで成立させるために市販車では何万キロもの実走と膨大な時間が費やされます。
Posted at 2005/08/14 13:29:34 | コメント(5) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ

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年齢と共に、車に求めるものも速さから快適性に変わってきたような気がします。 冬は、おいしいお酒を求めて、スキーなどに飛び回っていますがアウトバックでなく、...
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