2005年03月03日
ここにいる車好きの方にとっては当たり前の事も、ボンネットもほとんど開けたことが無いという、世の中に案外多い人達にとっては当たり前でないことが多い。
そんな中の一つにアクセルがある。スピードを出すときに踏んでいるアレである。
話をしていると、アクセルペダル(ガスペダル)を踏むと、沢山の燃料がエンジンに送られて、そしてスピードが出ると言う誤解が多い。
車(エンジン)も電車(モーター)も一定の速度で走っているのは、その動力が出しているトルクと外からの抵抗が釣り合っているからであって、加減速するのはその釣り合いを崩すから、新たに釣り合う点まで速度が変化する。
そして、アクセルであるが最近は電子制御式(by wire)で無ければ、ペダルからワイヤーが伸びていて、エアクリーナーからインテークマニフォールドの間にある円形のバタフライバルブ(スロットルバルブ)を開け閉めしているだけの役割でしかない。
燃料は炭化水素であり、空気中に約21%存在する酸素と反応して、水と二酸化炭素になるのだが、燃料の種類によって完全燃焼する空気の比率(理論空燃比)が異なっている。
ガソリンは1:14.1~15.0位、軽油は14.6、メタノールは6.45なので、何も考えずにガソリンの量を増やしても黒鉛を吐き、次第に着火すらしなくなる。
なので、アクセルを踏むことによってスロットルバルブが開き、エンジンが吸い込む空気の量が増えるので、エアクリーナーの後ろにあるエアフローメーターで空気の量を測定して、その空気量に応じた量のガソリンを噴射して爆発させる。
当然空気(酸素)が多いと強い爆発が起こり、力が出るので回転が上がってさらに空気を吸い込もうとする、そうするとその空気量を測定して燃料を噴射して・・・と言う事を繰り返して回転が上昇して、最後にバルブが抵抗になってこれ以上空気が吸い込めないと言う状態で出せるトルクと走行抵抗(空気抵抗、駆動系の抵抗など)が釣り合った速度で定速走行となる。
このスロットルバルブによる空気抵抗がポンピングロスと呼ばれるもので、バルブ開度の小さい(抵抗になっている)アイドリング時が一番ロスが大きい。
なので、エンジンの効率はポンピングロスが減るバルブ開度が大きいほど良くなるが、回転が上がると駆動系(バルブが大きい)の抵抗やピストンの抵抗が大きくなり効率が悪くなるので、エンジンの最高効率点は3000~4000rpmあたりに存在する。
これからも増えるあろうby wireのアクセルはどうなっているかと言うと、ペダルに付いている、エンコーダーによってパルス信号に変えて、ECUにてアクセル開度の線形性や急な操作の補正をして、スロットルバルブをステッピングモータにて駆動しているだけだ。
電気的にペダルとスロットルを結ぶメリットは、途中にコンピュータを入れることによって、アクセルぺダルの踏み具合と実際のバルブの開度を自由に設定出来ることと、細かなアクセル操作を滑らかにして燃費の向上に繋げやすい。
スロットルバルブは円筒の中に蓋があって、その蓋の中心を軸にして90度倒れて流れる空気の量を調整するわけだが、一定の角度で回していくと空気の量は急速に増えていって、最後近くは少しずつ増えると言う曲線になる。
なので、アクセルペダルの踏んだ量と比例するようにバルブを開けると、少し踏んだだけで急激に出力が上がって、半分から先はあまり変わらないと言うような典型的な国産車に多いパターンになる。
補正するのは、簡単であるが国内では発進停止が多いので、多くのユーザーがこうした特性を好むため、少しアクセルを踏んだだけで飛び出すような設定の物が多い。
レガシィの6気筒エンジンの解説パンフには、電子制御式にすることによって、アクセルペダルの踏み具合と、出力の出方がリニアになるようにしたと言う説明があったと思うが、高速での走行が多いヨーロッパではこうした設定のアクセルが多い。
まあ、どんな特性でも慣れてしまうし、小型車の場合は少し踏んだら急激に力が出た方が、街中で乗るにはキビキビ走る印象になるのでどちらが良いと一概に言えないが、一度リニアなアクセルに慣れるとトルクの大きな車はそうでなければ怖い。フーガの3.5lに試乗した際には、最初自分の車の感覚でアクセルを踏んだらいきなり凄い加速をして驚いた。
Posted at 2005/03/03 18:06:48 | |
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技術解説 | クルマ
2005年03月03日

今日は暖かいですね。
さすがに桃の節句とのなると雪よりも花粉が舞う季節になってきますね。しばらくはマスクと保湿ティッシュが必需品になります。
でも、朝は布団の中が気持ち良いですよね~(^^)
日の当たるところに、紅茶とケーキを用意して、1日ゴロゴロと本でも読んでいたい日ですが、午後から会社です・・・残念。
Posted at 2005/03/03 11:04:09 | |
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