2005年01月20日
レガシィは日本車では珍しく、車の特に走りの部分にこだわりを持つ人から支持を受ける車なようで、自動車雑誌でレポートなど取り上げられる回数は、販売台数などから考えればかなり多ように思います。
試乗する場合もそうですが、車の印象はその直前に運転した車や、長いこと馴染んだ車を基準として相対的に判断しているのが普通ですので、私の場合の評価軸はW202が基準になっています。ですから、ハンドルなどもちょっと軽いなぁと感じていますが、きっとトヨタ車あたりから乗り換えると重いと感じると思います。
○3.0R spec.Bはどんな車か
一言で言うと、スバルが現在もてる全てを注ぎ込んだ、でもちょっと肩の力が入りすぎてしまった車です(笑)
良く言われるように、オプションの組み合わせも微妙で、本革、VDC、マッキンなどサンルーフ以外付けたら400万とCクラスと変わらない価格です。この価格だと、BMWでも5MT車、アウディだとCVTですが購入出来る金額になるので、悩む人は多いでしょうね。
そもそも、この大きさ、この排気量でマニュアルを求めるような人は、2.0GT spec.Bよりも、もっとヨーロッパ車的なグランドツアラーな性格を期待していると思います。
そんなことはメーカーもわかっていて、3.0Rは2.0GTに比べて足回りも見直してきたのに、6MTを載せるとなったら気合い入りすぎて、ちょっとやりすぎちゃったと言う印象です。
まあ、私は穏やかなCクラスがあるので、このくらいのキャラクターでも楽しいのですが、後部座席にも人を乗せてと言う使い方をするには、突き上げが強すぎる感じがします。
また、18インチはいらなかったですね。ベンツのE320だって、BMWの525i(輸入される530iは日本側の要望で17インチ)だって車重で100kg重くても16インチで、レガシィよりも高速域でブレーキも安心して踏めるのだから、もう少し長距離を走っても疲れない乗り心地にして欲しかったです。
○ボディ剛性
ボディ剛性は代を重ねることに高くなっていて、乗った感じとしては現行のBMWと差が無いくらいに感じます。
ただ、軽量化もあるでしょうが以前から変わらぬ弱そうなドアヒンジ部は、長期的にはドア落ちする原因でいただけないですし、こだわりのサッシュレスのためか車内での密閉感は今ひとつです。
○Fサス(マクファーソンストラット)
作り慣れた感じで、ハンドリングも自然です。
最近のトレンドは、先代のアウディA4が採用して、多くのメーカーが真似ている4リンクと呼ばれるアッパーアーム(Aアーム)とロワアームを分割したダブルウィッシュボーンで、仮想転舵軸によりキングピンオフセットをゼロにするというものですが、あえて変更しなかったあたり好感が持てます。
ハンドルに伝わる感触も、変にゴムが入っている感じがしなくて良いと思います。
○Rサス(マルチリンク)
先代でストラットからマルチリンクへ変更し、今回は基本的なジオメトリは変更していないようです。
マルチリンクは、ベンツの190Eが最初に採用した方式で、セッティングが難しい一方で、ビシッと決まるとFRでもADWのような安定性が出るサスペンションで、全ての車はこの方向へ収束すると思われます。
レガシィのサスペンションで不満があるとすれば、このリアのマルチリンクで、サーキットなどではわからないようですが、轍の深い所を高速で走るとスプリングリンク(ロワアーム)の付け根がずれるような、タイヤがぐらついているような気持ち悪い感触が伝わります。
○ハンドリング
狙ったラインを通せますが、高速で切り込んでいくとリアサスのジオメトリが変化するのか、フロントがより深く切り込んでいくような挙動(実際はならないですが)が顔を出すため、ハンドルを戻しそうになります。
ステアリング剛性が下がるので、テレスコ調整の採用を嫌っているとの話がありますが、このあたりは適切なドラポジを出すためにも付けてもらいたいです。
ステアリングは軽くて小さめで、ギア比も15.0とクイックなためキビキビ感はありますが、ホイールベースも最近のFR車に比べて短いので、もう少しハンドル径を大きくするなどバランスを取っても良いような気がします。
私のように休みにしか乗らない人には刺激があっていいのですが、毎日乗るひとは刺激が強すぎると言うか、スキーで疲れた後の運転は辛そうです。
○乗り心地
運転しているとそれ程感じませんが、後席に乗ってみたり、他の車に乗り換えると固いのが良くわかります。ボディ剛性が高いので不快な感じではないですが、高速だと道路の継ぎ目の度に鋭い突き上げを感じます。
ビルシュタインと言うことですが、耐久性の基準を満たすため初めは固くなっているとの事ですが、最初から5万kmくらいの耐久性と割り切って、バネももう少し柔らかいのが好みです。(手を入れる予定はありませんが)
○運転のし易さ
BL型はバックするのが難しく、車庫入れが下手になった気がします。
リアウィンドウからの視界が高いこと以外にも何か原因がある気がするのですが良くわかりません。本当に自分が下手になったのかと思ったけど、W202だと問題ないです。W202はダッシュボードなど直線なので、景色とのずれもつかみやすく、車両感覚は掴みやすいです。
○インテリア
カップホルダー以外は、絶賛するほどではありませんがまあまあです。よく見るとプラスチックの質感など??と思いますが、まあそこはスバルなので、走りの部分にお金がかかっていると納得しています。
メーター類の視認性は良いですが、字体や風防など全体の印象としては高級という感じではないです。純正ナビを付けるとデジタル時計と燃費計が無くなるので、足立スバルの移設キットみたいなもものセットにして対応してほしいのと、この時期の車ならエアコンも左右独立で温度設定出来るものにして欲しかったです。
○前席
椅子が悪いと言われますが、私は大抵の椅子に合うようで不満は感じていません。それよりも、助手席も電動かせめて高さも調整出来るようにして欲しいです。それに、この価格の車で前後調節の取っ手が安っぽいスチールパイプを曲げただけというのはちょっと問題ありです。
センターコンソールボックスは後ろ過ぎて使いにくいですし、そういう車ではないと言われそうですが、マニュアルでも長距離の時は肘掛けとして使えるよう、オプションのボックスくらいの高さで引き出せるものが付いていると長距離でくつろげます。
○後席
アームレストは薄く安っぽいですが一応使えます。あまり後席には座らないのですが、170cm位の運転者なら後席の足元は長距離でも不満が出ないくらいの余裕はあります。それよりも、価格を考えれば後席のエアコン吹き出し口くらい付けて欲しいですね。
乗り心地は先に書いたよう硬いです。これから距離が伸びるとどのように馴染むか見守ることにします。
○本革シート
シートヒーターが欲しくて付けました。なかなか強力で、冬は快適ですし、値段の割に革質も良く感じます。色々と手入れを気にする方がいますが、しっかりと保護する染料が塗られていますから、固く絞った布拭きと乾拭きで良いと思います。
それよりも、普段から水を付けたままにしないとか、ジーンズなど金属のリベットや鍵で傷を付けないように気を付ける方が大切です。
○純正ナビ
ナビ肝心の精度は、最新の社外ナビにはちょっと劣るようで、意地悪な裏道にはいると時々1本違う道に表示されたりしています。
ですが、ナビも完成の域に近づいたようで、普通に案内してもらうには十分なものです。車内LANとの連系や収まりの良さから純正にしましたが、不満も無く使っています。
○マッキントッシュオーディオ
悪い音では無いが特別良いとも感じない。ただ、ブラックパネルになる見栄えの点と、一応であるがドアに制振材を入れたり静粛性にも貢献するということで選択した。
○エクステリア
各自の好みによるでしょうが、歴代の中で最もあか抜けているのは間違いないでしょう。フロントはもう少しボリューム感がある方が好きです。
○ライト
HIDの割にヘッドライトは暗く感じます。ライトの性能は、結局リフレクターの面積が効くので、デザインのために犠牲になった感じはします。
色は特別白いと感じませんが、視認性などから適当かと思います。
○VDC
まだ動作させた事が無いのでわかりませんが、本来はサイドエアバッグなどと合わせて標準装備にすべきものです。保険としてつけておくのがいいでしょう。
○その他
バイザーが付いているせいか、高速では風切り音が気になります。バイザー自体は非常に小さく、雨よけの役割としてはあまり機能していませんが、サッシュレスなのでガラスをこじって鍵を開けられるのは防止出来るかと思い付けたままにしています。
ロードノイズは大きめです。価格や使われ方を考えるともう少し考えて欲しいです。この車で一番の間違いは18インチを採用したことでしょうか。
○エンジン、シフトは前のブログを参考にして下さい。
Posted at 2005/01/20 21:54:30 | |
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