最近、車ネタが減っていますが、久しぶりに車ネタに対するご意見とご質問を頂きましたので個人的見解を書いてみます。
最初に、過去のブログで「オカルト商品」としているものは、
1.プラシーボ効果のみで初めから工学的知識を持たない消費者をだます目的で販売する商品
or
2.販売側も効果を信じているようだが客観的に見て技術的根拠が無く効果も無い商品
の2点です。
この中には、効果が感じられる物(旧車におけるアーシングなど)もありますが、それは新車時の状態に戻っただけでそれ以上でのものではなく、こうした儲かれば人をだましても良いと言う姿勢を批判して書いた物です。
もう一つ、オカルトではありませんが、
3.添加剤に代表される、効果はあるが弊害も大きいので使わない方が車または環境に良い(車には良いが金額的に見合わないものも含む)
と言う製品があります。
こちらは有毒物質でない限り趣味として自己責任で楽しめば良いと思っています。
このあたりか、右の目次を参照して下さい。
そこで、本題に入りますが、頂いたご意見とご質問の要点は以下の3点です。
1.効果があるならメーカーが採用するはずと言う説はおかしいのではないか。(意見)
2.ボディ剛性強化グッズの功罪は?(質問)
3.バネ下荷重の低減はバネ上の10倍の効果があるというのは本当か?(質問)
これについて、ひとつずつ思うことをかいてみます。
◇「効果があるならメーカーが採用するはず」と考える理由
技術論全般で語るならば、「効果があるならメーカーが採用するはず」と言う考えは、コスト面から絶対的に正しいと思いませんが、ここで取り上げた程度の製品(どれも原価が数百円から数千円程度)ならば、この考えは当てはまると思います。
メーカーは、沢山の車を販売して多くの利益を出すことが目的なので、売り上げに結びつかない物には、効果があっても高い場合は採用しないとの考えがあります。
しかし、ほとんどのメーカーで、経営部門から開発部門に対する要求のなかでは、燃費に関する要件は走りの性能に対するそれを上回っています。
つまり、限られたコストの中では、走りを良くするよりも燃費を良くした方が消費者に対するアピールも大きく、会社のイメージに取ってもプラスであると考えているからです。
現在は、燃費、安全性へは限られたコストの中から高い優先順位でお金が回されます。
現に、オカルトグッズの多くは、燃費向上(パワーアップ)をうたった製品がほとんどで、そのことからもユーザーの燃費に対する注目が高いことがわかります。
スバルのように、走りのイメージを大切にするメーカーでも、エンジン内部には燃費向上のために、見えない部分に特殊なコーティングやお金の掛かる機構を採用して、内装や装備などを省略したりして全体のバランスを取っています。
また、トヨタは大きな開発費を掛けてハイブリッドを開発し、赤字覚悟の価格でプリウスを投入したように本当に効果を証明する自信があればその技術を投入してきます。
このように、ハイブリッド、直噴なんて言う大物に限らず、カムなどへの窒化チタンコーティングなど地道な物でも、先のオカルトグッズよりもお金がかかるはずです。
安全に関する装置も高価格な車から標準採用して、中級車ではオプション設定と言う具合に、徐々にコストを下げながら下のクラスに展開していきます。
プリウスとインサイトの燃費競争を見ればわかるように、0.1kmの数字を争うのに膨大な開発費を投入するのに、たかが原価数百円の磁石やモズナ石を採用しない理由などありません。
仮に、その技術が非常にお金が掛かるとしても、F1などお金に糸目を付けず効率を追求する場や、1千万円以上の価格で売られる、フラッグシップでは逆に先進性でアピールとなるため採用する場はいくらでもあります。
あと、私の考えは「車はメーカー出荷状態が最高で、ユーザーがいじってもそれ以上良くならない」ということではないので補足しておきます。
車に限らずですが、最大公約数の要求に応えるように限られたコストの中で高度にバランスしていますので、ユーザーがいじることによって、「パワーを上げる」、「ハンドリングを良くする」、などはできますが、そうした場合はほかの箇所に何らかの悪影響・・・設計以上の使い方になったり、部品レベルでの耐久性を落としたり、素材に悪影響を与えたりするので、一般的にはやるべきで無いと考えます。(競技ではこの考えは無いです)
ですから、もし足回りに不満がある場合、後から手を入れるよりも初めから不満の無い車を探して購入するのが本道です。
バネやダンパーはいじれても、サスジオメトリまで手を入れることは困難ですし、ボディの補強との協調設計が台無しになるからです。
長くなってしまったので、質問への見解はつづきます(^^;
Posted at 2006/04/17 23:43:51 | |
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